30日(金)の東京市場で、日経平均株価は前日比1,369円36銭安の63,290円11銭と、4営業日ぶりに反落しました。前日の米国でハイテク株が下げた流れに加え、米アマゾンとインテルの決算をきっかけにAIへの投資が膨らみすぎていないかという心配が再び強まり、値がさの半導体関連株が大きく売られました。TOPIXも38.21ポイント安の3,965.07と下げ、4,000ポイントを再び割り込みました。

10月30日(金)の東京市場 終値 前日比
日経平均株価 63,290.11円 −1,369.36(−2.12%)
TOPIX 3,965.07 −38.21(−0.95%)
参考 値
JPXプライム150指数 1,665.79(−17.59、−1.04%)
日経平均の取引時間中の安値 62,711.42円(下げ幅は一時1,900円超)
東証プライムの売買高 約24億9,911万株
東証プライムの売買代金 約8兆4,659億円
東証プライムの値上がり/値下がり/横ばい 807/714/32銘柄
大阪の日経平均先物(12月限) 63,420円(−1,310円)
ドル円(15時時点) 1ドル157円59銭付近

何があった?

半導体関連4銘柄で約1,100円の押し下げ。 日本経済新聞によると、アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、イビデンの4銘柄だけで、日経平均を1,100円あまり押し下げました。前日に業績予想の上方修正で指数を押し上げたアドバンテストが、きょうは一転して重荷になった形です。主要な取引先にインテルを持つイビデンはストップ安の水準まで売られ、TDK、キオクシア、フジクラなども下げました。

きっかけは米国の決算。 前日の米国市場の取引終了後に決算を発表したアマゾンは、日経によると7〜9月期のフリーキャッシュフローの赤字幅が広がりました。AIへの投資のための資金繰りや、投資に見合う利益が出るのかという点が改めて意識されています。インテルも時間外取引で急落しました。中東情勢の先行きが見えにくいことから原油先物が急に上がったことも、投資家の心理を冷やしたと伝えられています。

値上がり銘柄のほうが多かった。 日経平均は大きく下げた一方で、東証プライムでは値上がりが807銘柄、値下がりが714銘柄と、上がった銘柄のほうが多くなりました。国内の長期金利が下がったことを受けて不動産株が上がり、小売りや医薬品といった景気に左右されにくい「ディフェンシブ」銘柄も買われました。ファーストリテイリング、コナミグループ、リクルートホールディングスなどが上昇しています。午後は半導体株に押し目買いが入り、下げ幅は縮まりました。

注目ポイント

  • 日銀は政策金利を1.25%に据え置き。 日銀は金融政策決定会合で、政策金利を1.25%程度のまま維持すると決めました。賛成8・反対1で、高田創審議委員は1.5%への利上げを提案しましたが否決されています。日経によると、日銀は基調的な物価の上昇率が目標の2%と「おおむね整合的な水準」になったと表明し、今後も政策金利を引き上げていく方針を示しました。

  • ETFの売却ペースを引き上げ。 日銀は保有するETF(上場投資信託)の売却ペースを、2027年1月から年間8,600億円程度(買ったときの価格ベース)に引き上げると決めました。OANDA証券によると、これまでは年間3,300億円程度でした。ただ日経によると、市場では売却のペースはなお緩やかだとの見方が多く、株価への影響は限られたと伝えられています。

  • 展望レポートの物価見通し。 同時に公表された展望レポートでは、生鮮食品を除く消費者物価(コアCPI)の上昇率の見通し(政策委員の中央値)が、2026年度+2.5%、2027年度+2.6%、2028年度+2.0%となりました。今夜の米国では、前日に急落したアルファベットに続いて、アマゾンやインテルの株価の動きが注目されます。

ひとこと解説

「値がさ株」と日経平均 値がさ株とは、1株あたりの株価が高い銘柄のことです。日経平均は225銘柄の株価をもとに計算する仕組みのため、株価の高い銘柄の値動きが指数に大きく響きます。

きょうのように、日経平均が2%を超えて下げても、TOPIXの下落は1%未満にとどまり、値上がり銘柄のほうが多いということが起こります。これは、半導体関連の一部の値がさ株が大きく下げた影響が、日経平均に強く出たためです。市場全体の動きを見るときは、日経平均とTOPIX、値上がり・値下がりの銘柄数をあわせて見るとわかりやすくなります。

出典