24日の米国市場は、ダウ工業株30種平均が140ドル15セント高の5万3417ドル16セントと続伸する一方、S&P500種は0.28%安、ナスダック総合は0.76%安と下落しました。ベッセント米財務長官による対イラン制裁の発表とトランプ大統領の対カナダ50%関税表明が重なり、資金がディフェンシブ株と金に向かう一方、半導体株が売られる「まだら模様」の展開です。日経225先物(9月限)の夜間取引は80円安の6万5360円で終えています。今日の東京市場は国内材料に乏しく、日本時間23時に集中する米住宅・消費関連指標が次の手がかりになります。

24日の米国市場 終値 前日比
ダウ工業株30種平均 53,417.16ドル +140.15(+0.26%)
S&P500種株価指数 7,652.86 -21.51(-0.28%)
ナスダック総合指数 25,980.19 -200.26(-0.76%)
VIX指数 15.85 +4.76%
その他の指標(24日) 水準 備考
米10年債利回り 4.70% 前週末から低下
金(現物) 4,650.64ドル +0.76%、約3カ月ぶりの高値圏
NY原油(WTI) 85ドル台 約2%下落
ドル円 159円15銭 +0.11%
ユーロドル 1.17ドル ほぼ横ばい
24日の主な個別株の動き 騰落率
エクスペディア・グループ +5.44%
ビザ +3.06%
ウォルマート +2.69%
ウォルト・ディズニー +2.63%
IBM -1.97%
キャタピラー -2.04%
エヌビディア -2.91%(7営業日続落)
テスラ -3.8%
マイクロン・テクノロジー -5.87%
シーゲイト・テクノロジー -6.51%
市場の中身(24日) 上昇 下落
ニューヨーク証券取引所 1,303銘柄 1,408銘柄
ナスダック市場 1,385銘柄 2,026銘柄
今日の東京市場 内容
日経平均 前営業日終値(8/24) 65,528.09円(-488.27円、-0.74%)
TOPIX 前営業日終値(8/24) 4,073.29(+6.00、+0.15%)
日経225先物(9月限)夜間取引終値 65,360円(前日比-80円、-0.12%、6時時点)
14時00分 6月の景気動向指数(確報値、先行指数の予想116.4、一致指数の予想118.2)
今夜の主な経済指標(日本時間) 予想 前回
17時 ドイツ8月Ifo景況感指数 87.1 86.6
22時 米6月住宅価格指数(前月比) +0.2% +0.3%
22時 米6月S&Pケース・シラー住宅価格指数(20都市、前年比) +1.80% +1.63%
23時 米8月リッチモンド連銀製造業指数 7 5
23時 米7月新築住宅販売件数 62.0万件 62.8万件
23時 米8月消費者信頼感指数(コンファレンスボード) 90.3 90.8

何があった?

24日の米国市場を動かしたのは、二つの政策ニュースでした。

一つ目は、ベッセント米財務長官が発表した対イラン制裁「Operation Economic Outcast(経済的追放作戦)」です。世界60超の対象への制裁に加え、デジタル資産・技術・金・航空・海運の5分野で二次制裁を拡大する内容で、イランと取引を続ける第三国の企業も米国の金融システムから締め出される可能性が示されました。

二つ目は、トランプ大統領による対カナダ関税の引き上げ表明です。21日に交渉が決裂したことを受け、自動車・トラック・自動車部品・鉄鋼への関税を2027年1月1日から50%に引き上げるとSNSに投稿しました。ゼネラル・モーターズやフォードといった自動車株の重荷となっています。

半導体株の下げには別の事情も重なりました。ブルームバーグなどは22日、エヌビディアがAIサーバー搭載システムの価格を15%超引き上げると主要顧客に通知したと報じています。背景にあるのはHBMを含む高性能DRAMの逼迫で、コストを吸収しきれなくなった構図です。24日はマイクロン・テクノロジーが5.87%安、シーゲイト・テクノロジーが6.51%安となり、エヌビディア自身も26日の決算発表を前に7営業日続落しました。

一方で買われたのは、ビザ、ウォルマート、ウォルト・ディズニーといった内需・ディフェンシブ色の強い銘柄です。米10年債利回りが4.70%へ低下し、金価格が約3カ月ぶりの高値圏に上昇したことも、投資家がリスクを取りにくくなっていることを示しています。ダウが上昇しながらナスダックが下げたのは、この資金の移動を映したものといえます。

注目ポイント

今日の東京市場には、国内の大きな材料が見当たりません。14時発表の6月景気動向指数は確報値で、速報値から大きく変わらなければ相場への影響は限られます。前日の東京市場では日経平均が488円安と続落する一方でTOPIXは3日続伸しており、指数の方向と中身のズレが続いている点は引き続き意識されそうです。

海外に目を向けると、日本時間23時に米国の新築住宅販売件数と消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業指数が同時に発表されます。消費者信頼感指数の市場予想は90.3と前回の90.8をわずかに下回る水準で、関税の引き上げが家計のマインドにどう影響しているかを測る材料になります。

今週はこの先も日程が詰まっています。26日には米7月のPCEデフレーターとエヌビディアの決算が控え、27〜29日にはジャクソンホール会議、28日にはウォーシュFRB議長の基調講演が予定されています。24日のように様子見の売買が続きやすい局面といえます。

ひとこと解説

ディフェンシブ株とは、生活必需品や医薬品、公益事業のように、景気が悪くなっても需要が大きくは減りにくい業種の株式を指します。逆に、景気や設備投資の増減に業績が大きく左右される業種は「景気敏感株」と呼ばれます。先行きが読みにくいと感じられる局面では、相対的に業績のブレが小さいディフェンシブ株に資金が向かいやすいとされます。24日のようにダウが上がってナスダックが下がる日は、市場全体が売られたというより、投資家の関心が別の場所に移った可能性を疑ってみると理解しやすくなります。

**二次制裁(セカンダリー・サンクション)**は、制裁対象国そのものではなく、その国と取引を続ける第三国の企業や金融機関に制裁を科す仕組みです。適用範囲が国境を越えて広がるため、直接の当事者でない企業の事業計画にも影響が及ぶことがあります。

出典