26日の東京株式市場で日経平均株価は前日比405円73銭(0.62%)高の6万6262円16銭と続伸し、TOPIXは17.35ポイント(0.42%)高の4111.02と5日続伸しました。朝方は人工知能(AI)・半導体関連への売りで下げ幅が450円を超える場面もありましたが、日銀の利上げ観測を背景に銀行など金融関連が買われ、下げていた値がさ株にも買い戻しが入って上昇に転じています。一方で東証プライムの売買代金は6兆7057億円と、約4カ月ぶりに7兆円を割り込みました。

26日の東京市場 終値 前日比
日経平均株価 66,262.16円 +405.73(+0.62%、続伸)
TOPIX 4,111.02 +17.35(+0.42%、5日続伸)
(参考)日経平均 前引け 66,227.55円 +371.12
日経225先物 2026年9月物(清算値) 66,410円 +470
東証プライムの売買動向(26日) 内容
売買代金 6兆7,057億円(約4カ月ぶりに7兆円割れ)
出来高 18億5,350万株
値上がり銘柄数 978
値下がり銘柄数 518
変わらず 60
業種別(東証33業種) 内容
上昇 18業種(証券・商品先物、サービス、保険、銀行、医薬品、非鉄金属、空運など)
下落 15業種(海運、石油・石炭製品など)
その他 水準
ドル円 159円前後でもみ合い

何があった?

この日の東京市場は、方向感が二度入れ替わる展開となりました。寄り付き後はキオクシアホールディングスをはじめとするAI・半導体関連に売りが先行し、日経平均の下げ幅は一時450円を超えました。米国時間26日に予定されるエヌビディアの決算発表を前に、決算をまたぐ持ち高を減らす動きが出たためとみられます。東京エレクトロンなど関連銘柄でも同様の調整売りが観測されました。

流れが変わったのは、金融関連への買いが入ってからです。日銀の利上げ観測を受けて、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループといったメガバンクやかんぽ生命保険などの金融株が買われました。業種別でも証券・商品先物取引業、保険業、銀行業が上昇上位に並んでいます。政策金利が上がると銀行の貸し出しと預金の利ざやが広がるとの見方から、金利上昇局面では金融セクターが物色されやすいという構図です。

さらに、前日まで下げが目立っていたアドバンテストやソフトバンクグループといった値がさ株に買い戻しが入り、指数を押し上げました。日経平均先物の売り建て玉を買い戻す動きも活発だったと伝えられています。午後2時すぎには前日比520円程度高い6万6380円付近まで水準を切り上げ、そのまま高値圏で取引を終えました。医薬品では第一三共の名前も挙がっています。

半面、海運や石油・石炭製品は下落しました。前日の米国市場でWTI原油が4%超下落した流れを引き継いだ形です。33業種のうち上昇は18業種、下落は15業種と、セクター間の明暗が分かれる一日でした。

注目ポイント

最も目を引いたのは商いの薄さです。東証プライムの売買代金は6兆7057億円と、4月21日以来約4カ月ぶりに7兆円を下回りました。25日も約7兆円と低調でしたが、この日はそれをさらに下回っています。値上がり銘柄が978と値下がり518の2倍近くに達し、指数も上昇したにもかかわらず売買代金が細ったのは、多くの参加者が様子見に回っていたことを示しています。

背景にあるのは、日本時間27日早朝に予定されるエヌビディアの5-7月期決算です。同社の業績はAI関連投資の実勢を測る指標として世界的に注目されており、結果次第で半導体株全体の値動きが大きく振れる可能性があります。株式新聞は「積極的な売買は限られた」と伝えており、決算内容を確認するまでポジションを動かしにくい状況が続いていたとみられます。

もう一つの論点が、日本経済新聞が見出しに掲げた「9月不安」です。企業業績を手がかりとした相場が続く一方で、9月は例年、需給や海外イベントの影響から相場が荒れやすいとの経験則が意識されやすい時期にあたります。市場では日銀の次回利上げ時期をめぐる見方が分かれており、9月・10月の金融政策決定会合が意識されていることも、金融株が買われた一因と考えられます。なお、ここで挙げた「9月不安」は市場で語られている観測であり、実際の値動きを保証するものではありません。

為替は1ドル=159円前後でのもみ合いが続き、この日の株価に対しては中立的な材料でした。日経225先物9月物の清算値は前営業日比470円高の6万6410円と、現物の終値をやや上回る水準で引けています。

ひとこと解説

売買代金は、その日に取引が成立した株式の「株数 × 株価」を合計した金額で、市場にどれだけお金が流れ込んだかを示す代表的な物差しです。株数を数えるだけの「出来高」と違い、値段の高い銘柄の取引が反映されるため、市場全体の活況度をつかみやすいという特徴があります。一般に代金が膨らんでいるときは多くの参加者が売買しており、値動きに裏付けがあると解釈されます。逆に今日のように代金が細っているときは、少ない資金でも指数が動きやすく、値動きの持続力を判断しにくいとされます。東証プライムでは10兆円前後が一つの目安として語られることが多く、7兆円割れは商いが乏しい部類に入ります。

**値がさ株(ねがさかぶ)**とは、1株あたりの株価が高い銘柄のことです。日経平均株価は構成銘柄の株価を単純に足し合わせて算出する「株価平均型」の指数のため、株価が高い銘柄ほど指数への影響力が大きくなります。アドバンテストやソフトバンクグループが「日経平均を押し上げた/押し下げた」としばしば報じられるのはこのためです。一方TOPIXは時価総額をもとに計算されるため、値がさ株の影響は相対的に小さくなります。同じ日に日経平均とTOPIXの騰落率が食い違うことがあるのは、この計算方法の違いが理由の一つです。

出典