15日の東京株式市場は、日経平均株価が前日比8円89銭(0.01%)安の6万3,484円10銭と、小幅ながら3日続落しました。前日に大きく売られたソフトバンクグループが急反発し、前場には一時600円超上昇して6万4,000円台に乗せましたが、国内の長期金利が約30年ぶりの水準まで上昇したことが嫌気され、上げ幅をすべて失いました。TOPIXは21.05ポイント安と反落しています。

15日の東京市場 終値 前日比
日経平均株価 63,484.10円 -8.89(-0.01%)
TOPIX 4,037.16 -21.05(-0.52%)
15日の日経平均の主な水準
寄り付き 63,190.37円(前日比302.62円安)
取引時間中の上げ幅 前場に一時600円超(64,000円台)
前場終値 64,082.36円(同589.37円高)
大引け 63,484.10円(同8.89円安)
売買動向(東証プライム)
出来高 約18億8,588万株
売買代金 約7兆4,384億円
値上がり銘柄数 798
値下がり銘柄数 684
変わらず 66
15日の業種別騰落(値上がり上位) 騰落率
情報・通信業 +2.07%
医薬品 +1.12%
サービス業 +0.74%
ガラス・土石製品 +0.50%
パルプ・紙 +0.35%
15日の業種別騰落(値下がり上位) 騰落率
石油・石炭製品 -2.24%
銀行業 -1.85%
証券業 -1.60%
保険業 -1.48%
卸売業 -1.44%
金利・為替(15日) 水準
新発10年物国債利回り(長期金利) 3.030%(前日比+0.045%)
債券先物12月物 124.82円(同-0.34円)
ドル円(東京市場15時台) 154.81円(前営業日NY終値比+0.46円)

何があった?

朝方は、前夜の米国市場でエヌビディアなど半導体株が売られた流れを受けて、日経平均は302円安で取引を始めました。時事通信によると、寄り付きでは前日に続いてAI関連株への売りが目立ちました。

ただ、売りは長続きしませんでした。前日に米オープンAIの上場延期観測から10%超下落していたソフトバンクグループに買い戻しが入り、日経平均は午前10時すぎには300円超の上昇に転じます。日本経済新聞によると、「米ハイテク株安は14日の東京市場である程度織り込まれていた」との見方も出ていました。前場は589円高の6万4,082円で終え、取引時間中には上げ幅が600円を超える場面もありました。

流れが変わったのは後場です。株式新聞Webによると、後場は売りが優勢で上げ幅を縮めて始まり、その後もみ合いが続きました。国内債券市場では、前日に米10年債利回りが一時5%台に乗せた流れを受けて売りが広がり、新発10年物国債利回りは3.030%まで上昇しました。日本経済新聞は約30年ぶりの高さと伝えています。金利上昇への警戒から株式にも売りが強まり、14時55分時点で206円高だった日経平均は大引けにかけて上げ幅を失い、前日の終値をわずかに下回って取引を終えました。

業種別では、ソフトバンクグループを含む情報・通信業が2.07%高で上昇率トップとなり、医薬品、サービス業が続きました。一方、石油・石炭製品が2.24%安で下落率トップとなり、銀行、証券、保険といった金融株も下げました。33業種のうち上昇したのは8業種にとどまっています。

寄与度では、ソフトバンクグループが7.5%高で日経平均を約354円押し上げた一方、アドバンテストの下落が約222円の押し下げ要因になりました。同じAI関連の主力株でも、明暗が分かれた形です。

為替市場では、米長期金利の上昇を背景にドルが買われ、ドル円は一時154円91銭まで上昇しました。

注目ポイント

「指数はほぼ横ばい」でも、中身は大きく動いていました。 日経平均の下げ幅は8円89銭とごくわずかですが、取引時間中は寄り付きの302円安から一時600円超高まで、900円以上の幅で上下しました。前場の600円超高から後場に失速した値動きは、終値だけでは見えない一日の緊張感を表しています。

国内の長期金利が3%台で上昇を続けています。 原油高によるインフレ懸念や米金利の上昇が日本の債券市場にも波及しています。金利の上昇は、借り入れの多い企業や不動産にとってはコスト増につながる一方、利ざやが広がりやすい銀行株には追い風になりやすいとされますが、この日は銀行株も下落しました。

今週は日米の金融政策イベントが続きます。 米FOMCは15〜16日に開かれ、結果は日本時間17日午前3時に公表される予定です。日銀の金融政策決定会合の結果は18日に公表され、19日(土)からは東京市場が5連休に入ります。連休前の持ち高調整が出るかどうかも意識されそうです。

ひとこと解説

長期金利と株価の関係 — 長期金利は、一般に新しく発行された10年物国債の利回りを指し、住宅ローンや企業の借り入れ金利の目安になります。金利が上がると、企業の資金調達コストが上がるほか、「国債でも一定の利回りが得られるなら、値動きのある株を持つ理由が薄れる」と考える投資家も出てきます。特に、将来の成長への期待で買われている銘柄は、金利上昇局面で割高と見られやすいとされています。

前場と後場 — 東京証券取引所の取引は、午前の「前場(9時〜11時30分)」と午後の「後場(12時30分〜15時30分)」に分かれています。昼休みの間に海外市場や債券市場の動き、ニュースが伝わると、後場の始まりで流れが変わることがあります。ニュースで「前場は高かったが後場に失速」と伝えられる日は、昼前後に何が起きたかを確認すると値動きの理由が見えやすくなります。

出典