28日(月)夜の米国市場は、株価指数先物がそろって下げた状態で取引開始を迎えます。前週末25日は原油の値下がりを追い風に3指数そろって上昇し、3週間ぶりに週間で上げて終えましたが、週明けは週末のイラン情勢をきっかけに原油と米金利が再び上昇し、流れが変わっています。

25日(金)の米国市場 終値 前日比
NYダウ工業株30種 51,828.62ドル +478.64(+0.93%)
S&P500種株価指数 7,743.41 +39.28(+0.51%)
ナスダック総合指数 27,068.72 +129.34(+0.48%)
ラッセル2000(小型株) 2,837.55 +1.98(+0.07%)
前週(21〜25日)の騰落 前週末比
NYダウ +0.3%
S&P500 +1.2%
ナスダック総合 +2.1%
ラッセル2000 -0.8%
28日の米株価指数先物(日本時間の夕方〜夜) 前日比
NYダウ先物 -0.4〜-0.5%前後
S&P500先物 -0.4〜-0.6%前後
ナスダック100先物 -0.6〜-1.0%前後

※先物は参照する時刻によって水準が変わるため、複数の報道でおおむね一致した範囲を示しています。

28日の原油・金利(日本時間の夕方〜夜) 水準
北海ブレント原油先物(11月限) 1バレル108ドル台(+4%前後)
WTI原油先物(11月限) 1バレル96ドル台(+4%前後)
米10年債利回り 5.2%台(2007年以来の高水準圏)

何があった?

金曜は原油安で3指数そろって上昇。 25日の米国市場は、北海ブレント原油が1バレル98ドルを下回るまで値下がりしたことで、インフレと金利上昇への警戒がやや和らぎ、ダウ平均は478ドル高となりました。S&P500は前月に付けた最高値まで0.7%以内の水準に戻っています。週間ではナスダック総合が2.1%高と、AI関連株が相場を引っ張った1週間でした。

週末にトランプ大統領がイラン案を拒否。 イランのアラグチ外相は、米国による攻撃の停止や海上封鎖の解除などを条件に、7日以内にホルムズ海峡を開いて協議を再開するという案を示していました。トランプ大統領はこれを拒否したと記者団に明らかにしています。ホルムズ海峡は閉ざされたままで、エネルギー供給への不安から28日は原油先物が4%前後上がりました。ただしロイターによると、トランプ氏は米国側の交渉担当者が協議を続けるとも述べています。

米金利が上昇し、金鉱株が大きく下落。 原油高がインフレへの警戒を呼び起こし、米10年債利回りは5.2%台、30年債利回りは5.5%を上回りました。利息の付かない金(ゴールド)は3%前後下げ、時間外取引では金鉱株のゴールド・フィールズが15%を超える下落となっています。ロイターによると、CME FedWatchでは10月にFRBが0.25%以上の利上げを続ける確率が68%と見込まれています。

エヌビディアが過去最大規模の自社株買い枠を追加。 エヌビディアは取締役会が自社株買いの枠を1500億ドル積み増すことを承認したと発表しました。1回の積み増し額としては過去最大とされ、残りの枠は合計2350億ドルになります。時間外取引では1〜1.5%ほど上げており、先物全体が下げるなかで目立つ動きです。一方、前週に13%上昇したメタは3%前後下げています。

注目ポイント

  • 原油と金利の連動。 今夜は原油価格の動きがそのまま金利、そして株価に響きやすい状況です。ロイターは、原油と株式の値動きの連動の度合いが5月下旬以来の高さになっていると伝えています。
  • 今夜の経済指標は少なめ。 日本時間23時30分にダラス連銀製造業景況指数が発表されます。大きな材料は週の後半に集まっており、今夜はイランをめぐる報道が中心になりそうです。
  • 今週の大型イベント。 29日(火)に求人件数(JOLTS)とコンファレンスボード消費者信頼感指数、30日(水)に4〜6月期GDPの確報値と8月のPCE物価指数、マイクロン・テクノロジーの決算、10月2日(金)に9月の雇用統計が予定されています。FRB高官の講演も多く、利上げの見通しを左右する材料が続きます。

ひとこと解説

自社株買いとは? 会社が市場から自分の会社の株を買い戻すことです。世の中に出回る株の数が減るため、1株あたりの利益が相対的に大きくなり、利益を株主に返す方法の一つとされています。配当が「現金を直接配る」のに対し、自社株買いは「株の数を減らして1株の価値を高める」形の還元です。

ニュースに出てくる「自社株買いの枠」は、取締役会が「この金額までは買ってよい」と認めた上限のことで、発表と同時にすべて買うわけではありません。実際にいつ、どれだけ買うかは会社が市場の状況を見ながら決めていきます。

出典