16日(金)夜の米国市場は、今週最後の取引日です。前日15日は、卸売物価(PPI)の上振れにもかかわらずダウ平均が556ドル高と反発しました。今夜は日本時間22時15分の9月鉱工業生産と、取引開始前に相次ぐ地方銀行の決算が主な材料になります。

15日(木)の米国市場 終値 前日比
NYダウ工業株30種 52,177.69ドル +556.21(+1.08%)
S&P500種株価指数 7,744.06 +25.12(+0.33%)
ナスダック総合指数 26,713.03 +20.16(+0.08%)
ラッセル2000(小型株) 2,767.27 +37.74(+1.4%)
16日(金)の東京市場 終値 前日比
日経平均株価 65,324.29円 +898.34(+1.39%)
TOPIX 4,066.00 +66.66(+1.67%)
16日夜の米経済指標(日本時間) 市場予想 前回
21:30 9月輸入物価指数・前月比 +0.6% +0.7%
21:30 9月輸出物価指数・前月比 +1.0% +0.6%
22:15 9月鉱工業生産・前月比 +0.3%〜+0.4% 0.0%
22:15 9月設備稼働率 76.5% 76.3%

※市場予想はみんかぶ FX/為替の集計(鉱工業生産は+0.4%とする予想もあり)。

決算(7〜9月期) 内容
トラベラーズ(16日朝発表) 純利益19億1,700万ドル、1株コア利益9.18ドル(前年同期8.14ドル)、コンバインド・レシオ86.8%
インタラクティブ・ブローカーズ(15日取引終了後) 調整後1株利益0.67ドル(予想と一致)、売上高約19億1,000万ドル、四半期配当を0.15ドルに引き上げ

何があった?

前日は「物価高」より「業績と資金の移動」が勝った。 15日に発表された9月のPPIは前年同月比6.3%上昇と市場予想を大きく上回りましたが、株価への反応は限られました。取引開始直後はAI関連への過剰投資の懸念から下げて始まったものの、その後は持ち直し、ダウは3営業日ぶりに反発しました。ヘルスケアや生活必需品、消費関連の銘柄に資金が移り、小型株のラッセル2000も1.4%上がっています。一方、エヌビディアなど半導体・AI関連の一角は売られ、ナスダックは小幅高にとどまりました。

長期金利は低下。 物価指標が上振れたにもかかわらず、米10年債利回りは約0.1%低下して5.09%前後となりました。世界的な半導体株安を受けて、比較的安全とされる米国債に資金が向かったと伝えられています。

東京市場は7営業日ぶりの反発。 きょうの日経平均は898円高の6万5,324円で引けました。前日まで大きく下げていた半導体・AI関連株が買い戻され、東証プライムの8割超の銘柄が値上がりする全面高でした。ただ、後場の早い時間に上げ幅を広げた後は、引けにかけて伸び悩んでいます。

決算は保険・証券から。 損害保険大手のトラベラーズは16日朝、7〜9月期の1株コア利益が9.18ドルと前年同期の8.14ドルから増えたと発表しました。税引き前の運用収益は10億9,800万ドルと過去最高です。前日の取引終了後には、ネット証券のインタラクティブ・ブローカーズが、調整後1株利益が予想どおり、売上高は予想を上回る決算を発表し、配当の引き上げも明らかにしました。

注目ポイント

  • 鉱工業生産で「景気の強さ」をもう一度確認。 今週はCPI、PPI、小売売上高と強めの数字が続きました。工場や鉱山、電力の生産量を表す鉱工業生産が予想どおりプラスに戻るのか、あわせて発表される設備稼働率がどこまで上がるのかが見どころです。景気の底堅さは、物価が下がりにくい要因として受け止められることもあります。

  • 地方銀行の決算。 取引開始前にはM&Tバンク、トゥルーイスト、リージョンズ・ファイナンシャル、シチズンズ・ファイナンシャルなど地銀の決算が予定されています。大手銀行に続いて、金利が高い状態のなかで貸出や預金がどう推移したかが注目されます。

  • 半導体株の流れは変わるか。 きょうの東京市場では半導体関連が買い戻されましたが、前日の米国では売りが続いていました。週末を前に、米国でも同じ流れが出るのかが焦点です。

  • 来週以降の利上げ観測。 10月27〜28日のFOMC(米連邦公開市場委員会)を前に、今週の物価指標を受けて金利の見方がどう動くかにも目が向かいます。

ひとこと解説

「鉱工業生産」ってなに? 米国の工場(製造業)、鉱山、電気・ガスなどの事業所が、どれだけモノやエネルギーを生み出したかを指数にしたもので、FRB(米連邦準備制度理事会)が毎月発表しています。

いっしょに発表される**「設備稼働率」**は、工場などが持っている生産能力のうち、実際にどれくらい使っているかを表す数字です。稼働率が高いほど「フル回転に近い」ことを意味し、生産が追いつかなくなるとモノの値段が上がりやすくなると考えられています。そのため、景気だけでなく、物価の先行きを考えるヒントとしても注目されます。

出典