22日(木)の米国市場は、AI関連株への売りが一気に広がり、ナスダック総合指数が694ポイント安(2.6%安)と大きく反落しました。一方、NYダウは日用品や小売りなど消費関連株が買われて11ドル高と、わずかながら3日続伸しています。安全とされる米国債が買われて長期金利は5%を下回り、外国為替市場では円高が進みました。けさの日経225先物は6万2000円台で、22日の日経平均の終値を600円ほど下回る水準です。

10月22日(木)の米国市場 終値 前日比
NYダウ工業株30種 52,867.98ドル +11.89(+0.02%)
S&P500種株価指数 7,663.43 −93.74(−1.2%)
ナスダック総合指数 26,008.86 −694.00(−2.6%)
参考 値
日経平均株価 22日終値 62,907.84円(−1,713.40円)
大阪取引所の日経225先物(12月限)23日6時時点 62,310円(−890円)
米10年債利回り 4.95%(前日から0.17ポイント低下)
WTI原油先物(12月限) 1バレル99.47ドル(+2.32ドル)
金先物(12月限) 1トロイオンス4,060.4ドル(−89.6ドル)
ドル円(22日NY終値) 1ドル156.7円台

何があった?

AIの「元が取れるのか」に再び注目。 前日の取引終了後に決算を発表したメタは、売上高が市場予想を上回ったものの、AIへの大きな投資の負担が意識され、終値で7%近く下げました。半導体製造装置のラムリサーチも、四半期の売上高が過去最高だったにもかかわらず、一時12%を超える急落となっています。共同通信は、IT企業の決算を受けて「巨額の投資に見合う収益を上げられるのか」という心配が改めて強まったと伝えています。

半導体・大型ハイテク株が軒並み安。 OANDA(DZHフィナンシャルリサーチ)によると、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は一時7%を超えて下げました。Stock Titanによると、ナスダック100指数は2.9%安となり、その下げ幅の9割あまりをAIと半導体の関連株が占めています。アマゾンは4%台、テスラも3%ほど値下がりしました。

ダウは消費関連株が下支え。 日用品大手のP&Gが前日に好決算を発表したことから、景気に左右されにくいディフェンシブ株に買いが入りました。住宅用品のホーム・デポやジョンソン・エンド・ジョンソンも上がり、ダウは取引の途中でプラスに転じています。ハイテク株の比重が大きいナスダックやS&P500とは、はっきり明暗が分かれました。

国債が買われて金利は低下、原油は100ドル目前。 フランスの財政をめぐる不安で仏10年債利回りが約24年ぶりの高さとなったことや、中東情勢の緊迫も重なり、安全資産とされる米国債に資金が向かいました。米10年債利回りは一時4.93%台と約1カ月ぶりの低い水準です。原油は、米国とイスラエルがイランへの攻撃を再開する可能性が報じられたことなどから反発し、WTIは99ドル台で取引を終えました。

円高が進み、ドル円は156円台に。 世界的な株安を受けてリスクを避ける円買いが進み、ドル円は3日続けて下げました。東京市場の始まる前の時点でも、1ドル156円70銭台で推移しています。

注目ポイント

  • 前日の大幅安から東京市場はどう動くか。 22日の日経平均は1,713円安と大きく下げました。けさの日経225先物はさらに下の6万2000円台で、米国の半導体株安と円高の両方が重荷になりそうな状況です。半導体関連株の値動きが、指数全体を左右しやすい展開です。

  • 8時30分に9月の消費者物価指数。 みんかぶによると、生鮮食品を除いたコア指数の事前予想は前年比2.1%と、前回の1.7%から伸びが高まる見込みです。物価の伸びは日銀の金融政策を考えるうえでの手がかりになります。

  • 今夜は米国の景況感。 22時45分に10月のPMI(購買担当者景気指数)速報、23時にミシガン大学の消費者信頼感指数の確報が発表されます。来週には米国の金融政策を決めるFOMCが控えており、金利の見通しにも目が向きます。

  • 原油と中東情勢。 WTIは1バレル100ドルの目前まで上がっています。原油高は日本の輸入コストに直結するため、引き続き東京市場でも気にされる材料です。

ひとこと解説

「ディフェンシブ株」とは 景気がよくても悪くても、売上や利益が大きく変わりにくい業種の株のことです。日用品、食品、医薬品、電力・ガスなどが代表的で、「守りの株」とも呼ばれます。

洗剤や歯みがき粉は、景気が悪くなっても買う量はあまり変わりません。そのため、ハイテク株のように成長への期待で大きく値動きする株が売られる場面では、資金の逃げ場としてディフェンシブ株が買われることがあります。22日にナスダックが大きく下げる一方でダウが小幅高となったのは、こうした資金の動きが表れた一例です。ただし、ディフェンシブ株も値下がりしないわけではない点には注意が必要です。

出典