2日(金)夜の米国市場は、日本時間21時30分に発表される9月の雇用統計が最大の注目材料です。FRB(米連邦準備制度理事会)が9月に約3年ぶりの利上げに踏み切ってから最初の雇用統計となり、10月の追加利上げがあるかどうかを占う材料として見られています。

1日(木)の米国市場 終値 前日比
NYダウ工業株30種 50,926.56ドル +20.51(+0.04%)
S&P500種株価指数 7,666.45 +14.91(+0.19%)
ナスダック総合指数 26,871.60 +10.53(+0.04%)
2日の米株価指数先物(雇用統計の発表前) 前日比
NYダウ先物 +0.5%前後
S&P500先物 +0.5%前後
ナスダック100先物 +0.7%前後

※先物は参照する時刻によって水準が変わります。上の値は雇用統計の発表前に報じられた水準です。

金利・原油 水準
米10年債利回り 5.22%前後(1日は一時5.34%と2002年以来の高水準)
WTI原油先物(1日の終値) 1バレル=93ドル前後(+2%台後半)

何があった?

前日は3指数とも小幅高。 1日の米国市場は10月(第4四半期)の最初の取引日でした。米10年債利回りが一時5.34%と2002年以来の高い水準をつけたことで、ダウ平均は一時359ドル安まで下げましたが、その後は利回りが低下に転じたことで買い戻され、4営業日ぶりに小幅反発して取引を終えました。マイクロン・テクノロジーは好決算を受けて上昇し、決算が市場予想を上回ったアクセンチュアも大きく上がっています。

ISM製造業景況指数は予想を下回る。 9月のISM製造業景況指数は54.5で、市場予想(55.0)を下回り、前月の54.6からわずかに下がりました。それでも景気の分かれ目とされる50は9か月連続で上回っています。

原油は中東情勢で上昇、2日は反落。 1日はイラン情勢への警戒からWTI原油先物が1バレル=93ドル前後まで上がり、インフレへの警戒が株式の重しになりました。2日は原油価格が下がっていると伝えられ、株価指数先物の上昇につながっています。

ナイキは決算後に下落。 ナイキが1日の取引終了後に発表した6〜8月期決算は、1株利益が0.48ドルと市場予想を上回った一方、売上高は112億1000万ドルと予想に届きませんでした。中華圏の売上の落ち込みが続き、通期の売上高が1ケタ台後半の減少になるとの見通しを示したことで、株価は時間外取引で下落しています。

注目ポイント

  • 21時30分の9月雇用統計。 非農業部門雇用者数の市場予想は前月比8万〜9万人台の増加で、前月(16万2000人増)から伸びが鈍る見込みです。失業率は4.1%で横ばい、平均時給は前月比+0.3%の予想です(※本記事の作成時点では結果を確認できていません)。前月の強さは季節調整の影響が大きかったとの見方もあり、反動が出るかが焦点です。

  • 平均時給と利上げ観測。 FRBは9月16日のFOMCで政策金利を0.25%引き上げ、3.75〜4.00%としました。10月27〜28日の次回FOMCについては、2日時点で据え置き観測が7割強と優勢です。雇用が強く賃金の伸びも大きければ、インフレへの警戒から追加利上げ観測が強まる可能性があります。

  • 長期金利の行方。 米10年債利回りは前月に5%を超え、1日には2002年以来の水準まで上昇しました。雇用統計を受けて金利がどちらに動くかが、ハイテク株を含む株式全体の方向感を左右しそうです。

  • そのほかの予定。 雇用統計のあとには8月の製造業新規受注と耐久財受注の改定値が発表されます。主要な企業の決算発表は予定されていません。

ひとこと解説

「雇用統計」の3つの数字 米労働省が原則として毎月第1金曜日に発表する、米国の雇用の状況をまとめた統計です。ニュースで特に注目されるのは次の3つです。

  1. 非農業部門雇用者数: 農業以外の仕事で、働く人が前の月から何人増えたか(減ったか)。景気の勢いを最も直接的に示す数字とされます。
  2. 失業率: 働く意思があるのに仕事がない人の割合。
  3. 平均時給: 働く人の賃金の伸び。賃金が大きく上がると物価も上がりやすいため、インフレや金利を考えるうえで重視されます。

FRBは「雇用の最大化」と「物価の安定」の2つを目標にしているため、雇用統計はFRBの次の一手を占う最重要の指標のひとつです。景気が強いことは本来良い話ですが、利上げ局面では「強すぎる雇用=追加利上げ」と受け止められ、株価が下がることもあります。

出典