17日夜の米国市場は、前日のFOMCで決まった3年ぶりの利上げを受けて、株価がどこまで持ち直すかが焦点です。原油価格と米長期金利の低下を背景に、株価指数先物は取引開始前から上昇しています。21時30分に発表された週間の新規失業保険申請件数は19万6,000件と、市場予想を下回りました。

16日(水)の米国市場 終値 前日比
ダウ工業株30種平均 51,461.90ドル -631.21(-1.21%)
S&P500種株価指数 7,551.81 -33.92(-0.45%)
ナスダック総合指数 25,978.43 -3.15(-0.01%)
ラッセル2000 2,858.81 -11.47(-0.40%)
17日の米株価指数先物(米東部時間午前4時45分時点) 前日比
NYダウ先物 +0.66%
S&P500先物 +0.74%
ナスダック100先物 +0.96%
17日発表の米経済指標 結果 市場予想 前回
新規失業保険申請件数(9月12日までの週) 19万6,000件 20万8,000件 20万6,000件
失業保険継続受給者数(9月5日までの週) 173万件 — 176万9,000件(改定)
フィラデルフィア連銀製造業景況指数(9月) 37.8 30前後 47.4
住宅着工件数(8月、年率) 127万5,000件(前月比-2.6%) — 130万9,000件(改定)
建築許可件数(8月、年率) 139万4,000件(前月比-2.7%) — 143万3,000件(改定)
金利・商品・為替(17日、米国時間の朝) 水準
米10年債利回り 4.98%前後(前日比やや低下)
米2年債利回り 4.7%台前半
北海ブレント原油先物 104ドル前後(前日比1%超安)
WTI原油先物 101ドル前後(同1%超安)
ドル円 155円台後半
この後の主な予定(日本時間) 内容
17日22:30 米国株の取引開始
17日23:00 米8月中古住宅販売保留(仮契約)
18日(金) 日銀金融政策決定会合の結果・植田総裁会見
19日(土)〜23日(水) 東京市場は5連休

何があった?

日本時間17日未明、FRBは政策金利の誘導目標を0.25%引き上げて3.75〜4.00%としました。利上げは2023年7月以来で、決定は全会一致です。同時に公表された見通しでは、年内にもう1回の利上げが示されました。ウォーシュ議長が会見でインフレの高さを繰り返し強調したことから、16日の米国市場ではダウ平均が631ドル安と大きく下げています。一方、ナスダック総合指数はほぼ横ばいで取引を終えました。

17日朝の株価指数先物は、この下げから持ち直す動きになっています。ロイター通信(Investing.com掲載)によると、利上げという長く意識されてきた懸念材料を通過したことや、議長がインフレ抑制への姿勢をはっきり示したことが安心材料として受け止められました。Trading Economicsは、サウジアラビアが東西パイプラインの復旧に進展を示したことで原油価格が下がり、これも株価の支えになっていると伝えています。取引前の時間外取引では、インテルやAMDなど半導体株、マイクロソフトやアルファベットなど大型ハイテク株に買いが入っています。一方、エネルギー貯蔵システムのフルーエンス・エナジーは売上高見通しの引き下げを受けて18%下落しました。

21時30分には経済指標がまとめて発表されました。米労働省によると、新規失業保険申請件数は前週から1万件減って19万6,000件でした。フィラデルフィア連銀の製造業景況指数は37.8と、8月の47.4からは下がったものの、予想を上回る高い水準を保っています。一方、8月の住宅着工件数は年率127万5,000件と前月比2.6%減、建築許可件数も2.7%減と、住宅関連は弱めの結果でした。

注目ポイント

株価の戻りは続くか。 先物の上昇が取引開始後も続くかが最初の焦点です。前日はダウ平均の下げが大きかった一方でナスダックは底堅く、指数ごとに値動きの差が出ています。景気の強さを示す指標は企業業績には追い風ですが、FRBの追加利上げを後押しする材料として受け止められる可能性もあります。

次の利上げの確率。 ロイター通信によると、CMEのFedWatchで10月会合での追加利上げの確率は51%と、前日の44%から上がりました。雇用や製造業の指標が強めに出たことで、この確率がどう動くかが米長期金利、ひいては株価に影響しそうです。

原油価格の行方。 ブレント原油は100ドルを超える水準が続いています。中東での供給不安が和らぐかどうかは、物価と金利の見通しを通じて株式市場にも波及します。

日本市場への影響。 17日の日経平均は213円高の64,136円で続伸しました。今夜の米国市場の反応は、18日の日銀会合の結果とあわせて、5連休前最後の取引日となる東京市場に持ち越されます。

ひとこと解説

新規失業保険申請件数 — 米国で職を失い、新たに失業保険を申請した人の数を毎週まとめた統計で、米労働省が木曜日に発表します。毎週出るため、雇用の変化をいち早くつかめる指標として注目されます。件数が少ないほど解雇が少なく、雇用が底堅いことを示します。

フィラデルフィア連銀製造業景況指数 — フィラデルフィア連銀が管轄地域(ペンシルベニア州など)の製造業に景気の良し悪しを聞いた調査です。「良くなった」と答えた割合から「悪くなった」の割合を引いて計算し、0を上回ると景気が改善していることを示します。毎月の中旬に発表され、全米の製造業の動きを占う手掛かりとして使われます。

出典