20日(火)の米国市場は、高値圏にあった原油の値上がりが一服したことや、3Mなどの好決算が支えとなり、NYダウが529ドル高と3営業日ぶりに反発しました。小型株のラッセル2000も1.7%上がった一方、アップルやメタなど大型ハイテク株の一部が売られ、ナスダック総合指数はわずかに下げて終えました。けさの日経平均先物は、20日の大阪の終値を上回る水準です。

10月20日(火)の米国市場 終値 前日比
NYダウ工業株30種 52,495.88ドル +529.85(+1.0%)
S&P500種株価指数 7,712.57 +21.84(+0.3%)
ナスダック総合指数 26,424.82 -6.07(-0.02%)
ラッセル2000(小型株) 2,773.42 +45.12(+1.7%)
参考 値
日経平均株価 20日終値 64,075.42円(-841.28円)
大阪取引所の日経225先物(12月限)20日日中の終値 64,400円
CME日経平均先物(円建て) 64,940円(大阪の終値比+540円)
大阪取引所の日経225先物(12月限)21日6時時点 65,210円(+810円)
WTI原油先物(11月限) 1バレル101.79ドル(-1.87ドル)
米10年債利回り 5.11%(-0.03%)
ドル円(20日NY終値) 1ドル158.17円(前日比0.33円の円高)

何があった?

原油が9日ぶりに反落し、物価への警戒がやわらぐ。 中東情勢への懸念から、WTI原油先物は朝方に一時110ドル台まで上がり、北海ブレントも112ドル近くまで買われました。しかし、米国とイランの戦争終結に向けた協議が進んでいるとの思惑が広がると原油は急落しました。その後「合意が近い」との報道は否定されて値を戻しましたが、WTIの11月限は前日比1.87ドル安の101.79ドルと、9営業日ぶりに下げて終えています。原油高が消費を冷やすとの心配がやわらぎ、米長期金利も小幅に低下しました。

ダウはヘルスケア株と3Mが押し上げ。 日本経済新聞によると、3Mは7〜9月期の1株利益が市場予想を上回り、通期の利益見通しも引き上げたことで大幅高となりました。ユナイテッドヘルス・グループやメルク、アムジェンといったヘルスケア株も買われ、ダウの上げを支えました。AP通信は、信用情報会社のエクイファックスや玩具大手のハズブロなどの好決算も相場を支えたと伝えています。

ナスダックはわずかに反落。 AI関連株は朝方に売られたあと、一部が持ち直しました。ただ、アップルやメタといった大型ハイテク株が値下がりし、ナスダックは6ポイント安とほぼ横ばいで終えました。

ネットフリックスは決算後に時間外で下落。 取引終了後に発表したネットフリックスの7〜9月期決算は、1株利益が0.87ドルと市場予想の0.82ドルを上回りました。ただ、Investing.comによると、今後の売上高の見通しが弱めと受け止められ、時間外取引で株価が下がっています。

注目ポイント

  • 東京市場は前日の大幅安からの戻りが焦点。 20日の日経平均は半導体株が売られ841円安でした。けさの日経225先物は6万5000円台と、大阪の終値を800円あまり上回る水準で、ダウの反発や原油高の一服を受けた動きとみられます。一方で、米国ではハイテク株の一部が軟調だったため、半導体関連が持ち直すかは見どころです。

  • 8時50分に9月の貿易収支。 みんかぶによると、市場予想は2100億円の赤字(前回は1兆1119億円の赤字)です。原油高と円安が続くなか、輸入額の大きさがどう表れるかが注目されます。16時15分には9月の訪日外客数も発表されます。

  • 今夜はテスラ・メタなど大型決算。 米国では取引終了後にテスラやメタ、IBM、テキサス・インスツルメンツ、ラムリサーチなどが決算を発表する予定です。AI投資の採算への関心が高まっているなか、大型ハイテク株の決算は東京の関連株にも影響しやすい材料です。

  • 原油は「協議のニュース」に敏感。 20日は報道ひとつで原油が110ドル台から101ドル近くまで動き、その後戻すなど、値動きが大きくなっています。米国とイランの協議をめぐる続報には引き続き注意が必要です。

ひとこと解説

「ダウは大幅高なのに、ナスダックは下げ」はなぜ起きる? NYダウは米国を代表する30社の株価から計算する指数で、ヘルスケアや工業、金融など幅広い業種が入っています。一方、ナスダック総合指数はナスダック市場に上場する数千社が対象で、アップルやメタなど大型ハイテク株の比重がとても大きいのが特徴です。

このため、20日のように「ヘルスケア株や3Mは上がったが、大型ハイテク株は下がった」という日には、ダウは大きく上がり、ナスダックはほとんど動かない、という差が出ます。どの指数を見るかで相場の印象が変わるので、複数の指数をあわせて見るのがおすすめです。

出典