脳と習慣
「脳と習慣」のノート 13冊。
マルチタスクは遅い——「4割のロス」という数字は実験結果ではなかった
作業の切り替えには時間の損がある。ただ、よく引用される「最大4割」は研究者の見積もりで、「ながら族ほど切り替えが下手」という有名な研究も追試では揺れています。
よみもの →匂いで思い出すのは10歳より前——プルースト効果のほんとうの中身
匂いで昔の記憶がよみがえるプルースト効果。93人の高齢者に匂い・言葉・写真で思い出してもらうと、匂いの記憶だけが10歳より前に集中しました。ただし「鮮明さ」については、別の実験が意外な答えを出しています。
よみもの →卒論の予測は33.9日、実際は55.5日——最悪の想定でも1週間足りない
37人の学生に卒論の完成日を予測させたところ、平均33.9日に対して実際は55.5日かかりました。「99%確実」と答えた日までに終わったのは45%。計画錯誤の出どころと、その効きめが一定ではないという話。
よみもの →雑踏で自分の名前に気づくのは3割——気づかなかった7割のほうが、注意は強い
騒がしい場所で自分の名前だけ聞こえる「カクテルパーティー効果」。実験室で調べると気づくのは約3割で、しかも気づいたのは作業記憶の容量が小さい人のほうでした。名前を呼ぶと好かれる、のほうは根拠が細めです。
よみもの →ひらめきに効いていたのは退屈ではなかった——洗濯物と『恋人たちの予感』の差
シャワー中にアイデアが浮かぶ話の根拠だった2012年の実験は、その後3つの研究で再現しませんでした。2022年に出た答えは「退屈すぎたのでは」。ほどよく面白い動画のときだけ、ぼんやりが効いていました。
よみもの →職業の「パン屋」は覚えられて、名字の「ベーカー」は忘れる。同じ単語なのに
1987年の実験で、同じ「ベーカー」という語でも、職業として教わると思い出せて名字として教わると出てこないことが確かめられました。その中身と、「顔は覚えるのに名前は忘れる」という前提そのものを疑った研究まで。
よみもの →習慣化には66日——ただしその数字は、96人のうち39人の中央値です
「21日で習慣になる」の出どころは1960年の美容外科医の観察でした。実際に日数を測った研究が出した66日という数字と、その66日がどう算出されたのかまで含めた話。
よみもの →1週間の速さは20歳も70歳もほぼ同じ。差が出たのは「この10年」だけだった
6歳の1年は人生の6分の1、60歳の1年は60分の1——ジャネーの法則としておなじみの話は、実験の結果ではなく割り算です。14歳から94歳まで499人に聞いた研究で年齢差が出た項目と、それより強く効いていたもの。
よみもの →元の部屋に戻っても思い出せない——ドアウェイ効果と、再現しなかった追試
「あれ、何しに来たんだっけ」の犯人はドアだった——2011年の実験はそう報告しました。ところが2021年の追試では、4つの実験のうち3つでこの効果は現れません。ドアウェイ効果をめぐる15年の話。
よみもの →暗記の続きは布団の中で——睡眠が記憶を「棚に移す」話
覚えたことは、眠っている間に脳内で整理され直しています。海馬から大脳皮質への「引っ越し」の仕組みと、テスト前の徹夜が損な理由を解説します。
よみもの →昼寝は20分まで——パワーナップの「ちょうどいい長さ」の科学
短い昼寝は午後の集中力を立て直すのに効く。ただし30分を超えると逆効果になる理由と、目覚めを軽くする「コーヒーの飲みどき」まで解説します。
よみもの →忘却曲線のほんとうの読み方——「20分で42%忘れる」は少し違う
エビングハウスの忘却曲線は、実は「忘れた量」のグラフではありません。自分を実験台にした135年前の研究の中身と、よくある誤読、復習への活かし方を解説します。
よみもの →頭の中で同じ曲が鳴りやまない——イヤーワームの止め方
9割の人が経験する「脳内リピート再生」の正体。なりやすい曲の3つの特徴、途中で聴くのをやめると悪化する理由、研究で報告されている対処法まで。
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