14日(水)の米国市場は、9月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことを受けて、ハイテク株を中心に売られました。ナスダック総合指数は511ポイント安と3日続落し、S&P500も1%を超える下げとなりました。AP通信は、S&P500にとって7月以来の大きな下げだったと伝えています。一方、NYダウはディフェンシブ株が支えとなり、48ドル安の小幅安にとどまりました。

10月14日(水)の米国市場 終値 前日比
NYダウ工業株30種 51,621.48ドル -48.62(-0.09%)
S&P500種株価指数 7,718.94 -86.51(-1.11%)
ナスダック総合指数 26,692.87 -511.51(-1.88%)
ラッセル2000(小型株) 2,729.53 -53.84(-1.93%)
参考 値
日経平均株価 14日終値 67,744.29円
大阪取引所の日経225先物(12月限)14日の日中清算値 68,160円
CME日経平均先物(日本時間15日4時台) 66,745円(大阪の終値比-1,415円)
ドル円(NY市場の引け) 158円33銭
WTI原油先物(11月限) 1バレル95.04ドル(+0.90ドル)

何があった?

CPIの上振れで利上げ警戒が再燃。 日本時間の昨夜21時30分に発表された9月の米CPIは、前年同月比3.7%の上昇と、市場予想(3.6%)を上回りました。食品とエネルギーを除いたコア指数も前年比2.6%と、予想(2.5%)より高い伸びでした。中東情勢を背景にした原油高が物価を押し上げているとみられ、市場では米国の追加利上げが早まるのではとの警戒が強まりました。日本経済新聞によると、米長期金利も上昇しています。

ハイテク・半導体株に売り。 金利が上がると、将来の利益への期待で買われてきた成長株は割高と見られやすくなります。この日は、AI向けの巨額投資を続ける企業の採算への不安も重なり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4%を超えて下落したと伝わっています。ダウ構成銘柄ではエヌビディアやキャタピラーの下げが目立ちました。データセンター投資の負担が意識されたオラクルは8%を超える大幅安となり、インテルやメタ・プラットフォームズも下落しました。

銀行決算は明暗。 7〜9月期が減益だったバンク・オブ・アメリカは4.76%安、モルガン・スタンレーも決算は市場予想を上回ったものの2.74%安で取引を終えました。一方、資産運用大手ブラックロックは、調整後の1株利益が予想を上回り、運用資産が過去最高になったと発表しています。

ディフェンシブ株は堅調。 景気や金利に左右されにくい生活必需品やヘルスケアは買われ、ウォルマートが3.45%高となったほか、P&Gやユナイテッドヘルス・グループ、メルクも上昇しました。ダウの下げが小さかったのは、こうした銘柄が支えになったためです。

注目ポイント

  • 東京市場は半導体株の下げに警戒。 CME日経平均先物は、大阪の日中清算値(68,160円)を1,400円あまり下回る66,700円台で推移しました。米国の半導体株安を受けて、きょうの東京市場でも半導体関連株の動きが焦点になりそうです。日経平均はきのうまで5日続落しています。

  • TSMCの決算は日本時間15時ごろ。 台湾の半導体受託生産大手TSMCが、きょう7〜9月期決算を発表する予定です。9月の売上高は前年同月比54.6%増と伸びており、今後の成長見通しや利益率がどう示されるかは、世界の半導体・AI関連株の手がかりとして注目されています。

  • 金利の動きと円相場。 ドル円は158円台前半で推移しています。米国の利上げ観測が強まると日米の金利差が意識されやすく、為替の動きも輸出関連株の値動きに影響しやすい材料です。

ひとこと解説

「ディフェンシブ株」ってなに? 食品・日用品の小売、医薬品、電力など、景気がよくても悪くても需要が大きく変わりにくい業種の株を「ディフェンシブ(守りの)株」と呼びます。反対に、景気や金利の動きに業績や株価が左右されやすいハイテク株や機械株などは「景気敏感株」「グロース(成長)株」と呼ばれます。

きのうの米国市場のように、インフレや金利上昇への不安が強まる場面では、成長株からディフェンシブ株へ資金が移る動きがよく見られます。同じ日でも「ナスダックは大幅安、ダウは小幅安」と指数で差が出るのは、それぞれに含まれる銘柄の顔ぶれが違うためです。

出典