週明け5日(月)の米国市場は、AI(人工知能)向けの需要拡大への期待からハイテク株が買われ、ナスダック総合指数が終値で史上最高値を更新しました。ダウ平均も3日続伸しています。大阪取引所の日経225先物は夜間取引で7万180円となり、7万円台で今日の取引を迎えます。

5日の米国市場 終値 前日比
NYダウ工業株30種 51,267.90ドル +90.94(+0.18%)
S&P500種株価指数 7,773.95 +51.23(+0.66%)
ナスダック総合指数 27,477.31 +286.45(+1.05%)、最高値
ラッセル2000(小型株) 2,847.14 +14.24(+0.5%)
5日の東京市場 終値 前週末比
日経平均 69,946.86円 +1,637.40(+2.40%)
TOPIX 4,145.22 +54.22(+1.33%)
指標・金利・原油・先物・為替 水準 前回・前日比など
9月の米ISM非製造業景況指数 54.9 前回55.4、予想は55.0〜55.2
うち仕入れ価格指数 74.0 前回72.6、2022年7月以来の高さ
米10年債利回り(NY時間16時27分) 5.309% +0.038%
米30年債利回り(同) 5.666% +0.046%(一時5.7%)
WTI原油先物 11月限(5日終値) 1バレル=89.43ドル -1.68ドル(-1.84%)
日経225先物 12月限(6日6時の夜間取引終値) 70,180円 +90円(日経平均の終値より233.14円高)
ドル円(5日のNY市場の終値) 157円91銭 一時158円30銭まで円安

何があった?

ハイテク株が相場をけん引。 AI向け需要の拡大が続くとの期待から、半導体などのハイテク株に買いが入りました。エヌビディアは上場来高値を付けています。S&P500も夏に付けた最高値まで0.3%以内に迫りました。一方、ダウ平均は伸び悩み、上げ幅は90ドルにとどまりました。

サービス業の景況感はやや鈍化、物価の項目は上昇。 9月のISM非製造業景況指数は54.9で、前回の55.4から下がり、市場予想もわずかに下回りました。景気の分かれ目の50は上回っており、拡大は27カ月連続です。項目別では、事業活動が56.5(前回61.7)、新規受注が59.8(同60.9)と下がった一方、雇用は50.1(同47.8)と50を回復しました。気になるのは仕入れ価格で、74.0と約4年ぶりの高さになりました。関税や燃料費の影響を挙げる回答が多かったとされます。

長期金利は一段と上昇。 物価の項目が強かったことでインフレへの警戒が残り、米10年債利回りは5.3%台に上がりました。30年債利回りも一時5.7%と、数十年ぶりの高い水準です。2年債の利回りはわずかに下がっており、長い期間の金利ほど上がる形になっています。

原油は続落。 G7(主要7カ国)による石油備蓄の放出決定に加え、中東からの原油輸出が回復に向かっているとの観測が出て、WTI原油先物は1.84%安の89.43ドルで終えました。原油安はインフレ懸念をやわらげる材料として株式市場に好感されたと伝わっています。

個別の動き。 ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの買収完了を控えたパラマウント・スカイダンスが買われました。統合後の会社は「スカイダンス」に名前を変え、6日にニューヨーク証券取引所へ上場先を移す予定と伝わっています。ビザも上昇しました。一方、医薬品のメルクは下げています。

注目ポイント

  • 7万円台で定着できるか。 夜間の先物は日経平均の終値を230円ほど上回る7万180円で終えており、今日は7万円台を回復して始まる展開が想定されます。前日の日経平均は1637円高と大きく上がり、取引時間中に約3カ月ぶりに7万円台を付けたあと、終値ではわずかに届きませんでした。大幅高の翌日で、節目の近くでは利益確定の売りも出やすく、値動きが注目されます。

  • 15時35分に植田日銀総裁の挨拶。 植田総裁が全国証券大会で挨拶します。日銀は9月の会合で政策金利を1.25%に引き上げたばかりで、次の利上げの時期をうかがわせる発言があるかが焦点です。東京市場の取引終了後の発言となるため、為替や夜間の先物の動きに表れる可能性があります。今日は10年国債の入札もあります。

  • 今夜21時30分に米貿易収支。 8月の米国の貿易収支が発表されます。米国では3年国債の入札があり、長期金利の上昇が続くかどうかも引き続き関心を集めそうです。決算ではビールなどを手がけるコンステレーション・ブランズが発表を予定しています。

  • 中国本土の市場は今日も休場。 国慶節の連休で7日まで休場です。

ひとこと解説

「仕入れ価格指数」ってなに? ISMの景況指数は、企業の購買担当者へのアンケートをもとに、全体の数字のほかに項目ごとの数字も公表しています。仕入れ価格指数はそのひとつで、「仕入れる原材料やサービスの値段が前の月より上がったか」を聞いたものです。50を上回ると値上がりしていると答えた企業が多いことを表し、数字が大きいほど値上がりが広がっていることを示します。

企業が仕入れの値上がりを販売価格に上乗せすると、やがて消費者物価にも表れます。そのため、この指数は「これからのインフレ」の手がかりとして、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げを占う材料になります。今回のように全体の景況感が少し鈍っても、仕入れ価格が高まっていると、金利が上がりやすくなることがあります。

出典