7日(水)の米国市場は、米長期金利が高い水準にとどまっていることや、中東情勢を受けた原油高への警戒から売りが優勢となり、3指数そろって下落しました。ダウ平均は5日ぶり、ナスダック総合指数は6日ぶりの反落です。取引時間中に公表された9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録への反応は限られました。

7日の米国市場 終値 前日比
NYダウ工業株30種 51,179.87ドル -341.41(-0.66%)、5日ぶり反落
S&P500種株価指数 7,801.77 -17.16(-0.22%)
ナスダック総合指数 27,538.69 -61.20(-0.22%)、6日ぶり反落
ラッセル2000(小型株) 2,793.20 -37.09(-1.31%)
7日の東京市場 終値 前日比
日経平均 70,035.71円 -648.27(-0.92%)
TOPIX 4,154.11 -29.45(-0.70%)
金利・入札・為替 水準 前日比など
米10年債利回り 5.284% ほぼ横ばい(取引中に一時2002年以来の高さ)
米2年債利回り 4.770% 約0.03%低下
米30年債利回り 5.668% 約0.01%上昇
米10年国債入札(390億ドル) 最高落札利回り5.300% 応札倍率2.77倍(前回2.71倍)
ドル円(NY市場) 157円92銭で終了 一時158円40銭まで上昇

何があった?

金利と原油が重しに。 ホルムズ海峡の周辺でイランによるタンカーへの攻撃が続いていると伝わり、原油価格が一時上昇しました。米10年債利回りも一時5.35%と、2002年以来の高さまで上がっています。インフレや金利の上昇が続くとの警戒から株式には売りが出て、ダウ平均は一時500ドルを超える下げとなる場面がありました。

10年債入札は好調で金利は戻す。 午後に行われた10年国債の入札では、最高落札利回りが入札前の目安(5.317%)を下回り、需要の強い結果となりました。海外の中央銀行などを含む買い手の比率も高かったと伝わっています。これを受けて長期金利は上げ幅を縮め、ほぼ前日と同じ水準で終えました。

FOMC議事録は「年内にもう一段」。 9月15〜16日のFOMCの議事録では、0.25%の利上げが全会一致で決まったことに加え、大半の参加者が「年末までにもう一段の引き上げが適切になる可能性が高い」と判断していたことが示されました。ただ、時期についての手がかりはなく、今後の経済データ次第とされています。12月の追加利上げを見込む市場の見方に大きな変化はなく、株価への影響は限られました。

個別の動き。 建設機械のキャタピラーと農機のディアは、米連邦取引委員会(FTC)による調査が伝わり下落しました。ゴールドマン・サックスやアメリカン・エキスプレスも下げています。一方、マイクロン・テクノロジーはアナリストが目標株価を引き上げたことを受けて4%あまり上昇し、ジョンソン・エンド・ジョンソンなど医薬品株も買われました。エヌビディアやAMDは最高値圏から小幅に下げています。ジーンズのリーバイ・ストラウスは取引終了後に決算を発表し、関税の還付を理由に通期の見通しを引き上げました。

注目ポイント

  • 7万円台を保てるか。 日経平均は7日に648円安と3日ぶりに反落しましたが、7万円台はかろうじて保ちました。米国株の下落は小幅だったものの、小型株の下げが大きかったことや、米長期金利の高止まりは重しになる可能性があります。前日の利益確定の流れが続くかどうかが焦点です。

  • 8時50分に国際収支。 8月の国際収支が発表されます。経常収支は3兆1,723億円の黒字が市場予想とされています。12時35分には30年国債の入札があり、国内の長期金利の動きにも目が向きます。

  • 14時に景気ウォッチャー調査。 9月の景気ウォッチャー調査(街角景気)が内閣府から発表されます。現状判断DIは46.7が予想です(前回46.4)。

  • 夕方にウォラーFRB理事の発言。 日本時間17時30分にウォラーFRB理事の発言が予定されています。議事録で追加利上げの方向が示されたばかりで、利上げの時期についての手がかりが出るかが注目されます。

ひとこと解説

「国債入札」の結果はなぜ注目されるの? 米国の政府は、お金を借りるために国債を発行し、入札で投資家に買ってもらいます。このとき、買い手が多ければ低い利回り(=政府が払う金利が少ない条件)でも売れ、買い手が少なければ高い利回りを付けないと売れません。

入札前には、すでに市場で取引されている「発行日前の利回り(WI)」が目安になります。今回のように実際の落札利回りが目安を下回ると「需要が強かった」と受け止められ、金利の上昇に歯止めがかかりやすくなります。長期金利は住宅ローンや企業の借り入れのコスト、株式の割高・割安の見方にも関わるため、株式市場の参加者も入札の結果を気にしています。

出典