16日(金)の米国市場は、AI関連への投資に見合う収益が得られるのかという不安と、原油価格の上昇が重なり、ハイテク株を中心に売られました。ナスダック総合指数は573ポイント安、S&P500も1%を超える下げとなり、AP通信によると両指数は週間で6月以来の大きな下落でした。一方、NYダウは週間ではプラスを保っています。けさのCME日経平均先物は、16日の大阪の終値を1,595円下回る水準です。

10月16日(金)の米国市場 終値 前日比
NYダウ工業株30種 52,002.41ドル -175.28(-0.34%)
S&P500種株価指数 7,659.44 -84.62(-1.1%)
ナスダック総合指数 26,140.03 -572.99(-2.1%)
ラッセル2000(小型株) 2,721.37 -45.90(-1.7%)
週間の騰落(12〜16日) 前週末比
NYダウ +347.46(+0.7%)
S&P500 -152.10(-1.9%)
ナスダック総合 -1,226.14(-4.5%)
ラッセル2000 -85.61(-3%)
参考 値
日経平均株価 16日終値 65,324.29円
CME日経平均先物(円建て)16日 63,925円(大阪の終値比-1,595円)
大阪取引所の日経225先物(12月限)夜間取引の終値 63,630円(-1,890円)
WTI原油先物 1バレル101.41ドル(+3.44ドル)
ドル円 1ドル=158円前後

何があった?

AI関連への不安が再び広がる。 今週のハイテク株安のきっかけとなったAIクラウド企業のコアウィーブは、この日も11.9%安と大きく下げました。借り入れに頼ったAIインフラの拡大に対する信用不安から、社債も売られたと伝えられています。半導体株にも売りが続き、マイクロンは5.6%安、インテルは5.8%安でした。ダウ構成銘柄でも、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン、エヌビディアなどが下げています。

寄り付きの上昇は続かず。 ダウ平均は取引開始直後に一時400ドルを超えて上げましたが、その後マイナス圏に沈みました。時事通信によると、FRB(米連邦準備制度理事会)のウォーシュ議長は16日、今月下旬の金融政策会合について「結果は予断しない」と述べ、利上げ観測がやや後退したことは相場の支えになったとされています。

原油は約1カ月ぶりに100ドル台。 中東情勢の悪化懸念などから、WTI原油先物は3.44ドル高の1バレル101.41ドルとなり、約1カ月ぶりに100ドル台を回復しました。エネルギー株は買われ、ダウ構成銘柄のシェブロンは2.6%高、エクソンモービルも上昇しています。

注目ポイント

  • 日経平均は先物にさや寄せする形か。 夜間取引の日経225先物は6万3,630円で終えており、16日の日経平均の終値を1,600円以上下回っています。前週末に7営業日ぶりに反発した半導体・AI関連株が、米国の流れを受けてどう動くかが焦点です。株式市場向けの見通し記事では、日経平均が6万3,000円台を保てるかに注目が集まっています。

  • 11時に中国の7〜9月期GDP。 あわせて9月の小売売上高と鉱工業生産も発表されます。中国の景気の強さは、機械や素材など中国向けの売上が大きい業種の手がかりになります。

  • 原油高の影響が業種によって分かれる。 原油高は資源や商社の業績には追い風と受け止められやすい一方、燃料費がかさむ空運や陸運、原料コストが上がる化学などには重荷になりやすいとされます。

  • 今週は大型決算が続く。 日本時間21日早朝のネットフリックス、22日早朝のメタ・プラットフォームズやテスラなど、米国の大型決算が控えています。AI関連の設備投資の計画がどう示されるかが、今週の相場の大きな材料になりそうです。

  • その他のきょうの予定。 13時30分に日本の8月第三次産業活動指数、23時に米国の10月NAHB住宅市場指数が発表されます。

ひとこと解説

「さや寄せ」ってなに? 先物と現物(実際の株価指数)の価格に差が開いたとき、現物の価格が先物の水準に近づいていく動きのことです。

日経平均先物は、東京市場が閉まっている夜の間も大阪取引所の夜間取引や米国のCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)で売買されています。そのため、夜の米国市場の動きは先に先物の価格に反映されます。翌朝、東京市場が開くと、日経平均はその先物の水準を目安に寄り付くことが多く、朝の記事で先物の値をチェックするのはこのためです。ただし、あくまで目安で、実際の値動きは取引が始まってからの売り買いで決まります。

出典