来週(9月7日〜9月11日)は、週の最終日である11日に米8月の消費者物価指数(CPI)と9月限のメジャーSQ算出が重なります。その翌週には米FOMC(9月15〜16日)と日銀の金融政策決定会合(9月17〜18日)が控えており、複数の市場見通しが「様子見ムードが強まりやすい週」という共通の見方を示しています。4日夜の米雇用統計が予想を大きく上回ったことで9月利上げ観測が再燃したばかりで、その観測をインフレ指標が裏づけるのかどうかが問われます。まずは足元の位置から確認します。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 日経平均 先週末終値(9/4) | 65,020.94円(前日比 +806.46円、+1.26%) |
| TOPIX 先週末終値(9/4) | 4,103.23(前日比 +1.19) |
| 日経平均の週間騰落(8/31〜9/4) | -1,384円62銭(-2.09%、2週ぶりの下落) |
| 東証プライムの騰落銘柄数(9/4) | 値上がり788/値下がり712 |
| 来週の予想レンジ(ザイ・オンライン) | 63,500〜66,500円 |
| 日経225先物の予想レンジ(フィスコ) | 63,000〜68,000円 |
| ドル円 予想レンジ(外為どっとコム) | 153円台後半〜159円台前半 |
| 週末(9月4日)の米国市場 | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| NYダウ工業株30種 | 53,414.25ドル | -271.86(-0.51%) |
| S&P500種株価指数 | 7,718.60 | -0.38% |
| ナスダック総合指数 | 26,506.99 | -0.29% |
| 米8月CPIの市場予想(9/11発表) | 予想 | 前回 |
|---|---|---|
| 総合(前年同月比) | 3.5% | 3.4% |
| コア(前年同月比) | 2.4% | 2.5% |
| 総合(前月比) | +0.4% | +0.1% |
| コア(前月比) | +0.2% | — |
来週の注目日程
| 日付 | 予定 |
|---|---|
| 9/7(月) | 米国:レイバーデーで株式・債券市場が休場。日本:7月景気動向指数 |
| 9/8(火) | 日本:4〜6月期GDP改定値(8:50、予想 前期比+0.4%・年率+1.8%)、7月毎月勤労統計、7月国際収支。中国:8月貿易統計。米:7月消費者信用残高。決算:ゲームストップ |
| 9/9(水) | 中国:8月CPI・PPI(市場予想は前年比0.9%程度、前回0.5%) |
| 9/10(木) | ECB理事会・政策金利(予想 0.25%引き上げ)。米:8月PPI、新規失業保険申請件数、中古住宅販売件数。決算:オラクル、アドビ、メーシーズ |
| 9/11(金) | 日経225 9月限メジャーSQ算出。日本:8月国内企業物価指数。英:7月月次GDP(予想 前月比+0.1%)。米:8月CPI(21:30)、財政収支、ミシガン大学消費者態度指数。決算:クローガー |
週の入口は、米国市場の休場です。 9月7日は米国がレイバーデーにあたり、株式・債券市場が休場となります。外為どっとコム(マネ育チャンネル)は、この日は薄商いが予想され、弱材料にはより敏感になりやすい地合いが続くとの見方を示しています。
8日には、日本の4〜6月期GDP改定値(2次速報)が発表されます。 財経新聞が伝える市場予想は前期比プラス0.4%、年率換算でプラス1.8%です。1次速報の段階では市場予想を下回っていましたが、法人企業統計で示された設備投資が1次速報時点の推計より強かったことから、上方修正が見込まれています。同記事は、上振れすれば円買いにつながりやすいとしています。同じ8日には7月の毎月勤労統計調査(現金給与総額)も発表され、賃金の伸びが日銀の追加利上げ観測を補強するかどうかが見られます。
10日はECB(欧州中央銀行)理事会です。 8月のユーロ圏消費者物価指数が前年比プラス3.3%と2023年9月以来の高い伸びとなったことを受け、IGは市場が0.25%の利上げ(中銀預金金利2.50%へ)をほぼ完全に織り込んでいるとしています。財経新聞は、声明や会見で追加利上げの可能性が示唆されればユーロ買い、打ち止め観測が広がればユーロ売りに振れやすいとの見方を示しました。同じ日には米8月のPPI(生産者物価指数)も発表されます。
そして11日が、来週最大の焦点です。 米8月のCPIが日本時間21時30分に発表されます。フィスコは、コアが市場予想の前年比2.4%を下回れば利上げ回避の可能性が高まると指摘しています。パウエルFRB議長はPCE(個人消費支出)物価指数で2%目標の達成を重視する姿勢を示していますが、7月のPCE物価指数は前年同月比3.7%、コアPCEは同3.3%の上昇が続いている状況です。同じ11日は9月限の株価指数先物・オプションの特別清算指数(メジャーSQ)算出日でもあり、フィスコはロールオーバー中心の展開を見込んでいます。
需給面では、日経平均の定期入れ替えも発表済みです。 日本経済新聞社は4日、10月1日付でJX金属、KOKUSAI ELECTRIC、カプコンの3銘柄を日経平均株価に採用し、ARCHION、コニカミノルタ、カナデビアを除外すると発表しました。市場流動性の観点からJX金属とKOKUSAI ELECTRICを、業種バランスを考慮してカプコンを加えたとしています。9月29日からは株式分割に対応して10社の株価換算係数も調整される予定です。
注目ポイント
予想レンジは各社で幅が異なり、下値の見方に差があります。 ザイ・オンラインは6万3500〜6万6500円、フィスコは日経225先物で6万3000〜6万8000円を示しています。前週末の終値6万5020円94銭はいずれの想定レンジでも中心よりやや下寄りの位置です。予想レンジは「そうなる」という保証ではなく、各社が想定する振れ幅の目安として見るものです。
雇用統計を受けた9月利上げ観測の織り込みには、集計時点による差があります。 4日の米8月雇用統計は非農業部門雇用者数が16万2000人増と市場予想の5万5000人増を大きく上回り、失業率は4.1%で横ばいでした。この結果を受けて米国債利回りが上昇し、3指数はそろって下落しています。市場が織り込む9月の利上げ確率について、IGは約50%、シュワブの解説も強い雇用統計が利上げ確率を押し上げたと伝えており、フォーブスが伝えた8月31日時点の66%からは水準が動いています。数字は日々変わるため、特定の確率を前提に置くよりも、CPIでどちらに動くかを見る局面といえます。
フィスコは、来週の東京市場について「翌週の大型イベントを控えて様子見ムードが強まりやすい」との見通しを示しています。 同社は米国株のパフォーマンスが9月に悪化しやすいことにも触れたうえで、翌週の大型イベントを通過すればハイテク株を中心に買い安心感が強まりやすくなるとも想定しています。注目するセクターとしてはAI・半導体関連、内需セクター、バリュー株を挙げました。
テクニカル面では、一目均衡表の「雲」が意識されています。 ザイ・オンラインは、雲の上限と下限が「ねじれ」を起こしている状態で、4日の上昇によって日経平均が雲下限に迫る水準まで回復したと指摘しています。同社は、AI・半導体株が底堅い動きを保てば雲下限を上抜けて雲上限を試す展開もありうるとの見方を示しました。
為替は155円をはさんだ攻防が想定されています。 外為どっとコムは来週のドル円について153円台後半〜159円台前半のレンジを予想し、CPIやPPIが市場予想を上回ればドルが買い戻されて158〜159円台へ反発する可能性、弱ければ155円を明確に割り込んで円高・ドル安が進む可能性の両方に触れています。今週は週初の160円台から155円台まで大きく下落したあとの水準で、日米双方の金融政策観測が同時に動きやすい状態が続いています。
ひとこと解説
「メジャーSQ」とは何でしょうか。 SQは特別清算指数(Special Quotation)の略で、日経平均などを対象とする先物やオプションの取引を最終的に清算するために使う価格のことです。SQ算出日は毎月第2金曜日ですが、3月・6月・9月・12月は先物とオプションの両方の清算が重なるため、特に「メジャーSQ」と呼ばれます。清算に向けて建玉を解消したり、次の限月に乗り換えたり(ロールオーバー)する売買が集中しやすく、企業の業績とは関係のない要因で株価が動くことがあります。ニュースで「SQに絡んだ売買」という表現が出てきたら、こうした需給面の話をしていると考えると分かりやすくなります。
「CPI」と「PCE物価指数」の違いも押さえておくと便利です。 どちらも物価の動きを示す指標ですが、CPI(消費者物価指数)は労働省が家計の購入する品目の価格を調べて作るもので、発表が早く速報性があります。一方のPCE物価指数は商務省が作るもので、消費の中身の変化(たとえば牛肉が高くなったので鶏肉に切り替える、といった動き)を反映しやすい設計になっています。FRBが物価目標の判断に使うのはPCE物価指数のほうですが、CPIのほうが先に出るため、市場ではCPIが「PCEの先読み材料」として注目されます。来週11日のCPIが注目されるのは、この位置づけによるものです。
「総合」と「コア」の使い分けも覚えておきましょう。 総合(ヘッドライン)は調査対象すべての品目を含む数字で、コアは変動の大きい品目を除いたものです。米国のコアCPIは食品とエネルギーを除いて計算します。今回の予想では総合が前年比3.5%、コアが2.4%と1ポイント以上の差がありますが、これは主に原油価格の上昇が総合を押し上げているためと考えられます。金融政策の判断では、一時的な要因に左右されにくいコアのほうが重視される傾向があります。なお日本の「コアCPI」は生鮮食品のみを除いた数字を指し、米国とは定義が異なる点にも注意が必要です。
出典
- 来週(9/7〜9/11)の日経平均株価の予想レンジは、6万3500〜6万6500円!(ザイ・オンライン)
- 来週の相場で注目すべき3つのポイント:GDP改定値、メジャーSQ算出日、米CPI(財経新聞/フィスコ)
- 国内株式市場見通し:翌週の大型イベントを控えて様子見ムード強まりやすい(財経新聞/フィスコ)
- 米国株式市場見通し:9月利上げの有無を左右するCPIに関心が強まる(財経新聞/フィスコ)
- 国内外の注目経済指標:日米金融政策巡る思惑が為替を左右(財経新聞)
- 来週のドル円相場はどうなる?9/7週のイベント予定(外為どっとコム マネ育チャンネル)
- 【見通し】株式明日の戦略ー週間では4桁の下落、来週は重要イベントを先に控えて上値が重いか(外為どっとコム マネ育チャンネル)
- Week Ahead: 7 September 2026(IG)
- Stock Market Today (Sept. 4, 2026): S&P 500 edges lower after key jobs report(Yahoo Finance)
- Hot Jobs Report Hurts Stocks, Lifts Rate Hike Odds(Charles Schwab)
- CME FedWatch Provides A 66% Chance Fed Will Hike Rates In September(Forbes)
- JX金属など3銘柄を採用 日経平均株価、定期見直し(日本経済新聞)
- 2026年4〜6月期のGDP(2次速報)予測(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
- Oracle, Adobe Results In Focus As Earnings Season Winds Down(Seeking Alpha)