来週(9月14日〜18日)は、米国と日本の中央銀行が2日違いで金融政策を決める週です。米FOMC(連邦公開市場委員会)は15〜16日に開かれ、結果は日本時間17日の未明に発表されます。日銀の金融政策決定会合は17〜18日で、18日には8月の全国消費者物価指数(CPI)も発表されます。どちらも利上げが有力視されており、先週の株安の背景にあった「原油高→金利上昇」の流れに、中央銀行がどう答えるかが問われる1週間になります。まずは足元の位置を確認します。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 日経平均 先週末終値(9/11) | 64,011.34円(週間 -1,009.60円、-1.55%、2週続落) |
| TOPIX 先週末終値(9/11) | 4,028.30(週間 -74.93) |
| 日経平均の週間安値(9/11 取引時間中) | 63,208.63円 |
| 来週の予想レンジ(ザイ・オンライン) | 60,000〜65,000円 |
| ドル円(9/11・NY終値) | 153円24銭 |
| WTI原油先物(9/11清算値) | 100.05ドル(週間 +9.4%) |
| 週末(9月11日)の米国市場 | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| NYダウ工業株30種 | 52,573.29ドル | +509.19 |
| S&P500種株価指数 | 7,656.98 | +65.28 |
| ナスダック総合指数 | 26,333.04 | +251.32 |
| 日米の政策金利 | 現在 | 市場で有力視されている結果 |
|---|---|---|
| 米FF金利の誘導目標 | 3.50〜3.75% | 0.25%利上げ(3.75〜4.00%へ) |
| 日銀の政策金利 | 1.0%程度 | 0.25%利上げ(1.25%程度へ) |
来週の注目日程
| 日付 | 予定(時刻は日本時間) |
|---|---|
| 9/14(月) | 中国:8月新規人民元融資 |
| 9/15(火) | 米FOMC(1日目)。中国:8月鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資(11:00)。英:7月雇用統計 |
| 9/16(水) | 米FOMC(2日目)。英:8月CPI。米:8月小売売上高(21:30)。決算:レナー |
| 9/17(木) | 米FOMC結果発表(3:00)、ウォーシュFRB議長会見(3:30)。日銀会合(1日目)。英中銀 政策金利発表(20:00)。米:8月住宅着工・建設許可件数(21:30)。東京ゲームショウ開幕(〜21日) |
| 9/18(金) | 日本:8月全国CPI(8:30)。日銀 政策金利発表、植田総裁会見 |
最大の焦点は、日本時間17日未明のFOMCです。 11日に発表された米8月CPIで、食品とエネルギーを除くコア指数が前月比0.3%上昇と市場予想(0.2%)を上回り、利上げ観測が一段と強まりました。9月会合は、FOMC参加者の経済見通し(SEP)と金利見通しの分布図(ドットチャート)が公表される回にもあたります。ウォーシュFRB議長は、インフレが2%目標を上回り、しかも幅広い品目に広がっていることへの懸念を示してきました。今回、利上げが「一度きり」なのか、「引き締めの始まり」なのかが、ドットチャートと会見でどう示されるかが見られます。同じ週の16日夜には米8月の小売売上高も発表され、個人消費の強さを確かめる材料になります。
日本時間18日には、日銀が政策金利を発表します。 毎日新聞は11日、日銀が17〜18日の会合で政策金利を現在の1.0%程度から1.25%程度に引き上げる方向だと報じました。実現すれば1995年4月以来、約31年半ぶりの高水準です。前回の利上げは6月で、これまで半年程度あいていた利上げの間隔が3カ月に縮まることになります。植田総裁は、AI需要の拡大、中東情勢に伴う原油高、為替の変動を物価の上振れリスクとして挙げています。同じ18日の朝には8月の全国CPIが発表されるため、会合当日の朝に物価の最新データを確認してから結果を待つ日程になります。
あいだの17日夜には、英国の中央銀行(イングランド銀行)も政策金利を発表します。 市場では3.75%での据え置きが中心シナリオとされていますが、前回会合では9人中3人が利上げを主張しており、前日16日の英8月CPIの結果によっては票が割れる可能性も指摘されています。
注目ポイント
利上げ確率の数字は、集計した時点で大きく違います。 CMEのFedWatchが示す9月利上げの織り込みについて、CPI発表前の時点ではIGやNewsquawkが約70%と伝えていました。一方、CPI発表後についてはYahoo Financeが約87%、Newsquawkが約90%と伝えています。1週間前は約50%でしたから、わずかな指標の差で見方が大きく動いていることになります。フィスコは、利上げが見送られた場合には「FRBの独立性」への懐疑的な見方が浮上しかねないとも指摘しています。
予想レンジは、先週より下方向に広く取られています。 ザイ・オンラインが示す来週の日経平均の予想レンジは6万〜6万5000円で、先週末の終値6万4011円34銭はレンジの上寄りに位置します。同記事は中東情勢を背景にした原油価格の動向を警戒材料に挙げる一方、FOMCと日銀会合を通過したあとの「アク抜け感」によるリバウンドの可能性にも触れています。予想レンジは「そうなる」という保証ではなく、各社が想定する振れ幅の目安として見るものです。
為替は、日米の「温度差」がカギとされています。 外為どっとコムは、FRBが据え置いて日銀が利上げと追加利上げに前向きな姿勢を示せば日米金利差の縮小が意識されて円高・ドル安に、逆にFRBが利上げと追加利上げに前向きな姿勢を示し、日銀が今後の利上げに慎重な姿勢を示せば円安・ドル高に振れやすいという2つのシナリオを示しています。両方の中銀が同じ方向に動く週だからこそ、「どちらがより積極的か」の比較で相場が動きやすいということです。
月末に向けた需給と、連休も意識されます。 フィスコは、9月28日の配当権利付き最終売買日に向けて、約1.6兆円規模の先物買い需要が見込まれるとしています。また、翌週は9月21日(敬老の日)、22日(国民の休日)、23日(秋分の日)と祝日・休日が続き、19日の土曜日から5連休となります。東京市場が休みの間も海外市場は動くため、一般に、連休前には持ち高を調整する売買が出ることもあります。
ひとこと解説
「ドットチャート」とは何でしょうか。 FOMCに参加するメンバー(最大19人)が、それぞれ「適切だと考える政策金利の水準」を年末ごとに1つの点(ドット)で示し、それを並べた図のことです。3月・6月・9月・12月の会合で、経済見通し(SEP)と一緒に公表されます。点がどのあたりに集まっているかを見ると、FRB内部で「今後あと何回くらい金利を動かすのが適切だと考えられているのか」がおおまかに分かります。今回のように利上げ自体がかなり織り込まれている場面では、決定そのものより、年末や来年の点の位置が「追加の利上げがありそうか」を示す材料として注目されやすくなります。ただし、ドットはあくまで各メンバーの見通しであり、将来の約束ではない点には注意が必要です。
「中立金利」という言葉も、日銀のニュースでよく出てきます。 景気を熱しすぎも冷やしすぎもしない、ちょうど中立的な金利の水準のことで、実際に観測できる数字ではなく推計値です。政策金利がこれより低いうちは「まだ景気を支える側(緩和的)」、上回ると「景気を抑える側(引き締め的)」と整理されます。フィスコは、日銀が中立金利とされる1.75%程度まで利上げを続けることも想定されていると伝えています。今回1.25%程度への引き上げが決まっても、中立金利の推計の範囲内であれば、日銀自身はまだ緩和的な状態と説明する可能性があります。会見で総裁が「緩和的」という言葉を使うかどうかは、今後の利上げペースを読むヒントとして注目されます。
出典
- 来週(9/14〜9/18)の日経平均株価の予想レンジは6万〜6万5000円!(ザイ・オンライン)
- 来週・再来週の相場で注目すべき3つのポイント:米小売売上高、米FOMC、日銀会合(財経新聞)
- 国内株式市場見通し:大型イベント通過後のリバウンドを見据える局面にも(財経新聞/フィスコ)
- 米国株式市場見通し:利上げ後の調整場面では10月以降のリバウンドも見据えたい(財経新聞/フィスコ)
- 9月11日のNY為替概況(財経新聞)
- 来週のドル円相場はどうなる?9/14週のイベント予定(外為どっとコム マネ育チャンネル)
- 注目のFX週間イベント 来週の為替はどう動く?9/14〜9/20(外為どっとコム マネ育チャンネル)
- 日銀利上げへ 政策金利1.25%程度に 9月の決定会合で(毎日新聞/Yahoo!ニュース)
- Week Ahead: 14 September 2026(IG)
- Newsquawk Week Ahead in Focus 14-18th September 2026(Global-View)
- Top 5 High-Impact Economic Events This Week (September 14 – 20, 2026)(MQL5)
- Stock market today: Dow, S&P 500, Nasdaq end losing week on a high note as Fed rate-hike bets jump(Yahoo Finance)
- How major US stock indexes fared Friday 9/11/2026(AP/WTOP)
- Oil prices fall Friday, but post sharp weekly gains as tensions in the Middle East rise(CNBC)
- Warsh raises stakes for Fed's next meeting, and other takeaways from Jackson Hole conference(PBS News)
- 2026年のシルバーウィークはいつ?【9/19〜9/23の5連休】(祝日カレンダー)