21日(月)夜の米国市場は、株価指数先物がそろって上昇した状態で取引開始を迎えます。米国とイランの対話再開への期待から原油価格が下がり、WTI原油は1バレル=100ドルを割り込みました。先週末に5%台まで上がっていた米10年債利回りも4.9%台に下がっており、株式には追い風となっています。今週は24日(木)にホワイトハウスで予定される米中首脳会談が最大の焦点です。

18日(金)の米国市場 終値 前日比
ダウ工業株30種平均 51,682.64ドル -95.40(-0.2%)
S&P500種株価指数 7,650.50 +12.74(+0.2%)
ナスダック総合指数 26,522.55 +104.25(+0.4%)
ラッセル2000 2,860.40 -14.23(-0.5%)
先週(14〜18日)の騰落 前週比
ダウ工業株30種平均 -890.65(-1.7%)
S&P500種株価指数 -6.48(-0.1%)
ナスダック総合指数 +189.51(+0.7%)
ラッセル2000 -43.55(-1.5%)
21日の米株価指数先物(米東部時間8時30分ごろ=日本時間21時30分ごろ) 値 前日比
NYダウ先物 52,142.10 +461.40(+0.89%)
S&P500先物 7,696.10 +46.00(+0.60%)
ナスダック100先物 29,940.40 +296.20(+1.00%)
ラッセル2000先物 2,882.00 +21.60(+0.76%)
米10年債利回り 4.958% -0.038
原油(21日) 水準 前日比
WTI原油先物 98.20ドル -2.10ドル
北海ブレント原油先物 101.75ドル -2.12ドル(-2.04%)
今週の主な予定(米東部時間) 内容
21日(月) シカゴ連銀全米活動指数(8月)
22日(火) オートゾーン決算(取引開始前)、リッチモンド連銀製造業指数(9月)、KBホーム決算(取引終了後)
23日(水) ゼネラル・ミルズ決算(取引開始前)、S&PグローバルPMI速報値(9月、9:45)
24日(木) 米中首脳会談(ホワイトハウス)、ダーデン・レストランツ決算(取引開始前)、新築住宅販売件数(8月、10:00)、コストコ決算(取引終了後)
25日(金) 耐久財受注(8月、8:30)、ミシガン大学消費者態度指数・確報値(9月、10:00)

何があった?

先物は週明けから反発。 先週のダウ平均は1.7%下げて3週続けての下落となり、S&P500も小幅ながら週間でマイナスでした。16日のFOMCで利上げが決まったうえ、週末にかけて米10年債利回りが5.00%まで上がったことが重荷でした。週明けの21日は流れが変わり、日本時間21時30分ごろの時点で主要な株価指数先物はいずれも上昇しています。ナスダック100先物の上げが1.0%と最も大きく、アジア市場でも半導体など技術関連株が買われた流れを引き継いでいます。

原油は3日続落、WTIは100ドル割れ。 報道によると、トランプ大統領は今週ニューヨークで開かれる国連総会の場で、イランのペゼシュキアン大統領と会う用意があるとの姿勢を示しました。イラン側はカタールの仲介を通じて交渉再開の条件を米国に伝えたとされ、外交による解決への期待から、原油価格に上乗せされていた供給不安の分が縮んでいます。イエメンのフーシ派によるサウジアラビアへの攻撃は続いているものの、サウジの出荷が持ち直していることも価格の重しです。ブレント、WTIとも一時、9月10日以来の安値をつけました。

米中首脳会談の地ならしが始まる。 中国の習近平国家主席は24日にワシントンを訪れ、ホワイトハウスでトランプ大統領と会談します。両首脳の会談は5月の北京に続いて今年2回目で、習氏の訪米は2015年以来です。会談に先立ち、ベッセント財務長官と何立峰副首相によるニューヨークでの貿易協議が始まっており、昨年結ばれた貿易休戦の延長や関税の引き下げ、AI、イラン情勢などが議題になると伝えられています。

注目ポイント

金利の5%ラインと株価の関係。 先週末の米10年債利回りは5.00%と、節目の5%に乗せて取引を終えました。今夜は原油安で4.9%台後半まで下がっていますが、原油価格が物価見通しを通じて金利を動かし、その金利が株価、とくに成長株の評価を左右するという連鎖が続いています。原油と金利の動きをセットで見ておくと、今夜の値動きを読み解きやすくなります。

今週は経済指標が少なく、外交が主役。 今週の米経済指標は、PMI速報値や新築住宅販売、耐久財受注など比較的軽めのものが中心で、物価の本命であるPCEデフレーターは30日の発表です。そのぶん、国連総会での米イランの接触や24日の米中首脳会談といった外交日程が相場の材料になりやすい一週間です。

東京市場は24日に再開。 日本は23日(水・秋分の日)まで休場が続き、24日(木)に取引が再開します。今夜から水曜夜までの米国株、為替、原油の動きがまとめて反映されることになります。

ひとこと解説

地政学リスク・プレミアム — 戦争や紛争などで供給が止まるかもしれないという不安から、商品の価格に上乗せされる部分のことです。原油の場合、実際の需要と供給のバランスで決まる水準に加えて、「万一のとき手に入らなくなる」リスクへの備えとして買われる分が価格に含まれます。今日のように対話の期待が出ると、実際の供給量が変わる前でもこの上乗せ分がはがれ落ち、価格が下がることがあります。逆に、対話が不調に終われば再び上乗せされる可能性もあるため、ニュース一つで値動きが大きくなりやすいのが特徴です。

シカゴ連銀全米活動指数(CFNAI) — 生産、雇用、個人消費、受注などの幅広い経済指標をまとめて一つの数字にした指数です。ゼロが米経済の長期的な平均ペースの成長を意味し、プラスなら平均より強く、マイナスなら平均より弱いと読みます。7月分はマイナス0.08で、平均をわずかに下回るペースでした。

出典