19日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続落し、前日比2134円31銭(3.16%)安の6万5326円42銭で終えました。下げ幅は一時2300円を超えています。前日は日経平均の下落率2.54%に対しTOPIXが1.05%安にとどまりましたが、この日はTOPIXも3.09%安と、市場全体が下げる展開になりました。

指数 終値 前日比
日経平均株価 65,326.42円 -2,134.31円(-3.16%)
TOPIX 4,012.31 -127.91(-3.09%)
前引け時点の東証プライム 数値
売買代金(概算) 5兆284億円
売買高 11億7,506万株
値下がり銘柄 1,282(全体の8割強)
値上がり銘柄 240
横ばい 34
その他の市場データ 水準 備考
ドル円(19日12時時点) 159円台前半 米長期金利の低下を受けて円は上昇
ドル円(19日15時時点) 159円13銭付近
長期金利(新発10年債利回り) 一時2.945% 1996年9月以来、約30年ぶりの水準

何があった?

きっかけは前夜の米国市場です。18日の米国株は主要3指数がそろって3日続落し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4.98%安と大きく下げました。米30年物国債利回りが19年ぶりの高水準を付けるなど世界的に長期金利が上昇し、AI・半導体関連への売りが強まった流れが、そのまま東京市場に持ち込まれた形です。

日経225先物の夜間取引が1480円安で終えていたこともあり、東京市場は寄り付きから売り優勢でした。日中は下げ幅を広げ、14時台には一時2300円を超える下落となっています。

売られたのはやはり半導体・AI関連が中心でした。日経新聞の値下がりランキングでは古河電気工業が13.69%安、キオクシアホールディングスが12.60%安、ソフトバンクグループが10.34%安と、指数寄与度の大きい銘柄が二桁の下落となっています。前引け時点では東京エレクトロン、フジクラ、イビデンのほか、トヨタ自動車、ファナック、コマツといった主力の輸出関連にも売りが波及しました。一方でメルカリ、キッコーマン、大塚ホールディングス、資生堂などは上昇しており、内需・ディフェンシブ色の強い銘柄には買いが入っています。

国内の金利環境も重荷でした。新発10年物国債の利回りは前日に一時2.945%と1996年9月以来およそ30年ぶりの水準に上昇しており、財政悪化への懸念や日銀の利上げ観測が背景にあると伝えられています。加えて、中東情勢の不透明感が拭えないことや、長引く物価高で個人消費が落ち込むとの警戒も投資家心理を冷やしたとされています。

注目ポイント

前日との違いは「下げの広がり方」です。18日は日経平均が2.54%安、TOPIXが1.05%安と差が1.5ポイント近くあり、値がさの半導体株に売りが集中した構図でした。この日は3.16%安と3.09%安でほぼ横並びとなり、前引け時点でプライムの8割強にあたる1,282銘柄が値下がりしています。特定セクターの調整から、市場全体のリスク回避へと局面が移ったことがうかがえます。

もう一つは、株安の材料が「業績」ではなく「金利」として説明されている点です。日米ともに長期金利が数十年ぶりの水準に上がっており、企業の決算発表とは別のところで株式の評価軸が動いています。国内金利の上昇は日銀の政策をめぐる観測とも結び付いているため、今後は個別企業のニュースだけでなく、債券市場の動きも合わせて見る必要がありそうです。

なお、この日の円相場は米長期金利の低下を受けて上昇し、12時時点で1ドル=159円台前半で推移しました。金利上昇が株の重荷になる一方、為替は米側の金利低下に反応しており、株・債券・為替が必ずしも同じ材料で同じ方向に動くわけではないことが表れています。

ひとこと解説

「全面安」とはどういう状態か。 値下がり銘柄が市場の大半を占め、業種を問わず売られている状態を指します。特定のセクターだけが下げているときは業界固有の材料が原因のことが多いのですが、全面安のときは金利・為替・地政学といった市場全体に効く要因が背景にあると読まれます。この日は前引け時点でプライムの値下がりが1,282銘柄、値上がりが240銘柄と、10倍以上の差がありました。

ディフェンシブ銘柄という言い方。 食品、医薬品、日用品など、景気の波に業績が左右されにくいとされる業種を市場では「ディフェンシブ」と呼びます。相場全体が下げる局面で相対的に値持ちが良くなる傾向があるとされますが、値下がりしないという意味ではありません。この日、キッコーマンや大塚ホールディングス、資生堂といった銘柄が上昇したのは、こうした資金の移動が表れた一例と言えます。

出典