26日(月)の米国市場は、AI(人工知能)開発のアンソロピックが新規株式公開(IPO)に向けた申請書類を公開したことをきっかけに、前週に売られたAI関連株が買い戻されました。原油価格が下がったことも支えとなり、3指数はそろって反発しています。シカゴの日経平均先物は6万2,000円台後半まで上がっており、今日の東京市場は前日の下げを取り戻せるかが焦点です。

10月26日(月)の米国市場 終値 前日比
NYダウ工業株30種 52,361.58ドル +146.42(+0.28%)
S&P500種株価指数 7,676.77 +53.09(+0.70%)
ナスダック総合指数 26,169.38 +214.04(+0.82%)
参考 値
日経平均株価 26日終値 62,189.65円
CME日経平均先物(NY市場の引け時点) 62,855円(大阪の日中終値比+655円)
WTI原油先物(12月限) 1バレル101.76ドル(−1.51ドル、−1.46%)
ドル円(NY市場の終わり) 1ドル157円43銭〜53銭

何があった?

アンソロピックのIPO申請がAI株の追い風に。 対話型AI「Claude」を開発するアンソロピックが26日、IPOに向けた証券登録届出書を公開しました。日本経済新聞によると、11月にナスダックへの上場を予定し、1,000億ドル規模の資金調達をめざすとされ、実現すれば過去最大のIPOになる可能性があります。前週に決算への反応が悪く売られたAI関連株は、これをきっかけに買い戻され、半導体を中心に買いが広がりました。

ハイテク株は上昇、メタは増資計画で下落。 みんかぶによると、エヌビディアは2.39%高、AMDは2.80%高、マイクロソフトは1.54%高でした。テスラとインテルはアナリストが投資判断を引き上げたことで、それぞれ5.21%、4.04%上がっています。一方、メタ・プラットフォームズは普通株と優先株の発行で最大950億ドルを調達する計画を明らかにし、1株あたりの価値が薄まるとの心配から1.88%安となりました。アップルとアルファベットも1%前後下げています。

原油は中東の緊張緩和への期待で反落。 イランをめぐる戦闘の仲介国であるカタールや、サウジアラビア、トルコ、パキスタンの当局者がイランを訪れ、緊張をやわらげる動きが続いたことで、WTI原油は1.46%安の101.76ドルで終えました。ただ、フーシ派によるサウジへの攻撃が続いていることから供給への不安は残り、取引中は100ドル台前半から103ドル台まで大きく上下しています。

ブラジル関連は大きく下落。 大統領選の決選投票で現職のルラ氏が勝利したことを受け、NY市場ではブラジル関連の銘柄に売りが広がりました。

ドル円は157円台半ば。 米国の景気指標が予想を上回り、ドルが買われました。前週はAI関連株の下落で安全とされる円が買われ156円台に下がる場面もありましたが、株価の持ち直しで円高の動きは一服しています。

注目ポイント

  • 前日の下げを取り戻せるか。 26日の日経平均は503円安の6万2,189円で終えました。シカゴの日経平均先物は6万2,855円で、この水準から始まれば前日の下げ分を上回る上昇となります。前日に大きく売られた値がさ株や半導体関連株が、米国のAI株の買い戻しに続くかが焦点です。

  • FOMCが今日から2日間。 米国のFOMC(連邦公開市場委員会)は今日から28日まで開かれ、結果は日本時間29日未明に出ます。据え置きがほぼ確実とみられていますが、12月の利上げを示すような内容になるかに注目が集まっています。

  • 今日の予定。 国内では10月の月例経済報告が出ます。10時30分に中国の9月の工業企業利益、夜は21時30分に米国の9月の耐久財受注、23時に10月の消費者信頼感指数が発表されます。米国ではボーイングやコカ・コーラなどが決算を発表する予定です。

  • 大型決算は週の後半に。 今週はマイクロソフト、アルファベット、アマゾン、インテルが決算を発表します。AIへの巨額の投資に見合う成果が出ているかが、市場の確認ポイントとされています。

ひとこと解説

「IPO(新規株式公開)」と「証券登録届出書」 IPOは、これまで一部の投資家しか持てなかった会社の株を、証券取引所に上場させて誰でも売買できるようにすることです。会社は上場のときに新しい株を売り出し、事業に使う資金を集めます。

米国でIPOをする会社は、事業の内容やお金の状況、リスクなどをまとめた「証券登録届出書(S-1)」を米国の証券取引委員会(SEC)に出し、公開します。投資家はこの書類で会社の中身を確かめます。売り出す値段(公開価格)は、書類の公開後に投資家の需要を調べながら決まるのが一般的で、今回もまだ示されていません。大型のIPOは、同じ分野の上場企業の株価にも影響しやすいため、市場全体のニュースとして扱われます。

出典