21日(水)の米国市場は、前日に発表されたスペースXの好決算をきっかけにAI関連への懸念がやわらぎ、NYダウが360ドル高と続伸しました。半導体株が買われたナスダック総合指数は1%あまり上がって反発しています。取引終了後に決算を発表したメタとテスラは、どちらも時間外取引で値上がりしました。けさの日経225先物は、21日の日経平均の終値を400円ほど上回る水準です。

10月21日(水)の米国市場 終値 前日比
NYダウ工業株30種 52,856.09ドル +360.21(+0.7%)
S&P500種株価指数 7,757.17 +44.60(+0.6%)
ナスダック総合指数 26,702.86 +278.04(+1.1%)
参考 値
日経平均株価 21日終値 64,621.24円(+545.82円)
大阪取引所の日経225先物(12月限)22日6時時点 65,030円(+250円)
WTI原油先物(12月限) 1バレル97ドル台(小幅安)
ドル円(21日NY終値) 1ドル158.1円台

※WTIの終値は、伝える会社によって97.15ドルと97.56ドルで食い違っているため、幅をもたせて表記しています。

何があった?

スペースXの好決算でAIへの心配が後退。 前日はAI関連への過剰投資を心配する売りがハイテク株の一部に出ていましたが、スペースXの7〜9月期決算が市場予想を上回ったことで、AIへの投資需要は強いとの見方が広がりました。フィスコによると、半導体・半導体製造装置や不動産のセクターが上昇し、マスク氏がスペースXとの統合を前向きにとらえていることへの期待からテスラも上がりました。

中東の報道で一時失速。 取引の途中で「米国務省が湾岸諸国の大使館職員の退避命令を準備している」と伝わり、イランへの攻撃が再開されるのではとの警戒から原油が持ち直し、株価は一時伸び悩みました。OANDAによると、米政府は対象はサウジアラビアに限られるとして報道を否定しています。終盤には再び買いが入りました。

値下がりした銘柄も。 AT&Tは決算自体は好調でしたが、スペースXが衛星を使った携帯電話サービスに乗り出すことで競争が激しくなるとの警戒から売られました。ネットフリックスは前日に示した業績見通しが弱かったことなどから下落しています。一方、ユナイテッド航空は強い業績見通しが好感され、デルタやアメリカンなど航空株も上がりました。

メタは時間外で3%あまり上昇。 引け後に発表したメタの7〜9月期決算は、売上高が前年同期比26%増の646億ドルと、2四半期続けて過去最高を更新し、市場予想も上回りました。10代の心の健康をめぐる訴訟の和解に関わる費用を計上したため営業利益は減りましたが、10〜12月期の売上高の見通しは730億〜760億ドルと市場予想を上回っています。株探によると、議決権のない新しい種類の株式を作り、既存の株主に1株につき1株を配る計画も発表しました。実質的には1株を2株に分ける株式分割にあたります。

テスラは時間外で小幅高。 テスラの7〜9月期は、売上高が280億ドルあまりと前年同期並みでした。調整後の1株利益は0.48ドルで市場予想を上回り、粗利益率も19.6%に改善しています。株探によると、時間外の株価は1%ほど上がりました。注目されたスペースXとの統合については、決算発表で新しい情報は示されていません。IBMも1株利益が予想を上回り、時間外で買われています。

注目ポイント

  • 東京市場は続伸できるか。 21日の日経平均は545円高と反発しました。けさの日経225先物は6万5000円台で、米国の半導体株高を受けた動きとみられます。東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体関連株の値動きが、指数全体を左右しやすい展開です。

  • 15時に9月の工作機械受注。 日本工作機械工業会が発表する受注額は、企業の設備投資の勢いをみる手がかりになります。発表は取引終了後のため、あすの東京市場の材料になります。

  • 原油と中東情勢。 大使館職員の退避をめぐる報道のように、原油は中東のニュースひとつで大きく動いています。21日のWTIは1バレル96ドル台から100ドル台まで動く場面がありました。原油高は日本の輸入コストに直結するため、東京市場でも気にされる材料です。

  • 今夜は米国の経済指標。 21時30分に新規失業保険申請件数、23時に景気先行指標総合指数が発表されます。米10年債利回りは5%を超える高い水準が続いており、金利の動きにも目が向きます。

ひとこと解説

「無議決権株式」とは 会社の重要なことを株主総会で決めるときに投票できる権利(議決権)を持たない株式のことです。配当を受け取る権利などはふつうの株式と同じように持つ設計が一般的です。

メタは、今ある株式1株につき無議決権株式を1株配る形をとるため、株主の持ち株の数は2倍になり、1株あたりの値段はおおむね半分になります。これが「実質的な株式分割」と言われる理由です。1株の値段が下がると、少ない金額から買いやすくなる面があります。一方で、会社全体の価値そのものが増えるわけではない点には注意が必要です。

出典