25日夜の米国市場は、時間外取引で主要3指数の先物が小幅高で推移しています。市場の関心は26日の取引終了後に予定されるエヌビディアの決算に集中しており、同社株は24日まで7営業日続落と2022年以来の長さになりました。この日発表されたドイツの8月Ifo景況感指数は予想を上回る88.8で、欧州側からは明るい数字が届いています。今夜は日本時間23時に米国の消費者信頼感指数と7月新築住宅販売件数が発表されます。
| 米株価指数先物(日本時間25日夜、米東部時間25日朝) | 水準 | 前日比 |
|---|---|---|
| S&P500種先物 | 7,704.00 | +34.25(+0.45%) |
| ダウ工業株30種平均先物 | 53,756.00 | +267.00(+0.50%) |
| ナスダック100先物 | 29,373.00 | +267.25(+0.92%) |
| ラッセル2000先物 | 3,021.70 | +20.10(+0.67%) |
※先物の上げ幅はこの日の時間外取引を通じて変動しており、別の時点ではダウ先物がほぼ横ばい、S&P500種先物が0.1%高、ナスダック100先物が0.4%高と伝えられる場面もありました。
| 商品・その他(日本時間25日夜) | 水準 | 前日比 |
|---|---|---|
| 北海ブレント原油 | 92.44ドル | +0.3% |
| WTI原油 | 85.38ドル | +0.4% |
| 金(先物) | 4,690.10ドル | -0.16% |
| VIX指数 | 15.78 | -0.44% |
| ビットコイン | 78,868.08ドル | -0.34% |
| 今夜の主な米経済指標(日本時間) | 予想 | 前回 |
|---|---|---|
| 22時 6月S&Pケース・シラー住宅価格指数(20都市) | — | — |
| 23時 8月リッチモンド連銀製造業指数 | 7 | 5 |
| 23時 7月新築住宅販売件数 | 62.0万件 | 62.0万件 |
| 23時 8月消費者信頼感指数(コンファレンスボード) | 90.3 | 90.8 |
| 発表済みの欧州指標(25日) | 結果 | 予想 | 前回 |
|---|---|---|---|
| ドイツ8月Ifo景況感指数 | 88.8 | 87.2 | 86.6 |
| 同 現況指数 | 88.5 | 87.0 | 86.5 |
| 同 期待指数 | 89.1 | 87.5 | 86.7 |
| 今週この先の主な日程(日本時間) | 内容 |
|---|---|
| 26日 21時30分 | 米7月PCEデフレーター、4-6月期GDP(確定値) |
| 27日 早朝 | エヌビディア決算(米東部時間26日の取引終了後) |
| 27〜29日 | ジャクソンホール会議(テーマ「金融イノベーション:決済と政策への含意」) |
| 28日 23時 | ウォーシュFRB議長の基調講演(米東部時間28日午前10時) |
何があった?
エヌビディアの続落が7営業日に達し、2022年以来の長さになりました — Yahoo Financeによれば、この7営業日での下落率は約7%で、同じ期間のS&P500種の1.2%安を大きく下回っています。決算発表は米東部時間26日の取引終了後、日本時間では27日の早朝です。会社側が5月に示した5-7月期(2027年2月期第2四半期)の売上高見通しは910億ドル±2%で、レンジにすると891.8億〜928.2億ドルになります。直前の四半期である2-4月期の実績は816億ドルで、前四半期比20%増・前年同期比85%増でした。会社見通しが示された時点でのLSEG集計のアナリスト予想平均は868.4億ドルでしたので、会社側の見通しはそれを上回る水準です。なお会社側は、この見通しに中国向けデータセンター向けコンピューティング収入を一切織り込んでいないと明記しています。
株価を重くしているのは、決算そのものよりコストの話です — 22日にブルームバーグなどが報じた、エヌビディアがAIサーバー搭載システムの価格を15%超引き上げると主要顧客に通知したという内容は、HBMを含む高性能メモリーの逼迫を背景にしています。値上げは売り手にとって収入面の押し上げ要因になり得ますが、同時に「そもそも仕入れコストが上がっている」という事実を市場に知らせる材料でもあります。24日の米国市場でマイクロン・テクノロジーが5.87%安、シーゲイト・テクノロジーが6.51%安と、メモリー・ストレージ関連がそろって売られたのは、この文脈で受け止められています。
ソフトウエア株と半導体株の差が、記録的な水準まで開いています — Yahoo Financeは、均等加重のソフトウエアETF(XSW)が6月下旬以降およそ24%上昇した一方、均等加重の半導体ETF(XSD)がおよそ24%下落し、両者の差が50ポイント近くに達したと伝えました。ETFのデータが遡れる2011年以降で、ソフトウエアが半導体をこれほど上回った局面はないとしています。「AI関連」とひとくくりにされる銘柄群の中でも、資金の向かう先がはっきり分かれていることを示す数字です。
小売のディックス・スポーティング・グッズが通期見通しを引き下げ、時間外で急落しました — 同社が25日に発表した5-7月期の1株利益は3.53ドル、売上高は55.9億ドルで、市場予想の3.76ドル・56.5億ドルをいずれも下回りました。通期の1株利益見通しは従来の13.27〜14.27ドルから10.94〜11.94ドルへ、通期の売上高見通しは221億〜224億ドルから219億〜222億ドルへ引き下げられています。買収したフットロッカー事業の既存店売上高が3.6%減となったことが響きました。一方、本体のディックス業態の既存店売上高は4.9%増で、同社は2026年のFIFAワールドカップ関連が好調だったとしています。株価は寄り付き前の取引で14〜15%程度下げました。
欧州からは、予想を上回る景況感の数字が届いています — ドイツのIfo経済研究所が25日に発表した8月の企業景況感指数は88.8で、市場予想の87.2と7月の86.6をともに上回りました。現況指数は86.5から88.5へ、期待指数は86.7から89.1へと、両方の内訳がそろって改善しています。
原油はイラン制裁の発表後も落ち着いた動きです — ブレント原油は1バレル92.44ドル(0.3%高)、WTI原油は85.38ドル(0.4%高)で推移しました。Yahoo Financeは、24日にベッセント米財務長官が発表した対イラン制裁について、市場参加者が「相場を動かすというより限定的」と受け止めていると伝えています。
注目ポイント
今夜の指標で最も注目度が高いのは、23時の消費者信頼感指数です。 コンファレンスボードが発表する8月分の市場予想は90.3で、前回の90.8をわずかに下回る水準です。関税の引き上げが相次いだ局面で、家計のマインドがどう反応しているかを測る材料になります。同じ23時には7月の新築住宅販売件数(予想62.0万件、前回62.0万件)とリッチモンド連銀製造業指数(予想7、前回5)も発表されるため、3つの数字が同時に出る形になります。
エヌビディアの決算は、数字そのものより「会社見通しとの距離」で受け止められる可能性があります。 会社側が示した910億ドル±2%という見通しに対し、市場の予想平均はこれをやや上回る水準に集まっていると伝えられています。つまり市場は、会社見通しの上限寄りの着地をあらかじめ想定していることになります。実績が会社見通しを上回っても、市場予想に届かなければ株価が下がることはあり得ますし、その逆もあります。
中国向けの扱いは、今回も見通しの読み方を左右します。 会社側は5-7月期の見通しに中国向けデータセンター向けコンピューティング収入を織り込んでいないと明記していました。実績にどの程度含まれるか、そして次の四半期の見通しでどう扱われるかは、単純な増減率とは別に確認したい部分です。
ジャクソンホール会議は、テーマ自体が例年と少し毛色が違います。 今年のテーマは「Financial Innovation: Implications for Payments and Policy(金融イノベーション:決済と政策への含意)」で、70を超える国から120人程度の中央銀行関係者・エコノミスト・当局者が集まるとされています。28日のウォーシュFRB議長の基調講演は、同氏がFRB議長として臨む初めてのジャクソンホールにあたります。
26日のPCEデフレーターと決算が同じ日に重なる点も、今週の日程の特徴です。 日本時間26日21時30分に7月のPCEデフレーターと4-6月期GDP確定値が発表され、その約5時間半後にエヌビディアの決算が出ます。物価統計と個別企業の決算という性質の異なる材料が短い間隔で並ぶため、一方の反応がもう一方で打ち消される展開もあり得ます。
東京市場から見ると、今夜の米半導体株の動きが明日の朝の出発点になります。 25日の東京市場では、日経平均が朝方に918円安まで下げたあと328円34銭高の6万5856円43銭で引け、3営業日ぶりに反発しました。この下げの発端は24日の米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の2.70%安でしたので、今夜の半導体株の反応は明日の東京市場に直接つながる材料といえます。
ひとこと解説
エヌビディアの決算を前に、「会社の見通しが910億ドル、市場予想は約920億ドル」という言い方をよく目にします。この二つは似ているようで、性質がまったく違う数字です。今回は、決算をめぐって出てくるガイダンスとコンセンサスという言葉を整理します。
**ガイダンス(業績見通し)**は、企業自身が「次の四半期はこのくらいになりそうだ」と公表する数字です。エヌビディアが5月に示した「売上高910億ドル±2%」がこれにあたります。作っているのは会社の中の人ですから、受注状況や生産計画といった外部からは見えない情報が反映されています。一方で、会社には見通しを保守的に置く動機もあります。後で下方修正するより、控えめに出して上回るほうが説明しやすいためです。ガイダンスは「最も情報を持っている人の見立て」であると同時に、「その人の立場が反映された数字」でもあります。
**コンセンサス(市場予想)**は、証券会社などのアナリストが個別に出した予想を集計した平均値です。今回のエヌビディアで言えば、会社見通しが示された時点でのLSEG集計の予想平均は868.4億ドルでしたが、その後アナリストが予想を引き上げ、直近では920億ドル前後に集まっていると伝えられています。コンセンサスは会社のガイダンスを見てから更新されるため、ガイダンス発表後のコンセンサスは、ガイダンスに引きずられて動くという性質があります。この二つを独立した意見のように並べるのは、正確ではありません。
ここから、決算発表でよく起きる「予想を上回ったのに株価が下がる」現象の説明がつきます。株価は、決算が出る前の時点ですでに何らかの数字を前提にして形成されています。これを「織り込み」と呼びます。織り込まれている水準は、公表されているコンセンサスと一致するとは限りません。市場参加者の間では、コンセンサスよりさらに強気の「ささやき予想」が共有されていることもあります。決算がコンセンサスを上回っても、この暗黙の期待に届かなければ、失望として受け止められます。
もう一つ重要なのは、発表される決算は過ぎた期間の話であり、株価が反応するのは次の期間の話だという点です。エヌビディアの26日の発表で言えば、5-7月期の実績と同時に、8-10月期の新しいガイダンスが示されます。多くの場合、株価の反応をより大きく左右するのは後者です。実績が良くても次のガイダンスが慎重なら株価は下がりますし、実績が今ひとつでも次の見通しが強ければ上がることがあります。決算発表を「答え合わせ」ではなく「次の見通しの発表」として見ると、反応の方向が理解しやすくなります。
25日に決算を発表したディックス・スポーティング・グッズは、この構図がはっきり出た例です。5-7月期の1株利益3.53ドルは市場予想の3.76ドルを下回りましたが、株価が14%以上下げた主因は、通期の1株利益見通しを13.27〜14.27ドルから10.94〜11.94ドルへ引き下げたことにあると受け止められています。四半期の未達幅は0.23ドルですが、通期見通しの引き下げ幅は中央値で2.33ドルと、ちょうど10倍の開きがあります。投資家が見ているのは過去の1四半期ではなく、そこから読み取れる先行きだということが、数字の大きさの違いに表れています。
最後に、ガイダンスの読み方でもう一段細かい点を挙げておきます。ガイダンスには、エヌビディアのように「±2%」というレンジが付くことが多く、この幅の広さ自体が情報になります。幅が広ければ会社側も先行きを絞り込めていないということですし、狭ければ確度が高いという見方ができます。またエヌビディアは、売上高だけでなく粗利益率の見通し(GAAPベース74.9%、非GAAPベース75.0%、いずれも±50ベーシスポイント)も同時に示しています。売上高が伸びていても粗利益率の見通しが下がっていれば、コストの上昇が価格に転嫁しきれていないと読むことができます。複数の項目を並べて見ることで、単一の数字では分からない事情が見えてくるわけです。
出典
- Stock market today: Dow, S&P 500, Nasdaq futures gain in countdown to Nvidia earnings, Fed Jackson Hole summit(Yahoo Finance)
- Stock Market Today (Aug. 25, 2026): S&P 500 futures climb ahead of Nvidia earnings, Fed symposium(TheStreet)
- Stock futures edge higher as Nvidia results, inflation data loom(Seeking Alpha)
- NVIDIA Announces Financial Results for First Quarter Fiscal 2027(NVIDIA Newsroom)
- NVIDIA Announces Financial Results for First Quarter Fiscal 2027(米SEC EDGAR)
- Nvidia (NVDA) Q1 2027 earnings report: Live updates(CNBC)
- Nvidia Guided to $91 Billion. Wall Street Penciled In $92 Billion.(Yahoo Finance)
- Nvidia customers notified about AI-related price hikes above 15%(Fortune)
- Dick's Sporting Goods (DKS) earnings Q2 2026(CNBC)
- Dick's Sporting Goods Q2 2026 earnings miss, cuts full-year outlook(Quartz)
- DICK'S Sporting Goods Q2 EPS Falls 26%, Lowers 2026 Outlook(StockTitan)
- ifo Business Climate Index for Germany August 2026(ifo Institute)
- Germany August Ifo business climate index 88.8 vs 87.2 expected(InvestingLive)
- Jackson Hole 2026: Dates, Schedule, and Warsh's First Speech as Fed Chair (August 27-29)(Regards of Wallstreet)
- Jackson Hole 2026: Warsh's First Fed Speech & Market Impact Guide(XTB)
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- 東証大引け 日経平均は3日ぶり反発 押し目買い、売買代金は4カ月ぶり低水準(日本経済新聞)
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