23日(水)の米国市場は、主要3指数がそろって下落しました。9月のPMI(購買担当者景気指数)速報値が市場予想を大きく上回り、FRB(米連邦準備制度理事会)による追加利上げの見方が強まったことで、米10年債利回りは5.11%と2007年以来の高い水準に上昇。前日まで最高値を更新していたナスダック総合指数も1%を超える下げとなりました。東京市場は今日24日(木)、3連休明けで4日ぶりに取引を再開します。

23日(水)の米国市場 終値 前日比
NYダウ工業株30種 51,511.59ドル -352.10(-0.68%)
S&P500種株価指数 7,706.03 -0.75%
ナスダック総合指数 26,936.04 -308.24(-1.13%)
ラッセル2000(中小型株) 2,838.66 -1.77%
米10年物国債利回り 5.11% 約0.15ポイント上昇
原油・為替(23日) 水準 前日比
WTI原油先物(11月限・清算値) 1バレル=92.16ドル +1.64ドル(+1.81%)
北海ブレント原油先物 1バレル=100ドル台 上昇
ドル円(23日NY終値) 158円32銭前後 93銭程度の円安・ドル高

何があった?

景気指標が強すぎて「利上げ」が意識されました。 23日に発表された9月の米S&PグローバルPMI速報値は、製造業が57.0と市場予想(53台半ば)を大きく上回り、サービス業も予想を上回りました。仕入れ価格の指数は2022年10月以来の高さとなり、物価の上昇圧力がなかなか弱まらない様子がうかがえます。

バー理事の発言も金利を押し上げ。 FRBのバー理事は、根強いインフレに対応するため「さらなる政策の調整が必要になる可能性が高い」との考えを示したと伝えられています。金利先物の動きから算出される「FedWatch」では、10月の会合で0.25%の利上げが行われる確率が7割前後と、前日の5割前後から上がりました。米10年債利回りは一時5.13%前後まで上昇し、約19年ぶりの水準を付けています。

金利上昇でハイテク株・中小型株が売られる。 金利が上がると、将来の成長を期待されて買われている銘柄ほど割高感が意識されやすくなります。前日まで最高値を更新していたナスダックは1.13%安、借り入れの負担が重くなりやすい中小型株のラッセル2000は1.77%安と、下げが目立ちました。ダウ平均では、アルファベットやアマゾン、エヌビディアなどが下落した一方、セールスフォースやシェブロン、ボーイングなどは上昇しています。マクドナルドは、2036年までに大規模なIT投資を行う計画を発表し、株価が大きく下げました。

原油は6日ぶりに反発。 ホルムズ海峡の再開をめぐる正式な合意が見通せないとの見方から、原油は買い戻されました。WTIは期近が11月限に移り、92.16ドルで取引を終えています。米エネルギー情報局(EIA)の週間統計では、原油在庫が市場予想(減少)に反して増えました。

円は158円台に下落。 米金利の上昇を受けてドルが買われ、ドル円は158円32銭前後で取引を終えました。18日に日銀が「レートチェック」を行ったと伝えられた後に付けた高値も上回っています。

注目ポイント

  • 3連休明けの東京市場。 休場中の21〜22日はナスダックが連日の最高値を付けましたが、23日は米金利の急上昇で一転してハイテク株が売られました。休み中の上昇と23日の下落、そして158円台への円安を、東京市場が一度にどう織り込むかが焦点です。

  • 米中首脳会談。 中国の習近平国家主席が23日夜にワシントンに到着し、今日24日にトランプ大統領と会談する予定です。同行する企業関係者が当初の想定より少ないと報じられ、大きな合意への期待はやや後退しています。貿易休戦の延長、AI、重要鉱物などが議題とされ、発言次第で半導体やハイテク株が動く可能性があります。

  • 円安の行方と当局の動き。 ドル円は18日のレートチェック後に円高に振れた分を取り戻しました。これ以上の円安に対して、政府・日銀が再び何らかの対応をとるのかにも関心が集まりそうです。

ひとこと解説

金利が上がると株価が下がりやすいのはなぜ? 国債の利回りが上がると、「リスクをとって株を持たなくても、国債でそれなりの利息がもらえる」状態になります。すると、株に求められる期待リターンも高くなり、今の株価が割高に見えやすくなります。特に、利益の多くが遠い将来に見込まれている成長企業は、将来の利益を今の価値に置き換えるときに金利の影響を大きく受けるため、ハイテク株中心のナスダックは金利上昇に敏感です。

今回のように「景気指標が良いのに株が下がる」ことがあるのは、景気の強さが物価高と利上げにつながると受け止められたためです。ニュースを見るときは、指標の良し悪しだけでなく、それが金利にどう影響しそうかという視点を持つと、市場の反応を理解しやすくなります。

出典