13日(火)夜の米国市場は、取引開始前に発表がそろった大手銀行の7〜9月期決算が最初の焦点です。結果は銀行ごとに明暗が分かれ、JPモルガン・チェースは1株利益が市場予想に届かなかった一方、ゴールドマン・サックスは大幅な増益となりました。きのうから続く半導体株安が、アジア市場を経てどこまで広がるかも注目されます。

12日(月)の米国市場 終値 前日比
NYダウ工業株30種 51,850.55ドル +195.60(+0.38%)
S&P500種株価指数 7,807.24 -4.30(-0.06%)
ナスダック総合指数 27,245.90 -120.27(-0.44%)
13日発表の主な銀行決算(7〜9月期) 純利益 1株利益 市場予想との比較
JPモルガン・チェース 153億ドル(前年比+6%) 5.57ドル 利益・売上高とも下回る
ゴールドマン・サックス 52億9,000万ドル 17.01ドル 利益・売上高とも上回る
シティグループ — 2.85ドル 利益・売上高とも上回る
ウェルズ・ファーゴ 60億ドル(前年比+13%) 1.87ドル 利益はわずかに上回り、売上高は下回る
今夜〜あすの主な予定(日本時間) 内容
13日 夜 9月の米中古住宅販売件数
13日 23時 グールズビー・シカゴ連銀総裁のインタビュー
14日 午前2時 バーキン・リッチモンド連銀総裁が討論会に出席
14日 午前5時 コリンズ・ボストン連銀総裁が討論会に出席
14日(水) 21時30分 米9月消費者物価指数(CPI)
14日(水) バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、ASMLなどが決算発表

何があった?

JPモルガンは「珍しい予想未達」。 米銀最大手のJPモルガン・チェースの7〜9月期は、純利益が前年同期比6%増の153億ドル、売上高が8%増の502億ドルと増収増益でした。ただ、1株利益は5.57ドルと市場予想(約5.90ドル)を下回り、債券・為替・商品の取引部門(FICC)の収益も予想に届かなかったと伝わっています。保有する有価証券の売却などで6億5,800万ドルの損失を計上したことも響きました。株価は発表直後の時間外取引で3%ほど下げたあと、下げ幅を縮める動きと報じられています。ダイモンCEOは、巨額の財政赤字やしつこいインフレ、高い資産価格、金利上昇などのリスクに注意を促しました。一方で、通年の純金利収入(貸し出しなどで得る利ざや)の見通しは10億ドル引き上げています。

ゴールドマンとシティは好決算。 ゴールドマン・サックスは売上高が前年同期比23%増の186億8,000万ドル、1株利益が17.01ドルと、どちらも市場予想を大きく上回りました。M&A(企業の合併・買収)の助言手数料は過去最高だったと伝わっており、株価は時間外取引で上昇しています。シティグループも7〜9月期として10年ぶりの高い売上高となり、利益・売上高とも予想を上回りました。ウェルズ・ファーゴは利益が予想をわずかに上回った一方、売上高は届きませんでした。

半導体安がアジアで拡大。 中国のメモリー大手CXMTが次世代DRAMの開発で前進したと発表したことをきっかけに、メモリー市場の競争が激しくなるとの警戒が広がっています。きのうの米国でマイクロン・テクノロジーなどが売られた流れを受け、13日の韓国市場ではSKハイニックスが約10%、サムスン電子が7%台の大幅安となり、韓国総合株価指数(KOSPI)も5%を超えて下落しました。東京市場でも半導体関連株が大きく下げ、日経平均は1,253円安となっています。

先物はまちまち。 日本時間の夜にかけての米株価指数先物は、銀行株の比重が高いダウが上昇する一方、ハイテク株の多いナスダック100は下げており、方向感が分かれています。WTI原油先物は1バレル92ドル台と、前日の上昇から一服しています。

注目ポイント

  • 半導体株の下げが止まるか。 マイクロンなどメモリー関連株は時間外取引でも安いと伝わっています。前日のフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は約2.6%下げており、きょうも下げが続けばナスダックやS&P500の重荷になりそうです。

  • 銀行決算から読む米国景気。 銀行の決算は、貸し出しの伸びや貸し倒れへの備え(引当金)を通じて、景気の様子を映す鏡ともいわれます。JPモルガンの決算説明会でどのような見方が示されたかに市場の関心が集まっています。

  • FRB高官の発言とあすのCPI。 今夜から明け方にかけて、グールズビー、バーキン、コリンズの各連銀総裁が発言の機会を持ちます。追加利上げの可能性が意識されるなか、あす発表の9月CPIを前に、インフレへの見方が示されるかが注目されます。

ひとこと解説

「予想を上回った/下回った」は何と比べているの? 決算のニュースでよく聞く「市場予想」とは、企業を分析しているアナリストたちの予想を集計した平均値(コンセンサス予想)のことです。LSEGやブルームバーグなどの情報会社がそれぞれ集計しているため、出どころによって数字が少しずつ違うこともあります。

株価は「実際の数字」そのものよりも、「予想と比べてどうだったか」に反応しやすいとされます。きょうのJPモルガンのように、前年より利益が増えていても予想に届かなければ株価が下げることがあり、逆に減益でも予想ほど悪くなければ上がることもあります。決算のニュースを見るときは、前年比と予想比の両方をチェックすると、市場の反応が理解しやすくなります。

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