14日の東京株式市場は、日経平均株価が前週末比518円35銭(0.81%)安の6万3,492円99銭と続落しました。週末に米AI企業のトップが開発ペースの減速を訴え、オープンAIが年内の上場を見送る考えを示したことで、AI・半導体関連株が売られました。一方でTOPIXは29.91ポイント高と反発し、東証プライムでは値上がり銘柄が全体の約8割を占める「指数と実感がずれた」一日になりました。

14日の東京市場 終値 前週末比
日経平均株価 63,492.99円 -518.35(-0.81%)
TOPIX 4,058.21 +29.91(+0.74%)
東証グロース250指数 785.32 +17.39
東証REIT指数 1,752.27 +9.88
14日の日経平均の主な水準
寄り付き 63,659.53円(前週末比351.81円安)
前場終値 63,498.61円(同512.73円安)
取引時間中の下げ幅 一時1,200円超(62,700円台)
大引け 63,492.99円(同518.35円安)
売買動向(東証プライム)
売買高 約19.7億株
売買代金 約7.28兆円
値上がり銘柄数 1,218
値下がり銘柄数 307
変わらず 23
14日の業種別騰落(値上がり上位) 騰落率
サービス業 +4.09%
保険業 +2.45%
その他製品 +2.03%
水産・農林業 +1.77%
陸運業 +1.74%
14日の業種別騰落(値下がり上位) 騰落率
非鉄金属 -2.35%
情報・通信業 -1.87%
ゴム製品 -0.75%
ガラス・土石製品 -0.26%
金属製品 -0.21%
目立った個別銘柄(終値) 株価 前週末比
ソフトバンクグループ 5,839円 -701円(-10.72%)
キオクシアホールディングス 50,590円 -3,440円
富士通 4,026円 +277円
中部電力 2,885円 -107円

何があった?

週末にアンソロピックのダリオ・アモデイCEOが「最先端AIの開発ペースを業界全体で落とすべきだ」と訴え、オープンAIのサム・アルトマンCEOも2026年中の株式上場を否定しました。これを受けて、AI需要の伸びが鈍るのではないかとの警戒が広がり、東京市場は寄り付きから売りが先行しました。前週末の米国市場で主要3指数がそろって反発していたにもかかわらず、日経平均は351円安で始まり、午前9時台には下げ幅が1,200円を超えて6万3,000円を割り込みました。共同通信によると、6万3,000円割れは約1カ月半ぶりです。

売りの中心はAI・半導体関連でした。オープンAIに巨額の出資をしているソフトバンクグループは、日本経済新聞によると一時13%安まで売られ、終値は10.72%安。1銘柄で日経平均を約564円押し下げ、指数全体の下げ幅(518円)を上回りました。キオクシアホールディングスやアドバンテストも大きく下げ、業種別では非鉄金属と情報・通信業が下落率の上位に並んでいます。

一方、AIと関係の薄い銘柄には、前週末の米国株高を受けた買いが広く入りました。サービス業が4.09%高で上昇率トップとなり、リクルートホールディングスが1銘柄で日経平均を約99円押し上げています。33業種中27業種が上昇し、TOPIXは反発して取引を終えました。後場は大きな動きがなく、日経平均は6万3,500円前後でもみ合いました。

個別では、AI向け半導体の輸出を始めると日本経済新聞に報じられた富士通が大幅高となりました。反対に、中部電力は浜岡原発3・4号機の耐震データ不正問題を受けて再稼働審査の申請取り下げと、会長・社長の辞任(9月30日付)を発表し、大幅安となっています。

為替市場では、ドル円は154円前後で推移しました。フィスコによると東京時間の取引レンジは153円37銭〜154円14銭で、原油相場の動きをにらんだ展開でした。

注目ポイント

日経平均とTOPIXが逆方向に動きました。 日経平均は0.81%安、TOPIXは0.74%高です。日経平均は株価の高い「値がさ株」の影響を強く受けるため、ソフトバンクグループなど少数のAI関連銘柄の急落がそのまま指数を押し下げました。一方、時価総額で加重するTOPIXや、値上がり1,218銘柄・値下がり307銘柄という騰落数を見ると、市場全体としてはむしろ買いが優勢だったことがわかります。

AI関連とそれ以外で明暗が分かれました。 週末のニュースはAI投資の先行きに関わるもので、同じ「ハイテク」でも、AIへの期待で買われてきた銘柄ほど反応が大きくなりました。富士通のように個別の材料で上昇した銘柄もあり、テーマ全体の見直しと銘柄ごとの材料を分けて見る必要がありそうです。

今週は日米の金融政策イベントが続きます。 米FOMCの結果は日本時間17日午前3時、日銀の金融政策決定会合の結果は18日に公表される予定です。19日(土)からは東京市場が5連休に入るため、連休前の持ち高調整が出るかどうかも意識されます。

ひとこと解説

寄与度とは — 日経平均は225銘柄の株価をもとに計算されるため、株価水準の高い銘柄や、指数への組み入れ比率が大きい銘柄の値動きが指数に大きく響きます。ある銘柄の値動きが日経平均を何円動かしたかを示すのが「寄与度」です。この日はソフトバンクグループ1銘柄のマイナス寄与(約564円)が指数全体の下げ幅(518円)を上回りました。つまり、ソフトバンクグループを除いた残りの224銘柄を合計すると、指数はむしろ押し上げられていた計算になります。

騰落銘柄数を一緒に見る理由 — 日経平均だけを見ると「大きく下げた日」に見えますが、値上がり・値下がりの銘柄数を合わせて見ると、相場の広がり方がわかります。この日のように指数が下げても値上がり銘柄が多い場合、売りが一部の銘柄に集中していたと読み取れます。ニュースの見出しの数字だけで市場全体の雰囲気を判断しないための、シンプルな確認方法です。

出典