25日の東京株式市場は、日経平均株価が朝方に前日比918円安まで売られたあと切り返し、終値は328円34銭(0.50%)高の6万5856円43銭と3営業日ぶりに反発しました。TOPIXも20.38ポイント(0.50%)高の4093.67と4日続伸しています。前日の米半導体株安を受けて始まった下げが前引けにかけて消えるという、一日のなかで方向が入れ替わる展開でした。

25日の東京市場 終値 前日比
日経平均株価 65,856.43円 +328.34(+0.50%)
同 始値 65,195.26円 -332.83
同 高値(15時24分) 65,904.24円 +376.15
同 安値(9時17分) 64,609.47円 -918.62
TOPIX 4,093.67 +20.38(+0.50%)
同 始値/高値/安値 4,073.89/4,096.05/4,060.97 高値は12時34分、安値は9時20分
プライム市場の中身 内容
売買代金 約7兆99億円(4月21日以来、約4カ月ぶりの低水準)
出来高 約19億118万株
値上がり/値下がり/変わらず 846銘柄/647銘柄/63銘柄
日経平均採用225銘柄の内訳 値上がり139/値下がり82
目立った個別銘柄(25日) 終値 前日比
古河電気工業 4,000円 +375(+10.34%)
イビデン 19,980円 +1,185(+6.30%)
フジクラ 5,292円 +276(+5.50%)
ソフトバンクグループ 5,087円 +112(+2.25%)
住友電気工業 2,199.5円 +48.0(+2.23%)
三菱UFJフィナンシャル・グループ 3,529円 +48(+1.38%)
キオクシアホールディングス 51,260円 +330(+0.65%)
アドバンテスト 34,450円 -50(-0.14%)
ファーストリテイリング 72,530円 -310(-0.43%)
ディスコ 60,700円 -720(-1.17%)
金利・為替・海外(25日) 水準 備考
新発10年物国債利回り 2.890% 15時05分時点
米10年債利回り 4.702% 16時11分時点
ドル円 159円35銭 16時26分時点
韓国KOSPI 6,742.74 +45.78(+0.68%)。寄り付きは2.40%安
SOX指数(24日終値) 11,423.169 -317.205(-2.70%)

何があった?

寄り付きから9時17分までの17分間で、下げ幅が918円まで広がった — 日経平均の始値は332円83銭安の6万5195円26銭でした。そこからさらに水準を切り下げ、9時17分に安値6万4609円47銭を付けています。前日終値からの下げ幅は918円62銭で、日本経済新聞によれば6万5000円を下回るのは8月7日以来でした。前日24日の米国市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2.70%安の1万1423.169と大きく下げ、日本経済新聞によれば一時4.0%安まで沈む場面もあったことが、東京市場の半導体関連に波及した形です。

前引けにかけて上昇に転じ、後場は高値圏を保った — 日本経済新聞は、売られすぎた銘柄に持ち高整理の買いが入り、前引けにかけて上昇に転じたと伝えています。TOPIXの高値は12時34分、日経平均の高値は大引け直前の15時24分でした。日経平均の高値6万5904円24銭と安値6万4609円47銭の差は1294円77銭で、終値ベースの騰落幅328円34銭の約4倍にあたります。終値だけを見れば0.50%高の静かな一日ですが、日中の振れ幅はそれなりに大きな一日でした。

アジア市場の切り返しが、東京市場の追い風になった — 韓国のKOSPIは25日、前日比2.40%安の6535.93で寄り付きましたが、終値は45.78ポイント(0.68%)高の6742.74と上昇に転じました。日本経済新聞は、ハイテク株比率の高い韓国と台湾の指数が午後に上昇へ転じたことが投資家心理を支えたと伝えています。東京市場と同じく、朝の半導体安から日中に持ち直すという形が地域全体で共通していました。日本経済新聞はこのほか、米国とイランの和平交渉が進展したとの報道も投資家心理を支えたとしています。

買い戻しは電線株と金融株に集中した — 上昇が目立ったのは電線株で、古河電気工業が10.34%高の4000円、フジクラが5.50%高の5292円、住友電気工業が2.23%高の2199円50銭となりました。日本経済新聞は電線株について「売られすぎ」との声を伝えています。金融株も東京海上ホールディングス、三菱UFJフィナンシャル・グループ、野村ホールディングスが買われ、三菱UFJは1.38%高の3529円でした。半導体関連でもイビデンが6.30%高の1万9980円と大きく上昇しています。

一方で、朝安の主役だった一部の半導体関連は戻り切らなかった — アドバンテストは0.14%安の3万4450円、ディスコは1.17%安の6万700円と、いずれもマイナスで終えています。ファーストリテイリングも0.43%安の7万2530円でした。日本経済新聞によれば、このほか横浜ゴムや住友金属鉱山も下げています。指数が反発した日でも、下げの発端になった銘柄群がそのまま戻るとは限らないことが分かります。

自動車株は関税の材料を引きずった — 日本経済新聞は、トランプ米大統領がカナダ産自動車への追加関税を表明したことを受け、ホンダやトヨタ自動車など自動車株が軟調だったと伝えています。この関税表明は24日の米国市場でも材料視されており、東京市場では日をまたいで影響が残った形です。

売買代金は4カ月ぶりの低水準まで細った — プライム市場の売買代金は概算で約7兆99億円で、日本経済新聞によれば4月21日以来の低水準でした。前日24日の約7兆636億円からさらに0.8%程度減っています。日本経済新聞は、プライム市場の売買代金が4営業日連続で10兆円を下回っており、反転材料待ちの「夏枯れ」の様相だと伝えました。

注目ポイント

  • 日経平均とTOPIXの騰落率が、そろって0.50%高で並びました。 前日24日は日経平均が0.74%安、TOPIXが0.15%高と方向自体が食い違っていましたので、対照的な一日です。TOPIXはこれで4日続伸となり、日経平均が3日ぶりの反発でようやく追いついた形になります。プライム市場の値上がり846銘柄・値下がり647銘柄という内訳も、指数の上昇と同じ方向を向いていました。

  • 戻りの大きさは、直前の下げの大きさと関係していました。 古河電気工業はこの日10.34%高となりましたが、ヤフーファイナンスによれば年初来高値は5月27日の6241円で、25日終値の4000円はそこから36%ほど低い位置にあります。日本経済新聞が電線株に「売られすぎ」との声があると伝えたのは、こうした調整の深さが背景にあります。ただし、下げが大きかったから戻ったという説明は事後的なものであり、どこまで下げれば戻るのかを事前に決める基準があるわけではありません。

  • 金利は前日からやや上昇した水準で落ち着いていました。 日本経済新聞のマーケットデータによると、新発10年物国債の利回りは25日15時05分時点で2.890%でした。前日24日15時13分時点の2.880%から0.010ポイントの上昇です。米10年債利回りは25日16時11分時点で4.702%と、前日の同時間帯(4.7061%)とほぼ同水準にとどまっています。日本経済新聞は、長期金利が落ち着いたことも午後の切り返しの背景として挙げました。

  • ドル円は前日より円安方向に振れました。 25日16時26分時点で159円35銭です。24日の東京市場では158円71銭〜159円00銭のレンジで推移していましたので、そこから円安が進んだ計算になります。円安は輸出関連企業の採算面では追い風とされますが、この日の自動車株は関税報道の影響で軟調でした。為替だけで株価の方向が決まるわけではないことが表れています。

  • 今週の主要イベントは、依然として明日以降に集中しています。 26日に米7月のPCEデフレーターと米エヌビディアの決算、27日から29日にジャクソンホール会議、28日にウォーシュFRB議長の基調講演が控えます。売買代金が4営業日連続で10兆円を下回っているのは、これらの結果を確認してから動きたいという参加者が多いことの表れと見られています。

  • SOX指数の位置も押さえておきたいところです。 24日終値の1万1423.169は、日本経済新聞のマーケットデータによると年初来高値である6月22日の1万4634.722から約22%低い水準です。年初来安値は3月30日の7142.334でした。東京市場のAI・半導体関連が朝方に大きく売られる展開が続いている背景には、米国の半導体株指数がこうした調整局面にあることがあります。

ひとこと解説

25日の日経平均は、終値だけを見れば「328円高」の一日です。しかし実際には、朝に918円安まで下げてから1294円ほど戻しています。同じ一日でも、終値だけを見るのと、日中の値動きまで見るのとでは、まったく違う景色になるという典型例でした。今回は、この「一日の値動きをどう記録するか」という話を整理します。

株価の記録には、**四本値(よんほんね)**と呼ばれる4つの数字が使われます。**始値(はじめね)**はその日の最初に成立した価格、**高値(たかね)**は最も高い価格、**安値(やすね)は最も安い価格、そして終値(おわりね)**は最後に成立した価格です。25日の日経平均で言えば、始値6万5195円26銭、高値6万5904円24銭、安値6万4609円47銭、終値6万5856円43銭。ニュースで報じられるのはほぼ終値ですが、四本値をそろえて見ると、その日に何が起きたのかが具体的に見えてきます。

まず始値と終値の関係です。25日は始値が6万5195円26銭、終値が6万5856円43銭でしたので、寄り付きより661円ほど高く終わったことになります。市場が開いた瞬間の水準は、前夜の海外市場や為替の動きを反映して決まることが多く、いわば「昨日までの情報の答え合わせ」です。そこから終値までの動きが、その日の日本時間中に投資家がどう判断したかを表します。25日は「海外要因を受けた下げ」を「日中の買い」が上回った、という読み方ができます。

次に高値・安値の幅です。この日の値幅は1294円77銭で、終値の騰落幅328円34銭の約4倍にあたります。値幅が終値の変化より大きい日は、日中に売りと買いが激しく入れ替わったことを意味します。逆に、値幅が小さく終値の変化も小さい日は、参加者が動かなかった静かな一日です。「上がったか下がったか」だけでなく「どれだけ揺れたか」も相場の情報であり、値幅はそれを最も簡単に表す指標です。

四本値を図にしたものがローソク足です。始値より終値が高い日を陽線(通常は白または赤)、低い日を陰線(黒または青)として胴体で示し、高値と安値までを細い線(ヒゲ)で表します。25日の日経平均は始値より終値が高いので陽線で、安値が始値をかなり下回っていたため下側に長いヒゲが伸びる形になります。この「下ヒゲの長い陽線」は、いったん大きく売られたあと買い戻された日を表す形として知られています。

ここで注意したいのは、ローソク足の形そのものに予測力があるわけではないということです。「下ヒゲが長いから反転のサイン」といった解説を目にすることがありますが、それは過去の値動きを分類した経験則であって、次の日の値動きを保証するものではありません。四本値やローソク足の本来の役割は、その日に何が起きたかを圧縮して記録することです。予測の道具ではなく、記録の道具だと考えるのが安全です。

もう一つ、四本値の見方には注意点があります。高値や安値が「いつ」付いたかは、四本値そのものには含まれないという点です。25日の日経平均は安値が9時17分、高値が15時24分でした。つまり朝に売られて引けにかけて戻ったわけですが、仮に高値が寄り付き直後、安値が大引け直前だったとしても、四本値の数字だけなら同じ組み合わせが起こり得ます。時間の情報を補うには、日中足のチャートを見るか、この記事のように時刻を併記した記録にあたる必要があります。

最後に、四本値を実務でどう使うかについて。前日終値と当日始値の差は**窓(ギャップ)**と呼ばれ、海外市場の影響を受けた度合いを見る手がかりになります。25日は332円83銭の下窓でした。また、値幅を数日分並べると相場が荒れているのか落ち着いているのかが分かります。24日の値幅は786円78銭、25日は1294円77銭でしたので、2日連続で商いが細っているにもかかわらず、値幅は前日より広がったことになります。売買代金と値幅を並べて見ると、参加者の少なさが値動きの荒さにつながりやすいという関係も確認しやすくなります。

出典