6日(火)の米国市場は、長期金利の上昇が一服したことと、AI(人工知能)向け需要への期待からハイテク株が買われ、S&P500種株価指数とナスダック総合指数がそろって終値の最高値を更新しました。S&P500が7,800台で取引を終えたのは初めてです。ダウ平均も4日続伸しました。

6日の米国市場 終値 前日比
NYダウ工業株30種 51,521.28ドル +253.38(+0.49%)、4日続伸
S&P500種株価指数 7,818.93 +44.98(+0.58%)、最高値
ナスダック総合指数 27,599.79 +122.48(+0.45%)、5日続伸・最高値
6日の東京市場 終値 前日比
日経平均 70,683.98円 +737.12(+1.05%)
TOPIX 4,183.56 +38.34(+0.92%)
指標・金利・為替 水準 前回・前日比など
8月の米貿易収支 1,056億ドルの赤字 予想1,021億ドル、前回928億ドルの赤字
うち輸入 4,208億ドル 前月比+4.3%、過去最高
米10年債利回り 5.27%台 前日比で約0.04%低下
米2年債利回り 4.791% 前日比で約0.04%低下
米3年国債入札 最高落札利回り4.932% 応札倍率2.62倍
ドル円(NY市場) 158円台前半 東京の夕方とほぼ同じ水準

何があった?

金利の上昇が一服し、ハイテク株が買われる。 前日に約24年ぶりの高さで終えた米10年債利回りが下がり、株式市場には安心感が広がりました。エヌビディアは上場来高値を更新し、AMDやマイクロソフト、テスラなども上がっています。決算発表が本格化するのを前に、AI向け需要の強さを背景にしたハイテク企業の好業績への期待が相場を支えたと伝わっています。ダウ平均ではウォルマートやホーム・デポが上がり、ボーイングは下げました。

貿易赤字は17カ月ぶりの大きさ。 8月の米貿易赤字は1,056億ドルと、前月から13.7%広がり、市場予想も上回りました。輸入は過去最高の4,208億ドルで、AI向けの半導体や機械、石油、金の輸入が増えたことが主な理由とされています。2025年4月に世界的な関税が導入される前以来の大きさです。

FRB高官からは「利上げを急がない」との声。 ウィリアムズNY連銀総裁ら、金融政策を決める立場の高官から、追加の利上げを急ぐ必要はないとの趣旨の発言が出ました。10月の会合は金利を据え置くとの見方が優勢です。一方、シュミッド・カンザスシティー連銀総裁は「インフレ克服にはまだ道のりがある」と述べ、物価への警戒も示しています。

小型株とストレージ株は軟調。 大型株が上がる一方、小型株で構成するラッセル2000は下げました。データを保存する装置を手がけるシーゲート・テクノロジーは大幅に下落しています。

決算ではコンステレーション・ブランズ。 取引終了後に決算を発表したビール「モデロ」「コロナ」などを扱う酒類大手のコンステレーション・ブランズは、1株利益が3.74ドル、売上高が26.3億ドルと、いずれも市場予想を上回りました。ビールの出荷量は5.5%増えました。ただ、通期の利益見通しは据え置きで、時間外取引では株価が下げています。

注目ポイント

  • 7万円台を保てるか。 日経平均は6日に737円高の7万683円と、終値で約3カ月ぶりに7万円台を回復しました。米国で最高値の更新が続いたことは追い風ですが、2日間で2,300円あまり上げたあとだけに、利益確定の売りとの綱引きになる可能性があります。

  • 今夜はFOMC議事録。 日本時間8日午前3時に、9月15〜16日に開かれたFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事録が公表されます。今日は注目度の高い米国の経済指標がなく、議事録が最大の材料とされています。追加の利上げについて、委員の間でどんな議論があったかが焦点です。

  • 米10年国債の入札。 日本時間8日午前2時に、390億ドルの10年国債入札があります。長期金利は高い水準が続いており、入札の需要の強さが金利と株価に影響する可能性があります。23時30分には米国の週間原油在庫も発表されます。

  • 14時に景気動向指数。 8月の景気動向指数(速報値)が内閣府から発表されます。中国本土の市場は国慶節の連休で今日まで休場です。

ひとこと解説

「FOMC議事録」ってなに? FOMCは、米国の政策金利を決める会合で、年に8回開かれます。会合の当日には結論と声明文が発表されますが、委員たちが会合の中でどんな意見を交わしたかは、約3週間後に公表される「議事録」でわかります。

議事録では「多くの委員が」「一部の委員は」といった表現で、意見の分かれ方が示されます。たとえば、追加の利上げに前向きな委員が多かったのか、慎重な委員が多かったのかがわかるため、次の会合以降の金利の行方を考える手がかりになります。すでに結果が出た会合の記録ですが、内容によっては金利や為替、株価が動くことがあります。

出典