23日(金)の米国市場は、中東情勢の悪化で原油価格が急伸し、米国の物価がさらに上がるとの心配から売りが広がりました。NYダウは652ドル安と4日ぶりに反落し、一時は下げ幅が800ドルを超えています。土曜日にはイエメンのフーシ派がサウジアラビアの石油パイプラインを攻撃したと発表しており、週明けの原油の動きに注目が集まります。今週は日米の金融政策の会合と米大手ハイテク企業の決算が重なる1週間です。

10月23日(金)の米国市場 終値 前日比
NYダウ工業株30種 52,215.16ドル −652.82(−1.23%)
S&P500種株価指数 7,623.68 −39.75(−0.52%)
ナスダック総合指数 25,955.34 −53.52(−0.21%)
参考 値
日経平均株価 23日終値 62,693.16円
大阪取引所の日経225先物 24日6時(夜間取引の終わり) 62,640円(−270円)
WTI原油先物 1バレル103.27ドル(+3.8%)
ブレント原油先物 1バレル116.72ドル(+3.14%)
米10年債利回り 4.99%
ドル円(26日7時) 1ドル156円92銭〜157円15銭

何があった?

原油高が株の重荷に。 ロイターによると、フーシ派によるサウジアラビアへの攻撃で中東のエネルギー供給への心配が強まり、ブレント原油は4月29日以来の高値をつけました。アラブ首長国連邦(UAE)沖での原油流出も伝えられています。WTIも103ドル台まで上がりました。共同通信は、原油高で米国のインフレが加速するとの見方が広がり、売りが膨らんだと伝えています。

下げたのは消費・景気に敏感な銘柄。 前日は日用品などの消費関連株がダウを支えましたが、この日は逆に売られました。共同通信によると、アメリカン・エキスプレスとコカ・コーラが下落し、石油大手のシェブロンは買われました。アメリカン・エキスプレスは7〜9月期の売上高が市場予想に届かなかったことが嫌気され、ロイターによると3.7%安でした。S&P500のエネルギー株の指数は2.5%上がり、過去最高を更新しています。

ハイテク株は下げ止まりの動き。 前日に大きく売られた半導体株は小幅に持ち直し、ロイターによるとフィラデルフィア半導体株指数は0.4%上がりました。ナスダックの下げは0.21%にとどまっています。週間ではダウが3週続けて上昇した一方、S&P500とナスダックは下落しました。

金利は再び上昇、ドル円は157円前後。 前日に大きく下がった米10年債利回りは4.99%まで戻りました。外為どっとコムによると、米国の10月の製造業PMI速報値とミシガン大学の消費者態度指数が予想を上回ったことも金利を押し上げ、ドル円は一時156円31銭まで下げたあと157円08銭まで戻しました。週明けの東京市場の始まる前も、1ドル157円をはさんだ動きです。

週末もフーシ派の攻撃が続く。 共同通信によると、フーシ派は24日、サウジの東西を結ぶ石油パイプラインを攻撃したとする声明を出しました。被害の有無はわかっていません。サウジは封鎖が続くホルムズ海峡の代わりに西側の港からの積み出しを強めており、事実であれば世界の石油供給に影響するおそれがあります。

注目ポイント

  • 週明けの原油と東京市場。 夜間取引の日経225先物は6万2,640円で、23日の日経平均の終値とほぼ同じ水準でした。ただ、先物の取引が終わったあとの週末に中東で新たな攻撃が伝えられています。原油高は日本の輸入コストに直結するため、取引開始後の原油価格の動きが相場を左右しやすい状況です。

  • 6万2,000円台を保てるか。 日経平均は2週続けて大きく下げ、約3カ月ぶりの安値圏にあります。外為どっとコムは、6万2,000円台を維持できるかを焦点に挙げていました。

  • 今日の予定。 14時に8月の景気動向指数(確報値)、18時にドイツの10月のIfo景況感指数が発表されます。国内ではコーエーテクモHDが決算を発表する予定です。今週から欧州と英国は冬時間に移り、欧州の経済指標の発表は日本時間で1時間遅くなります。

  • 大きな材料は週の後半に集中。 日本時間29日早朝にマイクロソフトとアルファベットの決算、同日未明にFOMCの結果、30日に日銀会合の結果が出ます。外為どっとコムは、FOMC・日銀・ECBはいずれも据え置きが濃厚とみています。結果を待つ前半は、様子見の動きになりやすい日程です。

ひとこと解説

「ブレント」と「WTI」の違い どちらも原油の値段の目安です。WTIは米国テキサス州などでとれる原油で、ニューヨークの取引所で取引されます。ブレントは北海(イギリスとノルウェーの間の海)でとれる原油で、欧州や中東、アジア向けの原油の値段の基準として使われています。

中東の供給不安が強まると、中東の原油と比べられやすいブレントのほうが大きく反応しやすい傾向があります。23日にはブレントが116ドル台、WTIが103ドル台と、2つの差が10ドル以上に広がっていました。日本が輸入する原油の多くは中東産のため、ニュースでブレントの値動きにも目を向けておくと、日本への影響がつかみやすくなります。

出典