18日の東京株式市場は、日経平均株価が前日比882円70銭(1.38%)高の6万5,018円95銭と3日続伸し、10日以来となる6万5,000円台を回復しました。日銀が政策金利を0.25%引き上げて1.25%程度とすることを決め、外国為替市場で円安が進んだことが買いを呼んでいます。ただし値下がり銘柄は1,000を超え、TOPIXは小幅に下落しており、指数によって方向が分かれる一日となりました。
| 18日の東京市場 | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 65,018.95円 | +882.70(+1.38%) |
| TOPIX | 4,091.14 | -3.05(-0.07%) |
| JPXプライム150指数 | 1,712.32 | +1.22(+0.07%) |
| 日経平均の値動き(18日) | 値 |
|---|---|
| 始値 | 64,681.55円(前日比+545.30円) |
| 高値 | 65,436.57円(12時49分) |
| 安値 | 64,403.85円(10時51分) |
| 売買動向(東証プライム) | 値 |
|---|---|
| 売買代金 | 約10兆4,000億円(約1カ月ぶりの高水準) |
| 出来高 | 約28億6,200万株 |
| 値上がり銘柄数 | 511 |
| 値下がり銘柄数 | 1,003 |
| 変わらず | 40 |
| 日経平均への寄与度(大引け、上位5銘柄) | 寄与度 |
|---|---|
| アドバンテスト | +436.86円 |
| 東京エレクトロン | +215.21円 |
| キオクシアホールディングス | +110.05円 |
| イビデン | +72.41円 |
| ソフトバンクグループ | +54.71円 |
| 18日の業種別騰落(値上がり上位) | 騰落率 |
|---|---|
| 非鉄金属 | +2.29% |
| 電気機器 | +1.98% |
| 金属製品 | +0.64% |
| ガラス・土石製品 | +0.60% |
| 機械 | +0.37% |
| 18日の業種別騰落(値下がり上位) | 騰落率 |
|---|---|
| 電気・ガス業 | -2.24% |
| 石油・石炭製品 | -1.88% |
| 水産・農林業 | -1.77% |
| 海運業 | -1.72% |
| 不動産業 | -1.47% |
| 日銀の決定内容(18日11時54分公表) | 内容 |
|---|---|
| 無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標 | 1.25%程度(賛成7・反対2) |
| 補完当座預金制度の適用利率 | 1.25% |
| 基準貸付利率 | 1.5% |
| 適用開始 | 翌営業日の9月24日から |
| 前夜の米国市場(17日) | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| ダウ工業株30種平均 | 51,778.04ドル | +316.14(+0.6%) |
| S&P500種株価指数 | 7,637.76 | +85.95(+1.1%) |
| ナスダック総合指数 | 26,418.30 | +439.87(+1.7%) |
| ラッセル2000 | 2,874.63 | +15.82(+0.6%) |
| 金利・為替(18日) | 水準 | 備考 |
|---|---|---|
| 新発10年物国債利回り(長期金利) | 2.975%(前日比-0.015%) | 15時2分時点 |
| ドル円 | 157.26〜157.27円(同+1.58円) | 16時28分時点、高値157.31円 |
何があった?
この日の最大の材料は、11時54分に公表された日銀の金融政策決定会合の結果でした。日銀は無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.25%程度で推移するよう促す方針を決定し、6月会合以来3カ月ぶりの追加利上げとなります。公表文によると、決定は賛成7・反対2で、浅田統一郎委員と佐藤綾野委員が反対しました。浅田委員は生鮮食品を除く消費者物価の上昇率が2%を下回るなかで経済の状況も必ずしも強いとはいえない点を、佐藤委員は経済・物価情勢が大きく加速している状態ではない点を、それぞれ理由に挙げています。補完当座預金制度の適用利率は1.25%、基準貸付利率は1.5%とされ、いずれも翌営業日の9月24日から適用されます。
朝方の東京市場は、前夜の米国株高を受けて545円高で始まりました。米国では17日、FRBの利上げを受けて前日に下げた分を取り戻す動きとなり、ナスダック総合指数が1.7%高となっています。AP通信は、原油価格の下落と米長期金利の低下が支えになったと伝えました。米10年債利回りは4.93%に低下しています。半導体関連では、インテルの陳立武(リップブー・タン)CEOがメモリー需要の強さに言及したことを受けてマイクロン・テクノロジーが5%超上昇し、他の半導体株にも買いが広がりました。
日銀の結果公表後、相場の動きが大きくなります。日本経済新聞によると、2人の反対票が「ハト派的」と受け止められ、利上げを続けるとの見方が過度に強まらなかったことから、外国為替市場では円が売られました。ドル円は一時1ドル=157円31銭まで円安・ドル高が進んでいます。後場寄り付きの日経平均は上げ幅を1,300円あまりに広げ、12時49分には6万5,436円57銭まで上昇しました。三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩氏は、日銀の声明に利上げ継続の姿勢が明示されたことで「ビハインド・ザ・カーブ」への懸念が後退し、長期金利の上昇圧力が和らぐとの見方を示しています。実際、この日の長期金利は利上げの決定にもかかわらず2.975%と前日より低下しました。
もっとも、買いが向かった先は限られていました。前夜の米半導体株高と円安を追い風に、アドバンテストが5.99%高の3万2,050円、東京エレクトロン、キオクシアホールディングス、イビデンなどが上昇し、この4銘柄だけで日経平均を約830円押し上げています。一方、東証プライムの値下がり銘柄は1,003と値上がりの511を大きく上回り、業種別では電気・ガス業、石油・石炭製品、海運業などが下落しました。前日に買われた伊藤忠商事やコナミグループといった銘柄には売りが出ています。
注目ポイント
日経平均とTOPIXが逆方向に動きました。 日経平均が1.38%上昇した一方、TOPIXは0.07%下落しています。日経平均の上昇分882円のうち、アドバンテスト1銘柄で436円、上位3銘柄で約760円を占めており、株価水準の高い半導体関連の急伸が指数を押し上げた形です。日経平均を構成する225銘柄でも、値上がりは63銘柄、値下がりは161銘柄でした。指数の数字だけを見ると相場全体が大きく上がったように見えますが、実際に上昇した銘柄は市場全体の3分の1程度にとどまっています。
売買代金は約10兆4,000億円と、約1カ月ぶりの高水準でした。 日銀の結果公表という大きなイベントに加え、後場は先物主導で相場が動いたことが商いを膨らませたとみられます。前日の約7兆1,538億円からは大幅な増加です。
利上げが決まったのに、円安と長期金利の低下が同時に起きました。 市場では今回の利上げが事前に広く予想されており、決定そのものよりも「その次」に関心が移っていたことが背景にあります。2人の反対票が出たことで、次の利上げが急がれるとの見方が和らいだと受け止められました。
東京市場はこの日の取引を最後に5連休に入ります。 19日(土)から23日(水・秋分の日)まで休場で、次の取引は24日(木)です。日銀の新しい誘導目標が適用されるのも同じ24日にあたります。連休中は米国市場が通常どおり動くため、その間の値動きや為替の変化が、24日の東京市場にまとめて反映されることになります。
ひとこと解説
政策金利と無担保コールレート — 日銀が操作する「政策金利」の正体は、無担保コールレート(オーバーナイト物)という金利です。これは銀行どうしが担保なしで1日だけお金を貸し借りするときの金利で、あらゆる金利の出発点にあたります。日銀はこの金利が目標の水準になるよう資金の量を調節し、そこから預金金利や住宅ローン金利、企業向けの貸出金利などに影響が広がっていきます。今回の「1.25%程度」という決定は、この出発点の金利を0.25%引き上げるという意味です。
織り込み済み — 市場が「これは起きそうだ」と予想している出来事は、実際に発表される前から株価や為替に反映されています。これを「織り込み済み」といいます。今回のように利上げが事前に広く予想されていた場合、決定が発表されても相場が素直に反応するとは限らず、むしろ声明文の書きぶりや投票結果といった「予想していなかった部分」に反応することがあります。18日に利上げが決まったのに円安が進み、長期金利が低下したのは、こうした仕組みで説明されることが多い動きです。
ビハインド・ザ・カーブ — 中央銀行の金融政策が、物価や景気の動きに対して後手に回っている状態を指す言葉です。インフレが進んでいるのに利上げが遅れると、後からより大幅な利上げが必要になり、経済に強い負担がかかると考えられています。日銀が利上げを続ける姿勢をはっきり示すと、この後手に回る懸念が薄れるため、かえって長期金利の上昇圧力が和らぐ、という説明がなされることがあります。
出典
- 金融市場調節方針の変更について(2026年9月18日) - 日本銀行
- 金融政策決定会合の運営・決定内容 - 日本銀行
- 東証大引け 日経平均は3日続伸 6万5000円台回復 半導体に買い 日銀利上げ後の円安支え - 日本経済新聞
- 東証後場寄り 日経平均は上げ幅拡大 日銀利上げ決定 - 日本経済新聞
- 日経平均株価:指数情報・推移 - Yahoo!ファイナンス
- TOPIX:指数情報・推移 - Yahoo!ファイナンス
- 日経平均の寄与度ランキング - 株探
- アドバンテスト(6857)株価 - Yahoo!ファイナンス
- 業種別ランキング(国内市場) - トレーダーズ・ウェブ
- 日本国債10年(新発10年物国債利回り・長期金利) - 日本経済新聞
- ドル円(USDJPY)為替レート - 日本経済新聞
- How major US stock indexes fared Thursday 9/17/2026 - AP/WTOP News
- Stock market today: Dow, S&P 500, Nasdaq rebound as bond yields slip, oil eases - Yahoo Finance
- 日銀決定会合、1.25%に利上げへ ペース加速で物価上振れ防ぐ - 日本経済新聞