14日の東京株式市場は日経平均株価が4日続伸し、前日比405円21銭(0.59%)高の6万8713円80銭で取引を終えました。前夜の米ハイテク株高を受けてAI・半導体関連への買いが続き、上げ幅は一時1300円近くに広がって取引時間中としては約1カ月ぶりに6万9600円台を回復しましたが、7万円の大台が近づくと週末を控えた利益確定売りに押され、伸び幅の大半を削って引けています。TOPIX(東証株価指数)は8日続伸し、21.16ポイント(0.51%)高の4197.20と、取引時間中・終値ともに3日連続で最高値を更新しました。

東京市場(8月14日終値) 終値 前日比
日経平均株価 68,713.80円 +405.21(+0.59%)
TOPIX 4,197.20 +21.16(+0.51%)
日中の推移(8月14日) 日経平均 前日比
寄り付き 68,811.17円 +502.58
取引時間中の高値 69,608.24円 +1,299.65
10時ごろ 69,100円台 +800円程度
午前終値 68,889.01円 +580.42(+0.85%)
後場寄り付き 68,953.80円 +645.21
12時45分ごろ 68,790円前後 +480円程度
大引け 68,713.80円 +405.21(+0.59%)
東証プライムの売買動向(8月14日) 数値
売買代金 10兆3,156億円
出来高 24億4,922万株
値上がり銘柄数 1,124
値下がり銘柄数 401
変わらず 31
上昇した業種 33業種中19業種
8月限のSQ(特別清算指数) 数値
8月限SQ値 69,702円13銭
当日の日経平均の高値 69,608.24円
前夜の米国市場(8月13日終値) 終値 前日比
NYダウ 53,839.99ドル +69.72
ナスダック総合 26,803.03 +214.54
SOX(フィラデルフィア半導体株指数) 12,456.00 +56.62
為替(8月14日) 水準
ドル円(12時) 159円41〜42銭(前日17時比5銭の円安・ドル高)
ユーロ円(12時) 183円86〜89銭(同19銭のユーロ高)
ドル円(15時) 159.25円前後
ドル円の日中レンジ 159.17〜159.53円

何があった?

前夜の米ハイテク株高を素直に引き継いだ — 財経新聞によると、13日の米国市場ではNYダウが69.72ドル高の5万3839.99ドル、ナスダック総合指数が214.54ポイント高の2万6803.03で終えました。原油価格の下落と生産者物価指数(PPI)の結果が好感され、長期金利の低下も株式の支援材料になったと同紙は伝えています。半導体関連の値動きを示すSOX指数も56.62ポイント高の1万2456.00と上昇し、シカゴ市場の日経225先物は920円高の6万9180円まで買われていました。東京市場はこの流れを引き継ぎ、財経新聞によると日経平均は502円58銭高の6万8811円17銭で寄り付いています。

上げ幅は一時1300円近く、6万9600円台まで駆け上がった — 日本経済新聞によると、日経平均は上げ幅を1300円近くに広げ、取引時間中としては約1カ月ぶりの高値水準となる6万9600円台に乗せる場面がありました。日中の高値は6万9608円24銭です。買いを主導したのはAI・半導体関連で、同紙によるとアドバンテストは上場来高値を連日で更新し、キオクシアホールディングスも米サンディスク株の急伸を追い風に上昇。ソフトバンクグループとソニーグループは高値の買い気配となりました。ウエルスアドバイザーによると、後場のプラス寄与上位にはアドバンテスト、ソフトバンクグループ、キオクシアが並んでいます。

7万円が近づくと売りに押され、伸び幅は3分の1以下に縮んだ — 日本経済新聞によると、7万円の大台が近づいたことで週末を控えた持ち高整理や利益確定の売りが出て、日経平均は10時ごろには6万9100円台へ、後場に入ると6万8790円前後まで水準を切り下げました。同紙は、米連邦準備理事会(FRB)の早期利上げ観測が後退する一方で日銀が9月に追加利上げを決めるとの予想が増えており、国内の長期金利に先高観が根強いことがAI・半導体関連の売りにつながったと伝えています。ピーク時に1300円近くあった上げ幅は、大引けでは405円21銭まで縮小しました。

8月限は「幻のSQ」となった — 株式新聞によると、14日算出の8月限株価指数先物・オプションのSQ値(特別清算指数)は6万9702円13銭となり、当日の日経平均の高値6万9608円24銭を上回りました。SQ値に現物の相場が一度も届かなかったこの状態を、市場では「幻のSQ」と呼びます。東証プライムの売買代金はSQ算出に伴う商いも加わって10兆3156億円、出来高は24億4922万株に膨らみました。

金利上昇の影響が業種ごとにくっきり分かれた — 株式新聞によると、値上がり銘柄は1124と全体の7割を超え、33業種中19業種が上昇しました。海運、その他製品、鉱業、情報通信が堅調で、輸送用機器や電気機器も高い一方、医薬品や証券・商品先物は弱含んでいます。日本経済新聞によると、日銀の追加利上げ予想を背景に地方銀行株には買いが活発だった半面、金利上昇による利払い負担が意識された不動産株は軟調に推移しました。個別では、日本経済新聞によるとアドバンテストが一時前日比2790円(7.76%)高の3万8730円まで買われ、株式分割考慮後の上場来高値を連日で更新。野村証券が同社の目標株価を引き上げたことも伝わっています。ウエルスアドバイザーによると、後場のマイナス寄与にはイビデン、リクルートホールディングス、中外製薬が挙がりました。

注目ポイント

  • 日経平均の7万円は「手が届く距離」に入った — 取引時間中に6万9600円台を付けたことで、心理的節目の7万円までは400円弱まで接近しました。ただし今日はその手前で失速しており、大台を前に利益確定を優先する投資家が一定数いることも同時に示しています。節目に近づくほど売買が交錯しやすくなる点は頭に入れておきたいところです。

  • TOPIXの8日続伸は日経平均より一貫している — 日経平均が7月の高値圏を回復した段階なのに対し、TOPIXは8日続けて上げ、終値ベースでも3日連続で最高値を更新しました。日経平均が値がさのハイテク株の影響を強く受けるのに対し、TOPIXは市場全体の時価総額を映すため、幅広い銘柄への買いが続いていることの表れと読めます。

  • 国内金利の先高観が相場の重荷として定着しつつある — 13日に続いて今日も、日銀の9月追加利上げ予想が上値を抑える材料として意識されました。地銀株が買われ不動産株が売られるという業種間の差も、金利の方向をめぐる見方が相場に織り込まれ始めていることを示しています。日銀が方針を決定したわけではなく、あくまで市場の予想である点は区別が必要です。

  • 円相場は159円台前半で膠着している — 日本経済新聞によると、14日12時の円相場は1ドル=159円41〜42銭と前日17時比で5銭の円安・ドル高でした。日米両政府による追加の円買い介入への警戒感が下値を支える一方、日米金利差が開いた状態が続くとの見方が円売りを促しています。ザイ・オンラインによると15時時点は159.25円前後、日中のレンジは159円17銭〜159円53銭と、値幅は40銭に満たない狭さでした。

  • 来週は決算一巡後の相場つきに変わる — 国内の決算発表シーズンは今週で最終盤を迎えました。個別の決算材料が薄くなるぶん、来週以降は米国の経済指標や日銀の政策をめぐる観測など、マクロ材料の比重が高まりやすい局面に移ります。

ひとこと解説

今日の相場を語るうえで外せないのが「SQ」という言葉です。ニュースでは月に一度、それも3・6・9・12月は「メジャーSQ」として大きく扱われます。名前は聞いたことがあっても中身はよく分からない、という方が多い項目なので、今日の「幻のSQ」を題材に整理しておきます。

SQは**Special Quotation(特別清算指数)**の略で、日本語では特別清算指数といいます。株価指数先物や指数オプションは「将来の決められた日に、決められた価格で日経平均を売買する」という約束の取引ですが、日経平均そのものは株券のように受け渡しできません。そこで最後は現金でやりとりして決済します。そのときに使う「精算用の日経平均」がSQ値です。算出日は毎月第2金曜日で、その日の寄り付きに付いた日経平均構成225銘柄の始値を集計して計算されます。

ここに「幻のSQ」が生まれる理由があります。225銘柄の始値は、実際には全部が同じ瞬間に決まるわけではありません。注文の集まり方によって、9時ちょうどに値が付く銘柄もあれば、9時5分、9時10分と遅れて寄り付く銘柄もあります。SQ値はそれらをすべて足し合わせた数字なので、取引時間中にリアルタイムで表示される日経平均のどの瞬間とも一致しないことがあるのです。今日の場合、SQ値は6万9702円13銭でしたが、日経平均の日中高値は6万9608円24銭。約94円届かず、画面に一度も表示されなかった水準で先物・オプションが清算されたことになります。これが「幻」と呼ばれる所以です。

もう一つ知っておくと役に立つのが、SQの日は売買代金が膨らみやすいという点です。今日の東証プライムの売買代金は10兆3156億円と、前日の10兆206億円をさらに上回りました。先物やオプションの持ち高を清算するために現物株の売買が発生するためで、この日の商いの多さは必ずしも「投資家の買い意欲が強い」ことだけを意味しません。同じ理由で、SQ算出日の朝の値動きは需給要因で振れやすく、その日の相場の方向をそのまま示すとは限らないと言われます。

ではSQを気にする必要があるのは誰か。結論から言えば、先物・オプションを扱わない長期の積立投資家が、SQ値そのものを追う実益はほとんどありません。ただ、「なぜか今日は朝から値動きが荒い」「売買代金だけ妙に多い」という日に、その背景がSQだと分かると、相場の異変ではなく制度上の事情だと落ち着いて受け止められます。数字が動いた理由を、材料によるものと需給によるものに切り分けて考える。SQはその練習にちょうどよい題材です。


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