今夜の米国市場は、日本時間20日午前3時に公表される7月FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨が最大の焦点です。米国株は18日まで主要3指数が3日続落し、19日の東京市場も日経平均が3.16%安と大きく下げました。金利をめぐる警戒が世界的に広がるなかで、Fed(米連邦準備制度)内部の議論がどこまでタカ派だったのかが読み解かれます。
| 今夜の主なイベント | 日本時間 |
|---|---|
| 米週間石油在庫統計 | 19日 23:30 |
| 米20年債入札(160億ドル) | 20日 未明 |
| 7月FOMC議事要旨 | 20日 3:00 |
| 直前の市場水準 | 水準 | 備考 |
|---|---|---|
| 米10年債利回り | 4.69%前後(東京時間) | 前日に一時4.74%まで上昇後、4.70%へ低下 |
| 同・当日の予想レンジ | 4.60〜4.75% | 株式新聞の見通し |
| ドル円 | 159円08銭(19日17時26分・ロンドン時間) | 16時時点では一時159.02 |
| NY原油 | 85〜86ドル台 | 中東情勢を受け高止まり |
| CME FedWatch(9月会合) | 利上げ34.8% / 据え置き65.2% | 19日時点 |
| 18日の米国市場(前日終値) | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| ダウ工業株30種平均 | 53,343.40ドル | -116.38(-0.22%) |
| S&P500種株価指数 | 7,691.76 | -53.30(-0.69%) |
| ナスダック総合指数 | 26,289.71 | -355.20(-1.33%) |
| フィラデルフィア半導体株指数(SOX) | 11,992.46 | -628.54(-4.98%) |
何があった?
議事要旨の対象は7月28〜29日の会合です。この回は政策金利が据え置かれましたが、投票権を持つ12人の委員のうち3人が0.25%の利上げを主張していたことが分かっています。据え置きという結論だけを見れば穏やかですが、内部では引き締め方向の意見が一定数あったことになります。
その後の状況は一方向ではありません。米経済指標には弱いものが目立ち、18日発表の7月住宅着工件数は123.9万件と市場予想の134.2万件を下回りました。一方で中東情勢の緊張から原油価格が1バレル85〜86ドル台で高止まりしており、エネルギー価格経由のインフレ圧力は残っています。景気の弱さとインフレ懸念が同時に存在するため、議事要旨の記述の重心が「当面の据え置き」と「先々の利上げ余地」のどちらに寄っているかで、市場の受け止めは変わりそうです。CME FedWatchでは19日時点で9月会合の利上げ確率が34.8%、据え置きが65.2%と、まだ据え置き優勢の織り込みになっています。
企業決算も出ています。半導体のアナログ・デバイセズ(ADI)は19日の米東部時間午前7時に2026年度第3四半期(8月1日締め)を発表し、売上高40億2000万ドルと前年同期比40%増、GAAPベースの希薄化後EPSは2.74ドル(163%増)、調整後EPSは3.45ドル(68%増)となりました。調整後の粗利益率は72.5%、営業利益率は50.0%です。第4四半期の見通しは売上高43億ドル±1億ドル、調整後EPS3.86ドル±0.15ドルで、いずれも市場予想を上回る水準として伝えられています。決算を受けて寄り付き前の取引では買われたと報じられています。
小売のTJXは寄り付き前に第2四半期(2027年度・8月1日締め)を発表し、売上高152億ドル(5%増)、全社の既存店売上高は4%増と会社計画を上回りました。希薄化後EPSは1.36ドルで24%増、関税関連の要因を除いた調整後は1.22ドルです。通期の税引前利益率とEPSの見通しを引き上げたほか、2028年度から年4%の出店ペースへ加速し、長期の世界店舗数目標を7,500店に見直すとしています。
注目ポイント
一つ目は、議事要旨と債券市場の組み合わせです。今夜は同じタイミングで20年債の入札(160億ドル)も予定されています。米長期金利は前日に30年債利回りが19年ぶりの高水準を付けるなど上昇基調にあり、入札の需要が弱ければ金利にさらに上向きの圧力がかかります。議事要旨がタカ派に読まれた場合、金利面から株式の重荷になる可能性が指摘されています。
二つ目は、半導体セクターの反応です。18日のSOX指数は4.98%安と大きく下げ、その流れが19日の東京市場にも波及しました。ADIの決算は増収率・利益率・見通しのいずれも高い水準ですが、直近の下げは業績ではなく金利を理由に説明されてきました。良い決算がセクター全体の地合いを変えるのか、それとも金利要因が優先されるのかは、今夜の値動きを見る一つの手がかりになりそうです。なお、市場が最も注目するエヌビディアの決算は現地時間8月26日(日本時間27日早朝)の予定で、今週ではありません。
三つ目は為替です。ドル円は19日の東京時間に一時159円台前半まで円高方向へ振れ、ロンドン時間には159円08銭付近で推移しました。160円が政府・日銀の介入警戒ラインとして意識されているとの見方もあり、議事要旨の内容次第では金利と為替が同時に動く展開もありえます。
ひとこと解説
FOMC議事要旨とは何か。 FOMCの会合から約3週間後に公表される、討議内容の要約です。金利をどうするかという結論そのものは会合直後の声明と議長会見で分かっているので、議事要旨で新しく分かるのは「どんな理由で、どれくらい意見が割れたのか」という部分です。今回のように据え置きの中に利上げ主張が混ざっていた回では、その少数意見がどれほど強い論拠を持っていたかが読まれ、次回以降の見通しに影響します。
「調整後EPS」と「GAAP EPS」の違い。 GAAPは米国の会計基準に沿った数字で、企業買収に伴う無形資産の償却や一時的な費用もすべて含みます。調整後(non-GAAP)はそうした項目を除いたもので、企業側が本業の実力を示すために併記します。ADIのようにGAAP2.74ドル・調整後3.45ドルと差が大きい会社もあるため、市場予想と比べるときはどちらの基準の数字かを揃えて見る必要があります。
既存店売上高(コンパラブル・セールス)。 小売業で使われる指標で、一定期間以上営業している店舗だけを対象にした売上高の伸びです。新規出店の分を含む全体の売上高と違い、既存の店がどれだけ客数や単価を伸ばしたかが分かります。TJXの場合、全社売上高が5%増に対し既存店が4%増なので、伸びの大半が出店ではなく既存店によるものだったと読めます。
出典
- 今晩のNY株の読み筋=FOMC議事要旨に注目(ウエルスアドバイザー) - Yahoo!ファイナンス
- 8月19日の主要経済・暗号資産日程 米7月FOMC議事要旨など - bloomingbit
- 19日の米国債券市場見通し=FOMC議事要旨に注目 - 株式新聞Web
- 【これからの見通し】米FOMC議事録に注目、ドル相場の方向性を探る展開に - みんかぶ
- ドル売り継続、ドル円一時159.08レベル=ロンドン為替 - みんかぶ
- Analog Devices Reports Record Fiscal Third Quarter 2026 Financial Results - PR Newswire
- Analog Devices Q3 Earnings: Revenue $4.02B, Up 40% - StockTitan
- Analog Devices climbs as fiscal Q3 results, Q4 outlook beat forecasts - Investing.com
- TJX Q2 Earnings: EPS $1.36; FY27 Guidance Up - StockTitan
- The TJX Companies, Inc. to Report Q2 FY27 Results August 19, 2026 - Business Wire
- 【NVDA】エヌビディア、2027年度第2四半期決算説明会を開催へ - BigGoファイナンス
- 日経平均終値2134円安、AI・半導体株総崩れ 拭えぬ中東不安 - 日本経済新聞