14日夜の米国市場は、週末にアンソロピックのダリオ・アモデイCEOが訴えた「最先端AIの開発ペースを落とすべきだ」という提言を、初めて取引時間中に消化する一日になります。東京市場ではソフトバンクグループが10%超下落し、韓国の株価指数も3%を超えて下げました。米株価指数先物はハイテク株の比率が高いナスダック100を中心に下げており、原油高も重なっています。

11日(金)の米国市場 終値 前日比
ダウ工業株30種平均 52,573.29ドル +509.19(+0.98%)
S&P500種株価指数 7,656.98 +65.28(+0.86%)
ナスダック総合指数 26,333.04 +251.3(+0.96%)
フィラデルフィア半導体株指数(SOX) 11,824.00 +209.83
14日の米株価指数先物 13時30分(フィスコ) 夜の報道時点(AP通信)
S&P500先物 7,692.00(-35.25) 0.7%安
ナスダック100先物 29,317.50(-366.75) 1.6%安
NYダウ先物 32ドル安 0.2%安
金利・商品(AP通信の報道時点) 水準 前日比
米10年債利回り 4.97% 小幅上昇
北海ブレント原油先物 107.37ドル +2.6%
WTI原油先物 102.39ドル +2.3%
14日のアジア・欧州の株価指数 水準 前日比
日経平均株価(終値) 63,492.99円 -0.81%
韓国総合株価指数(KOSPI) 6,684.37 -3.3%
英FTSE100 10,717.86 +0.6%
仏CAC40 8,125.20 -0.7%
独DAX 25,480.15 -0.3%
今週の主な米国の予定(日本時間) 内容
14日(月)夜 主要な経済指標の発表なし
15日(火)21:30 9月ニューヨーク連銀製造業景気指数、FOMC1日目
16日(水)21:30 8月小売売上高、8月輸入・輸出物価指数
17日(木)3:00 / 3:30 FOMC政策金利発表 / ウォーシュFRB議長会見

何があった?

先週末11日の米国市場は、原油価格の反落と市場予想並みだった8月消費者物価指数(CPI)を受けて、主要3指数がそろって4営業日ぶりに反発しました。半導体株で構成されるSOX指数も209.83ポイント高と上昇しています。

流れが変わったのは週末です。アモデイCEOは12日に公表した長文のエッセイで、安全性への懸念から業界全体で最先端モデルの開発ペースを落とすべきだと呼びかけ、オープンAIのサム・アルトマンCEOもこれに賛同しました。アルトマン氏は2026年中の株式上場も否定しています。AI開発への旺盛な投資を前提に買われてきた銘柄にとっては、需要の伸びが鈍るかもしれないという連想が働きやすいニュースです。

AP通信によると、米国の取引開始前の時間外取引では、エヌビディアが2.7%安、インテルが5.8%安となり、ブロードコムやAMDも下げています。一方でブルームバーグなどは、アンソロピックが新規株式公開(IPO)の上場先にナスダックを選んだと報じており、早ければ10月の上場が取り沙汰されています。AIをめぐっては「開発を減速すべきか」という議論と「巨大なIPOが控えている」という話題が同時に進んでいる状態です。

原油も上昇しています。イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海南部の島を相次いで制圧し、サウジアラビアの原油輸送にとって重要なバブ・エル・マンデブ海峡周辺での支配を強めています。サウジはホルムズ海峡を迂回して紅海側へ原油を運ぶ「東西パイプライン」を、攻撃を受けて予防的に停止しました。AP通信の報道時点で、ブレントは2.6%高の107.37ドル、WTIは2.3%高の102.39ドルです。

注目ポイント

半導体株の下げがどこまで広がるか。 東京ではソフトバンクグループが大きく下げた一方、TOPIXは上昇し、値上がり銘柄が全体の約8割を占めました。売りがAI関連に集中するのか、市場全体に広がるのかは、今夜のナスダックとS&P500の下落率の差、そしてダウとの差に表れやすいポイントです。

原油高と金利の組み合わせ。 米10年債利回りは4.97%と、5%に近い水準にあります。原油高はインフレ懸念を通じて金利を押し上げやすく、金利上昇はハイテク株の重しになりやすいという関係があります。AIのニュースと原油・金利という二つの逆風が同時に吹いている点が、今夜の特徴です。

FOMCを前にした持ち高調整。 今夜は主要な米経済指標の発表がなく、市場の関心は15〜16日のFOMCに向かいます。CMEのFedWatchで見た9月の利上げ確率は約86%と伝えられています。大きなイベントを前に、持ち高を軽くする売買が出るかどうかも見どころです。

ひとこと解説

プレマーケット(時間外取引) — 米国株の通常の取引時間は、米東部時間の9時30分〜16時(日本時間では夏時間で22時30分〜翌5時)です。その前の早朝にも「プレマーケット」と呼ばれる時間外取引があり、週末や夜間に出たニュースへの反応が先に表れます。ただし参加者が少なく売買が薄いため、値動きが大きく出やすく、通常取引が始まると流れが変わることもあります。時間外の下落率は「今の時点での市場の第一反応」と受け止めるのが適切です。

出典