市況ニュースでは、「日経平均は25日移動平均線を下回った」「200日線の手前で踏みとどまった」といった表現がよく出てきます。23日の東京市場でも、日経平均が一時1,400円を超えて下げる中、日本経済新聞は約61,400円にあった200日移動平均線に近づいたと伝えていました。
移動平均線は、一定の期間の株価(終値)の平均を毎日計算し、その点をつないだ線です。この記事では、仕組みと読み方を3つのポイントに分けて整理します。
ポイント1: 「平均」を1日ずつずらして計算する
たとえば「5日移動平均」は、直近5営業日の終値を足して5で割った値です。翌日になると、いちばん古い1日分を外して新しい1日分を加え、もう一度平均を出します。このように計算する期間を1日ずつ「移動」させるので、移動平均と呼ばれます。
毎日の株価は細かく上下しますが、平均をとることでその細かい揺れがならされ、大きな流れ(トレンド)が見えやすくなるのが最大の役割です。
ポイント2: 期間によって「見ている時間軸」が違う
移動平均線は、計算する期間によって性格が変わります。SMBC日興証券の用語集によると、日々の株価(日足)では5日線や25日線がよく使われます。
| 種類 | 期間の目安 | 性格 |
|---|---|---|
| 5日線 | 約1週間 | 直近の動きにすぐ反応する |
| 25日線 | 約1カ月 | 短い〜中くらいの流れを見る |
| 75日線 | 約3カ月 | 中期の流れを見る |
| 200日線 | 約1年 | 長期の流れを見る |
期間が短いほど株価の動きに素早くついていき、長いほどゆっくり動きます。中でも200日線はおよそ1年分の取引日にあたる長期の線で、au カブコム証券の解説によると、機関投資家なども長期の流れをみるのに使うとされています。そのため、ニュースでも節目として取り上げられやすい線です。
ポイント3: 「位置」と「向き」を見る
移動平均線の基本的な見方は2つです。
- 株価が線より上か下か。 株価が移動平均線より上にあれば、その期間に買った人の平均より今の株価が高い状態です。一般に、上にあれば上昇の流れ、下にあれば下落の流れにあると受け止められます。
- 線が上向きか下向きか。 マネックス証券の解説にあるように、線の向きは、新しく加わる株価が、外れる古い株価より高いか低いかで決まります。上向きなら、平均的な株価が上がってきていることを示します。
また、短期線が長期線を下から上に抜けることを「ゴールデンクロス」、上から下に抜けることを「デッドクロス」と呼びます。前者は上昇、後者は下落の流れへの変わり目のサインとされますが、SMBC日興証券の用語集も、必ず当てはまるとは限らないと注意しています。
ニュースを読むときの3つのコツ
「節目」として意識されやすい。 多くの人が同じ線を見ているため、株価が移動平均線に近づくと、そこで売り買いの判断をする人が増えやすくなります。「200日線で踏みとどまった」「200日線を割り込んだ」が話題になるのはこのためです。
過去の平均であって、未来の予想ではない。 移動平均線は、すでに起きた値動きをならしたものです。株価が線を下回ったからといって、その先も下がり続けると決まっているわけではありません。
何日線の話かを確かめる。 「移動平均線を割った」と言っても、5日線と200日線では意味の重さがまったく違います。短期の線は頻繁に上下を行き来しますが、長期の線を割り込むと、より大きな流れの変化として受け止められます。
まとめ
移動平均線は、毎日の細かい値動きをならして、株価の大きな流れを見えやすくする道具です。ニュースに「◯日線」が出てきたら、何日分の平均なのか、株価はその上か下か、線はどちらを向いているかの3点を思い出すと、記事の意味がつかみやすくなります。