16日の東京株式市場は、日経平均株価が前日比438円90銭(0.69%)高の6万3,923円ちょうどと、4営業日ぶりに反発しました。前場は原油高と米FOMCの結果を控えた警戒感から売りが優勢でしたが、後場に入って先物主導で上昇に転じ、この日の高値で取引を終える「高値引け」となりました。TOPIXも24.56ポイント高と反発しています。

16日の東京市場 終値 前日比
日経平均株価 63,923.00円 +438.90(+0.69%)
TOPIX 4,061.72 +24.56(+0.61%)
売買動向(東証プライム) 値
出来高 約17億6,909万株
売買代金 約6兆7,075億円
値上がり銘柄数 1,048
値下がり銘柄数 452
変わらず 53
16日の業種別騰落(値上がり上位) 騰落率
石油・石炭製品 +4.62%
鉱業 +3.15%
繊維製品 +2.02%
海運業 +1.92%
非鉄金属 +1.85%
16日の業種別騰落(値下がり上位) 騰落率
医薬品 -0.90%
情報・通信業 -0.80%
空運業 -0.70%
証券・商品先物取引業 -0.61%
小売業 -0.56%
日経平均への寄与度(大引け、上位) 寄与度 株価の前日比
アドバンテスト +130.33円 +540円
東京エレクトロン +104.59円 +1,040円
ファーストリテイリング +32.99円 +410円
リクルートホールディングス +31.18円 +310円
ソフトバンクグループ -77.23円 -96円
キオクシアホールディングス -22.76円 -970円
コナミグループ -20.45円 -610円
大塚ホールディングス -17.43円 -520円
金利・為替・商品(16日) 水準 備考
新発10年物国債利回り(長期金利) 2.995%(前日比-0.035%) 15時14分時点
ドル円 154.97〜154.98円(同+0.09円) 17時39分時点
WTI原油先物(10月限) 104.05ドル(同-1.78ドル、-1.68%) 16時45分時点。前日終値は105.83ドル

何があった?

朝方の東京市場は、リスクを避ける動きが優勢でした。前夜の米国市場で主要3指数がそろって続落し、米10年債利回りが一時5.04%と2007年以来の水準まで上昇したこと、さらに原油高が続いていることが重荷となり、日経平均は前場を小幅安で終えています。この日の日本時間深夜には米FOMCの結果発表が控えており、積極的に買い上がりにくい地合いでした。

流れが変わったのは後場です。株探によると、後場の寄り付きから先物主導で日経平均は上昇に転じ、韓国のKOSPI指数が取引時間中にプラスに転じたことをきっかけに、下げを見込んでいた投資家の買い戻しが誘発されました。日本インタビュ新聞も、後場は「アジア株高」を背景に買いの勢いが強まったと伝えています。日経平均は大引けにかけて上げ幅を広げ、この日の高値で取引を終えました。

けん引役は半導体関連でした。アドバンテストが540円高、東京エレクトロンが1,040円高となり、この2銘柄だけで日経平均を約235円押し上げています。村田製作所やTDK、フジクラといった電子部品・電線株にも買いが入りました。一方、ソフトバンクグループは96円安と反落し、キオクシアホールディングスも970円安となっています。前日はソフトバンクグループの急反発が相場を支えましたが、この日は主役が入れ替わった形です。

業種別では、石油・石炭製品が4.62%高で上昇率トップとなりました。サウジアラビアの主要パイプラインの停止や中東情勢を背景に原油の供給不安が続いており、WTI原油先物は1バレル100ドル台の高値圏で推移しています。鉱業、非鉄金属、海運業といった資源・市況関連も軒並み上昇しました。逆に、医薬品、情報・通信業、空運業は下落しています。

債券市場では、前日に約30年ぶりの高さとなった長期金利が一服しました。新発10年物国債利回りは2.995%と、前日から0.035%低下しています。株式市場にとっては、前日ほど金利上昇が重荷にならなかった一日でした。

注目ポイント

「高値引け」で終えたことが、足元の需給を映しています。 前場は売り優勢だったにもかかわらず、後場に先物から買いが入り、引けにかけて上げ幅を広げました。株探は、この動きを売り方の買い戻し(ショートカバー)が誘発された結果と伝えています。相場の方向感が定まらない局面では、実際の企業業績よりも、こうした持ち高の調整が値動きを左右しやすくなります。

売買代金は6兆7,075億円にとどまりました。 前日の約7兆4,384億円から減っており、大きなイベントを前に様子見の投資家が多かったことがうかがえます。値上がり銘柄が全体の約67%を占めた一方で売買代金が細ったのは、「広く買われたが、金額はそれほど動いていない」状態を示しています。

この後は日米の金融政策イベントが連続します。 米FOMCの結果は日本時間17日午前3時に公表され、3時30分からウォーシュFRB議長が記者会見を行う予定です。日銀の金融政策決定会合の結果は18日に公表されます。そして19日(土)から東京市場は敬老の日・国民の休日・秋分の日を含む5連休に入ります。連休をまたぐリスクを避ける動きが出るかどうかも、17日・18日の値動きを見るうえでの手掛かりになりそうです。

ひとこと解説

高値引け・安値引け — その日の取引時間中でいちばん高い(安い)値段のまま大引けを迎えることを「高値引け」「安値引け」と呼びます。終値は、翌日の基準値や投資信託の基準価額の計算に使われる重要な値段なので、引け際にどちらへ動いたかは市場関係者がよく見るポイントです。ただし、高値引けだからといって翌日も上がるとは限りません。あくまで、その日の最後に買いが優勢だったという事実を表す言葉です。

寄与度と「株価換算係数」 — 日経平均は、構成する225銘柄の株価を足して調整した「株価平均型」の指数です。そのため、株価の水準が高い銘柄ほど指数を動かす力が大きくなります。この日はアドバンテストが540円上がっただけで日経平均を約130円押し上げた一方、キオクシアは970円も下げたのに押し下げ効果は約23円にとどまりました。これは、銘柄ごとに「株価換算係数」という調整の倍率が決められているためです。「日経平均は上がったのに自分の持ち株は下がった」ということが起きやすいのは、こうした指数の仕組みが背景にあります。

ショートカバー(買い戻し) — 株価が下がると見込んで、株を借りて売っておく「空売り」を行った投資家は、いつか買い戻して株を返す必要があります。相場が予想に反して上がり始めると、損失の拡大を避けるために慌てて買い戻す動きが出て、それがさらに株価を押し上げることがあります。この日の後場の切り返しにも、こうした動きが含まれていたと報じられています。

出典