今週(10月13日〜16日)の東京株式市場を振り返ります。12日がスポーツの日で休場だったため、取引は4日間でした。米国の半導体株安と、予想を上回った米国の物価指標が重なり、日経平均は15日に3,318円安と過去3番目の下げ幅を記録しています。16日に7営業日ぶりに反発したものの、週間では3,706円63銭の大幅安となりました。一方、TOPIXの下げは1%足らずにとどまり、2つの指数の差が今週も目立っています。まずは数字から見ていきます。

日付 日経平均終値 前営業日比 TOPIX終値 前営業日比
10/13(火) 67,777.52円 -1,253.40(-1.82%) 4,110.67 +5.86(+0.14%)
10/14(水) 67,744.29円 -33.23(-0.05%) 4,096.78 -13.89(-0.34%)
10/15(木) 64,425.95円 -3,318.34(-4.90%) 3,999.34 -97.44(-2.38%)
10/16(金) 65,324.29円 +898.34(+1.39%) 4,066.00 +66.66(+1.67%)

前週末(10月9日)の終値と比べると、日経平均は69,030円92銭から3,706円63銭安い65,324円29銭(-5.37%)、TOPIXは4,104.81から4,066.00へ**38.81ポイント安(-0.95%)**です(週間の値幅と騰落率は、各日の終値から当サイトで計算しました)。

米国市場の週間騰落 10月9日終値 10月16日終値 週間の変化
NYダウ工業株30種 51,654.95ドル 52,002.41ドル +347.46(+0.7%)
S&P500種株価指数 7,811.54 7,659.44 -152.10(-1.9%)
ナスダック総合指数 27,366.17 26,140.03 -1,226.14(-4.5%)
ラッセル2000(小型株) 2,806.98 2,721.37 -85.61(-3.0%)
米国市場の日々の終値 NYダウ S&P500 ナスダック総合
10/12(月) 51,850.55(+195.60) 7,807.24(-4.30) 27,245.90(-120.27)
10/13(火) 51,670.10(-180.45) 7,805.45(-1.79) 27,204.38(-41.52)
10/14(水) 51,621.48(-48.62) 7,718.94(-86.51) 26,692.87(-511.51)
10/15(木) 52,177.69(+556.21) 7,744.06(+25.12) 26,713.03(+20.16)
10/16(金) 52,002.41(-175.28) 7,659.44(-84.62) 26,140.03(-572.99)
週内に発表された主な米指標(9月分) 結果 市場予想
消費者物価指数(CPI)・前年同月比 +3.7% +3.6%
CPIコア・前年同月比 +2.6% +2.5%
生産者物価指数(PPI)・前月比 +1.3% +0.5%
PPI・前年同月比 +6.3% +5.3%
小売売上高・前月比 +0.8% +0.3%
年初来騰落(10月16日時点) 騰落率
ナスダック総合指数 +12.5%
S&P500種株価指数 +11.9%
ラッセル2000 +9.6%
NYダウ +8.2%

何があった?

連休明けは半導体株安で4日続落。 東京市場が休みだった12日(月)、米国ではフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が約2.6%下げていました。13日(火)の東京では東京エレクトロンやアドバンテストなどAI・半導体関連株が大きく売られ、日経平均は1,253円安と4日続落です。ただ、東証プライムでは値上がり銘柄が7割を超え、TOPIXは小幅に上昇しました。14日(水)は朝高で始まったものの、オランダの半導体製造装置大手ASMLの決算発表後に半導体株が伸び悩み、33円安と5日続落になりました。

米CPIの上振れで、15日に3,318円安。 14日夜に発表された9月の米CPIは前年同月比3.7%上昇と予想を上回り、米国で追加利上げへの警戒が強まりました。同日の米国ではナスダックが1.88%下げ、SOXも4%を超えて下落しています。この流れを受けた15日(木)の東京市場は朝から売りが続き、日経平均は3,318円34銭安と過去3番目の下げ幅を記録しました。アドバンテスト1銘柄で日経平均を約1,213円押し下げており、半導体関連の値がさ株に下げが集中しています。TOPIXも2.38%下げ、4,000ポイントを割り込みました。

PPIはさらに上振れ、それでも米国株は持ち直す。 15日夜に発表された9月のPPIは前月比1.3%上昇と、2022年3月以来の大きな伸びでした。小売売上高も予想を上回っています。ただ、この日の米国株は持ち直し、ダウは556ドル高と反発しました。ヘルスケアや生活必需品などに資金が移り、米10年債利回りはむしろ5.09%前後に下がっています。

16日の東京は7営業日ぶりに反発。 前日に大きく売られた半導体・AI関連株が買い戻され、日経平均は898円高の6万5,324円で取引を終えました。東証プライムの8割超の銘柄が値上がりする全面高でしたが、後場は伸び悩んでいます。

週末の米国はナスダック2.1%安。 16日(金)の米国市場では、AIインフラへの投資がいつまで続くのかという不安から半導体株が再び売られました。BNNブルームバーグによると、AMDが6%、インテルが5.8%、マイクロンが5.6%下げています。借り入れに頼って投資を続けるAI企業が、金利の上昇で資金を集めにくくなるとの懸念も重しになりました。AP通信によると、AIインフラ企業のコアウィーブは12%下げています。また、中東情勢を背景に北海ブレント原油は3.7%上がって1バレル109.86ドルとなり、石油株は上昇しました。週間では、ナスダックが4.5%安、S&P500が1.9%安で、BNNブルームバーグはナスダックの週間の下げが6月以来の大きさだったと伝えています。一方、ダウは週間で0.7%高とプラスを保ちました。

決算シーズンが本格化。 13日にJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど米大手銀行が決算を発表し、JPモルガンは市場予想に届かなかった一方、ゴールドマンは予想を上回るなど明暗が分かれました。15日には台湾TSMCが7〜9月期として過去最高の純利益を発表しましたが、半導体株の流れを変えるまでには至っていません。

注目ポイント

  • 日経平均とTOPIXの差がさらに拡大。 週間で日経平均は5.37%安、TOPIXは0.95%安でした。下げが半導体関連の値がさ株に集中したためで、13日のように日経平均が大きく下げた日でもTOPIXが上昇する場面がありました。日経平均だけでは相場全体の様子がつかみにくい一週間でした。

  • 米国の利上げ観測が再び強まる。 先々週の雇用統計で後退した追加利上げの見方が、今週のCPI・PPIの上振れで戻ってきました。BNNブルームバーグによると、12月の利上げの確率は74.3%と見込まれています。10月27〜28日に予定されているFOMC(米連邦公開市場委員会)に向けて、FRB関係者の発言にも目が向かいます。

  • 原油価格の高止まり。 北海ブレント原油は1バレル110ドル近くまで上がっており、物価を押し上げる要因として意識されています。物価が下がりにくい状況が続くと、利上げの見方にもつながりやすくなります。

  • AI関連への投資の見方。 今週は好決算のTSMCやASMLが発表しても半導体株が買われにくく、AIへの巨額投資がどこまで続くのかという点に市場の関心が移っています。来週以降の米大手ハイテク企業の決算や設備投資の計画も注目されます。

ひとこと解説

「PPI(生産者物価指数)」ってなに? 企業どうしで取引されるモノやサービスの価格の動きを表す指標です。CPI(消費者物価指数)が「私たちが買う値段」を表すのに対し、PPIは「企業が売り渡す段階の値段」を表します。

企業の仕入れ値や販売価格が上がると、時間をおいて店頭の値段にも反映されやすいため、PPIはCPIの「先回り」の指標として見られることがあります。今週のようにCPIとPPIがそろって予想を上回ると、物価上昇がなかなか落ち着かないと受け止められ、利上げの見方が強まりやすくなります。ただ、15日のように発表直後の株価の反応が小さい日もあり、指標の数字と相場の動きがいつも同じ方向になるとは限りません。

出典