24日の東京株式市場は、日経平均株価が前週末比488円27銭(0.74%)安の6万5528円9銭と続落しました。一方でTOPIXは6.00ポイント(0.15%)高の4073.29と3日続伸し、プライム市場の値上がり銘柄数は843と値下がりの662を上回っています。指数と中身の方向が食い違う展開は、前週末21日に続いて2営業日連続となりました。

24日の東京市場 終値 前日比
日経平均株価 65,528.09円 -488.27(-0.74%)
同 始値 65,978.95円 -37.41
同 高値/安値 66,257.73円/65,470.95円 高値は+241.37円、安値は-545.41円
TOPIX 4,073.29 +6.00(+0.15%)
同 始値/高値/安値 4,074.83/4,083.44/4,064.90
JPXプライム150指数 1,700.69 +4.18(+0.25%)
プライム市場の中身 内容
売買代金 約7兆636億円(4月以来の低水準)
出来高 18億8,200万株
値上がり/値下がり/変わらず 843銘柄/662銘柄/51銘柄
業種別(33業種) 20業種が上昇
上昇が目立った業種 サービス、建設、その他製品、卸売
下落が目立った業種 鉱業、情報・通信、保険

※騰落銘柄数は日本経済新聞の集計です。株探の集計では値上がり841、値下がり658、変わらず51と、わずかに数字が異なります。

目立った個別銘柄(24日) 終値 前日比
アドバンテスト 34,500円 -1,400(-3.90%)
ソフトバンクグループ 4,975円 -280(-5.33%)
キオクシアホールディングス 50,930円 -3,390(-6.24%)
フジクラ 5,016円 -264(-5.00%)
東京エレクトロン 55,150円 +860(+1.58%)
リクルートホールディングス 16,515円 +615(+3.87%)
日経平均への寄与度(24日) 寄与
アドバンテスト -337.90円
ソフトバンクグループ -225.27円
キオクシアホールディングス -79.55円
ファーストリテイリング -53.90円
フジクラ -53.10円
東京エレクトロン +86.49円
リクルートホールディングス +61.85円
豊田通商 +13.78円
日立建機 +12.10円
住友金属鉱山 +11.98円
金利・為替(24日) 水準 備考
新発10年物国債利回り 2.880% 前日比+0.005(15時13分時点)
米10年債利回り 4.7061% 前日比-0.0273(16時13分時点)
ドル円 158円71銭〜159円00銭 東京市場午前のレンジ

何があった?

寄り付き後にいったんプラスへ浮上したが、続かなかった — 日経平均の始値は37円41銭安の6万5978円95銭でした。財経新聞が伝えたフィスコの記事によると、寄り付き後は前週末終値近辺での推移となり、日経平均が40円高となる場面もありました。この時点でTOPIXは7.54ポイント高と、すでにプラス圏です。日経平均はその後、高値6万6257円73銭(前日比プラス241円37銭)まで上昇しましたが、午前の終値は47円安の6万5968円と再びマイナスに沈みました。下げ幅が広がったのは後場で、安値は6万5470円95銭(同マイナス545円41銭)。終値は安値からやや戻した6万5528円9銭でした。日本経済新聞は、押し目待ちの買いで上昇する場面もあったが続かなかった、と伝えています。

下げの中身は、ごく少数の銘柄に集中していた — 日経平均の下げ幅は488円27銭でしたが、マイナス寄与の上位2銘柄を見ると、アドバンテストが337円90銭、ソフトバンクグループが225円27銭で、合計563円17銭です。この2銘柄の押し下げ分だけで、この日の下げ幅を上回っている計算になります。マイナス寄与の上位5銘柄まで広げると合計749円72銭に達する一方、プラス寄与の上位5銘柄は東京エレクトロンの86円49銭を筆頭に合計186円20銭でした。値上がり銘柄数が843と値下がりの662を上回り、33業種のうち20業種が上昇していたことと合わせると、市場全体が売られたというより、指数を大きく動かす一部の銘柄が下げた一日だったことが分かります。

AI・半導体関連の中でも方向が分かれた — 日本経済新聞は、日米の長期金利上昇を背景に、業績に対して株価水準が高いAI・半導体関連株が売られたと伝えました。実際にアドバンテストは3.90%安の3万4500円、キオクシアホールディングスは6.24%安の5万930円、フジクラは5.00%安の5016円と、いずれも大きく下げています。ただし同じ半導体製造装置でも東京エレクトロンは1.58%高の5万5150円と上昇し、日経平均へのプラス寄与では首位でした。半導体関連が一律に売られたわけではなく、銘柄によって値動きが割れています。日本経済新聞によれば、日立建機やコマツ、ソニーグループも買われました。

日本の長期金利は上昇、米金利は夕方時点で前日を下回った — 日本経済新聞のマーケットデータによると、新発10年物国債の利回りは24日15時13分時点で2.880%と、前日比0.005ポイントの上昇でした。トレーディング・エコノミクスも同日の水準を約2.88%と伝えています。一方の米10年債利回りは、同16時13分時点で4.7061%と前日比0.0273ポイント低い水準にありました。東京市場の取引時間中は金利上昇が意識される場面がありましたが、夕方にかけては米金利が前日終値を下回る位置に戻っています。株安の説明としてよく使われる「金利上昇」も、どの時点を切り取るかで見え方が変わる点は押さえておきたいところです。

売買代金は4月以来の低水準にとどまった — プライム市場の売買代金は約7兆636億円と、日本経済新聞によれば4月以来の低さでした。出来高は18億8200万株です。前週末21日の売買代金7兆9134億3200万円、出来高22億859万株と比べると、代金で約1割、株数で約15%減った計算になります。週の後半に米エヌビディアの決算やジャクソンホール会議といった大きな材料を控えており、そこまで動きにくい日程であることが背景にあります。

為替は先週末のニューヨーク終値より円高方向で推移した — フィスコによると、ドル円は24日7時台に158円85銭まで下押ししたあと159円00銭まで戻し、9時台後半には158円71銭まで下落しました。21日のニューヨーク市場の終値は159円13銭でしたので、東京市場は総じてそれより円高寄りの水準で推移したことになります。株式新聞は24日朝の時点で、この日のドル円は159円ちょうど近辺でのもみ合いになるとの見通しを伝えていました。

注目ポイント

  • 前週の荒い値動きに比べると、この日の振れ幅は落ち着いていました。 高値6万6257円73銭と安値6万5470円95銭の差は786円78銭です。19日に2134円31銭安、20日に890円37銭高、21日には一時956円超下げる場面があったことを思えば、値幅そのものは大きく縮まりました。売買代金が4月以来の低水準だったこととあわせて、方向感の出にくい一日だったと言えます。

  • 日経平均とTOPIXの位置には、かなりの差が開いています。 ヤフーファイナンスの52週データによると、TOPIXの高値は8月14日の4220.31で、24日終値の4073.29はそこから3.5%ほど下の位置にあります。一方の日経平均は、日本経済新聞のマーケットデータで年初来高値が6月25日の7万2366円34銭。24日終値はそこから9.4%ほど低い水準です。同じ東京市場の指数でも、直近の高値からの距離がこれだけ違います。値がさのAI・半導体関連が調整する一方、それ以外の銘柄が底堅く推移してきたことが、この差に表れています。

  • 今週の材料は、水曜から金曜に集中しています。 ザイ・オンラインがまとめたスケジュールと株探の市場見通しによると、26日に米7月のPCEデフレーターと米エヌビディアの決算、27日から29日にジャクソンホール会議、28日にウォーシュFRB議長の基調講演が控えます。株探はエヌビディア決算とジャクソンホール会議を今週の二大イベントと位置づけています。24日と25日は国内外とも大きな指標が少なく、様子見の地合いが続きやすい日程です。

  • 韓国株の下落も、東京市場の重荷として挙げられました。 日本経済新聞は24日の下落要因として、日米の長期金利上昇とAI・半導体関連の売りに加え、同日の韓国株安を挙げています。韓国市場には半導体の主力企業が上場しているため、日本のAI・半導体関連と値動きが連動しやすい関係にあります。東京市場を見るときにアジアの他市場も併せて確認する理由の一つです。

  • 業種別の並びは、指数の下げとは違う景色を映しています。 33業種のうち20業種が上昇し、サービス、建設、その他製品、卸売が上昇上位でした。下落上位は鉱業、情報・通信、保険です。ソフトバンクグループが属する情報・通信が下落上位に入った一方、内需系の業種が上位に並んだ形で、金利上昇局面で高PER(株価収益率)銘柄が売られやすいという教科書的な整理とも整合します。

  • JPXプライム150指数は0.25%高の1700.69と反発しました。 この指数はプライム市場のうち資本効率や市場評価の高い150社で構成されており、TOPIXと同じく時価総額をもとに算出されます。日経平均が下げた日にこの指数がプラスだったことは、TOPIXの3日続伸と同じ方向の情報です。指数を複数並べて見ると、その日の相場の「広がり」が確認しやすくなります。

ひとこと解説

24日の数字で目を引くのは、下落幅そのものよりも、プライム市場の売買代金が約7兆636億円と4月以来の低水準だったことです。市況記事では「薄商い」「商いが細る」といった言い方で登場しますが、この売買代金という指標が何を表しているのかは、意外と説明されないまま使われがちです。

売買代金は、その日に成立した売買の金額の合計です。100円の株が1万株売買されれば100万円、10万円の株が100株なら1000万円。これをプライム市場の全銘柄について足し上げた数字が、市況記事に出てくる「売買代金」です。似た指標に出来高がありますが、こちらは金額ではなく株数の合計を指します。24日で言えば、売買代金が約7兆636億円、出来高が18億8200万株でした。

2つを併記する理由は、それぞれ見落とすものが違うからです。出来高は株数なので、株価の安い銘柄が大量に売買されると大きく膨らみます。逆に売買代金は、株価の高い銘柄が少し動いただけでも増えます。前週末21日と比べると、売買代金は約1割、出来高は約15%減りました。減り方に差があるということは、相対的に単価の高い銘柄の取引が残り、安い銘柄の取引がより減ったという読み方ができます。細かい話に見えますが、どの層の売買が細ったのかを推し量る手がかりになります。

では、売買代金が少ないと何が言えるのか。基本は「参加者が少ない」「様子見が多い」という解釈です。24日のように、週後半に米エヌビディアの決算やジャクソンホール会議といった大きな材料が控えている場合、その結果を見てから動きたいと考える投資家が増えます。結果として注文が細り、代金が減ります。イベント前の閑散は、方向感がないというより「判断を保留している」状態に近いと言えます。

ここで注意したいのが、薄商いのときの値動きの読み方です。参加者が少ない相場では、同じ金額の売買でも株価が動きやすくなります。買い注文と売り注文が板の上に厚く並んでいれば、多少まとまった注文が出ても株価はそれほど動きません。逆に板が薄いと、少ない注文で価格が飛びます。24日にアドバンテストやキオクシアが数%単位で下げた背景には、金利や業績への見方だけでなく、こうした需給の薄さも一因として考えられます。

言い換えると、薄商いの日の値動きは、そのまま市場の総意とは読みにくいということです。売買代金が大きい日に大幅高・大幅安になれば、多くの投資家が同じ方向に動いた結果である可能性が高い。しかし代金が細っている日の値動きは、限られた参加者による売買が価格を動かしただけかもしれません。今回のように、下げ幅の大半を2銘柄の寄与で説明できてしまう日は、なおさらそう言えます。

もう一つ、売買代金には水準の目安があります。東京市場では長らく「3兆円を超えると活況」といった言い方がされてきましたが、株価水準そのものが上がれば同じ株数でも代金は膨らむため、絶対額の比較には限界があります。実務的には、直近数カ月の平均と比べて多いか少ないか、という相対的な見方をするのが自然です。24日の報道で「4月以来の低水準」という表現が使われたのも、絶対額ではなく期間内での位置づけを示すためです。

最後に、閑散が続いたあとの相場について。「閑散に売りなし」という古い相場格言があり、参加者が減った局面では大きく下げにくい、という経験則を指します。ただしこれはあくまで言い伝えであって、法則ではありません。実際に24日は、薄商いのなかで日経平均が一時500円超下げています。格言は相場を説明する道具にはなっても、予測の根拠にはならないという点は、押さえておきたいところです。

出典