今週(9月28日〜10月2日)の東京株式市場を振り返ります。週の前半は利益確定売りと配当の権利落ちで2日続けて下げましたが、30日から流れが変わり、10月1日には米マイクロンの好決算を受けて日経平均が2203円高と大きく上げました。週間では日経平均が1,945円26銭高と3週続伸した一方、TOPIXは下落しており、2つの指数の差が目立った一週間です。週末の米国では、9月の雇用統計が予想を大きく下回り、FRBの追加利上げをめぐる見方が変わりました。まずは数字から見ていきます。

日付 日経平均終値 前営業日比 TOPIX終値 前営業日比
9/28(月) 65,877.62円 -486.58(-0.73%) 4,112.00 -16.59(-0.40%)
9/29(火) 65,481.27円 -396.35(-0.60%) 4,041.13 -70.87(-1.72%)
9/30(水) 66,753.72円 +1,272.45(+1.94%) 4,108.65 +67.52(+1.67%)
10/1(木) 68,956.72円 +2,203.00(+3.30%) 4,131.98 +23.33(+0.57%)
10/2(金) 68,309.46円 -647.26(-0.94%) 4,091.00 -40.98(-0.99%)

週間では、日経平均は前週末(9月25日)の終値66,364円20銭から**1,945円26銭高い68,309円46銭(+2.93%)で1週間を終え、3週続伸となりました。TOPIXは4,128.59から4,091.00へ37.59ポイント安(-0.91%)**です。TOPIXの下げには、29日の配当の権利落ちによる押し下げが含まれています。

米国市場の週間騰落 9月25日終値 10月2日終値 週間の変化
NYダウ工業株30種 51,828.62ドル 51,176.96ドル -651.66(-1.26%)
S&P500種株価指数 7,743.41 7,722.72 -20.69(-0.27%)
ナスダック総合指数 27,068.72 27,190.86 +122.14(+0.45%)
ラッセル2000(小型株) 2,837.55 2,832.90 -4.65(-0.16%)
米国市場の日々の終値 NYダウ S&P500 ナスダック総合
9/28(月) 51,481.51(-347.11) 7,683.69(-59.72) 26,820.38(-248.34)
9/29(火) 51,349.92(-131.59) 7,670.84(-12.85) 26,797.54(-22.84)
9/30(水) 50,906.05(-443.87) 7,651.54(-19.30) 26,861.06(+63.52)
10/1(木) 50,926.56(+20.51) 7,666.45(+14.91) 26,871.60(+10.53)
10/2(金) 51,176.96(+250.40) 7,722.72(+56.27) 27,190.86(+319.27)
週内に発表された主な指標 結果
米・PCE物価指数(8月、前年同月比) +3.4%(予想+3.7%)、コアは+3.0%(予想+3.3%)
日銀短観(9月調査)大企業製造業DI プラス24(前回プラス22、予想プラス25)
日銀短観(9月調査)大企業非製造業DI プラス35(前回プラス37)
米・ISM製造業景況指数(9月) 54.5(予想55.0、前月54.6)
米・非農業部門雇用者数(9月) 2万9,000人増(予想は8万〜9万人前後)
米・失業率(9月) 4.2%(前月4.1%)
年初来騰落(10月2日時点) 騰落率
ナスダック総合指数 +17%
ラッセル2000 +14.1%
S&P500種株価指数 +12.8%
NYダウ +6.5%

何があった?

週の前半は「利益確定」と「権利落ち」で2日続落。 28日(月)の日経平均は朝方に一時6万7000円台まで上げたものの、前週までの5日間で約3000円上げた反動の売りに押され、486円安で取引を終えました。ニデックは巨額の減損損失を計上する方針が報じられてストップ安となっています。29日(火)は9月末の配当の権利が落ちる日で、前日の米国株安も重なって一時1100円を超える下げとなりました。大引けにかけては下げ渋りましたが、TOPIXは1.72%安と、プライム市場の85%の銘柄が値下がりしています。

30日(水)に反発、9月は2カ月続けて上昇で終える。 サウジアラビアの主要パイプラインが半分復旧したと伝わって原油が下がり、中東情勢への警戒がやわらぎました。AI・半導体関連を中心に買いが入り、日経平均は1272円高と3日ぶりに反発しています。東証の全業種が上昇し、9月の月間でも日経平均は上昇で終えました。

10月1日(木)はマイクロンの好決算で2203円高。 前夜に発表された米マイクロン・テクノロジーの6〜8月期決算は、売上高が前年同期の約4.8倍となる過去最高でした。米国の8月のPCE物価指数が予想を下回ったことも安心材料となり、東京市場では半導体株に買いが集中しました。アドバンテストは前場だけで日経平均を約576円押し上げ、日経平均は終値で8月17日以来の高値を付けています。ただ、TOPIXは0.57%高にとどまり、値上がりと値下がりの銘柄数はほぼ半々でした。同じ日に発表された日銀短観は、大企業製造業の景況感が改善したものの、市場予想にはわずかに届きませんでした。

2日(金)は反動の売り。 2日間で3500円近く上げたあとで利益確定売りが出やすく、日経平均は647円安で反落しました。米雇用統計を前に様子を見る動きもあり、プライムの84.1%の銘柄が値下がりしています。原油高を受けて非鉄金属や鉱業など資源関連の業種は上昇しました。

米国は金利高に押された前半から、雇用統計で持ち直し。 米10年債利回りは週の前半に5.2%台へ上がり、1日には一時2002年以来の5.34%台を付けたと伝わりました。ダウは28日から30日まで3日続落しています。流れを変えたのは2日に発表された9月の雇用統計です。非農業部門雇用者数は2万9,000人増と市場予想を大きく下回り、失業率は4.2%に上昇しました。ヤフー・ファイナンスは平均時給の伸びが前月比0.1%、前年同月比3%だったと伝えています。景気の過熱による物価上昇への警戒がやわらぎ、2日はダウが250ドル高、ナスダックが1.2%高と3指数そろって上昇しました。ヤフー・ファイナンスによると、10月の会合での追加利上げの確率は、1週間前の64%から16%まで下がっています。

個別では決算と販売台数が材料に。 テスラは7〜9月期の納車台数が市場予想を上回って上昇し、エヌビディアは2日の取引中に最高値を付けました。一方、1日に決算を発表したナイキは売上高が予想に届かず、中華圏の売上高が22%減ったことも重荷となって下落しています。

為替は158円台をつけたあと157円台後半へ。 ドル円は1日に158円台まで円安が進みましたが、2日のニューヨーク市場では雇用統計を受けて円が買われ、1ドル=157円80〜90銭と3日ぶりに円高方向で取引を終えました。

注目ポイント

  • 日経平均とTOPIXで、週の印象が逆になりました。 日経平均が2.93%高だったのに対し、TOPIXは0.91%安でした。権利落ちの影響に加え、上昇が値がさの半導体株に集中したことが差を広げています。値上がり銘柄の割合は、1日がほぼ半分、2日は1割台にとどまりました。

  • 米国の利上げ観測は大きく後退しました。 9月16日に約3年ぶりの利上げを行ったFRBについて、市場では10月の追加利上げの見方がいったん強まっていましたが、PCEと雇用統計を受けて据え置きの見方が優勢になっています。ただ、財経新聞(フィスコ)によると、ダラス連銀のローガン総裁はさらに0.5%分の利上げが必要になる可能性に言及しており、FRB内の意見は一つではありません。

  • 原油と中東情勢。 週内は原油の値動きが金利や株価を左右する場面が続きました。財経新聞(フィスコ)は、2日にG7が原油と軽油の備蓄を緊急放出すると発表したと伝えています。週末をはさむ中東関連のニュースにも関心が集まります。

  • 米国の金利は高いまま。 雇用統計後も米10年債利回りは5%台を保っています。金利の水準は、日本の長期金利や為替を通じて東京市場にも影響します。

ひとこと解説

「非農業部門雇用者数」ってなに? 米国の雇用統計の中心になる数字で、農業以外の企業や役所などで働く人が前の月からどれだけ増えたか(または減ったか)を表します。農業は季節によって働く人の数が大きく変わるため、景気の動きを見やすくするために除いています。

この数字が大きく増えると「景気が強い」、伸びが小さいと「景気が冷えてきた」と受け止められます。今週のように利上げが焦点になっている局面では、雇用の伸びが鈍いことが「物価上昇が落ち着き、利上げを急がなくてよくなる」と解釈され、株価にとって追い風になることがあります。数字の良し悪しだけでなく、市場がそれを金利の行方とどう結びつけているかを見ると、相場の反応がわかりやすくなります。

出典