13日の東京株式市場は日経平均株価が3日続伸し、前日比784円53銭(1.16%)高の6万8308円59銭で取引を終えました。前夜の米消費者物価指数(CPI)が市場予想どおりの結果となったことを受けてAI・半導体関連に買いが集まり、上げ幅は一時1200円を超えましたが、後場に日銀の早期利上げ観測を伝える報道が流れると伸び悩みました。TOPIX(東証株価指数)は7日続伸し、37.04ポイント(0.89%)高の4176.04と連日で最高値を更新しています。

東京市場(8月13日終値) 終値 前日比
日経平均株価 68,308.59円 +784.53(+1.16%)
TOPIX 4,176.04 +37.04(+0.89%)
東証プライムの売買動向(8月13日) 数値
売買代金 10兆206億円
売買高 24億350万株
値上がり銘柄の比率 64.9%
値下がり銘柄の比率 32.0%
日中の推移(8月13日) 日経平均 前日比
寄り付き +509円程度
午前終値 68,609.92円 +1,085.86(+1.61%)
12時45分すぎ 68,740円前後 +1,220円程度
大引け 68,308.59円 +784.53(+1.16%)
国内金利・為替(8月13日) 水準
長期国債先物(9月限)終値 126円45銭
10年債利回り 2.849%
20年債利回り 3.720%
ドル円(12時) 159円43〜44銭(前日17時比6銭の円安・ドル高)
ユーロ円(12時) 183円69〜71銭(同18銭の円高・ユーロ安)

何があった?

前夜の米CPIが「適温経済」への期待を呼んだ — 12日に発表された米7月CPIは前年同月比3.4%上昇と市場予想に一致し、コア指数も予想どおり2.5%へ鈍化しました。日本経済新聞によると、この結果で米国の早期利上げ観測が後退し、前日の米ハイテク株高の流れを東京市場が引き継いだ形です。同紙は市場が「適温経済」への期待に沸いたと伝えています。景気が拡大を続けながら物価の伸びは落ち着く、という組み合わせを指す言葉で、6月下旬から急落していたAI・半導体株に資金が戻る動きにつながりました。前夜のフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2.48%高となっていたことも追い風です。

上げ幅は一時1200円超、6万8700円台まで買われた — 財経新聞によると、日経平均は509円高で取引を始めたあと上げ幅を広げ、読売新聞によると一時は前日終値(6万7524円06銭)に比べ1200円超高い6万8700円台で推移しました。日本経済新聞によると、取引時間中に心理的節目の6万8000円を上回るのは7月16日以来です。午前終値は1085円86銭高の6万8609円92銭、ウエルスアドバイザーによると12時45分すぎには前日比1220円程度高い6万8740円前後を付けています。東証プライムの売買代金は10兆206億円に膨らみ、財経新聞によると値上がり銘柄が64.9%、値下がりが32.0%と、上昇銘柄が広がりました。

後場に日銀の利上げ報道が伝わり、上げ幅は半分近くに縮んだ — 日本経済新聞によると、ブルームバーグ通信は13日午後、日銀が9月か10月の金融政策決定会合で政策金利の引き上げを視野に入れていると報じました。ブルームバーグの記事によると、日米協調介入の効果を維持したい政府も早期の利上げを支持する姿勢だといい、円安による物価上昇を警戒する日銀と思惑が一致したと伝えられています。日銀は6月の会合で利上げに踏み切ったあと、7月31日の会合では政策金利を1.0%程度に据え置いていました。報道を受けて長期金利には上昇圧力がかかり、株式市場では利益確定や戻り待ちの売りが増加。日経平均は大引けにかけて上げ幅を784円まで縮めました。ピーク時の約1220円高からは400円あまり削られた計算になります。

買われたのは半導体、そして銀行 — 財経新聞によると、指数寄与度の大きい値がさ半導体株に買いが集中し、アドバンテスト、東京エレクトロン、イビデン、キオクシアホールディングス、TDK、村田製作所などが上昇しました。日本経済新聞によると、アドバンテストは上場来高値を更新しています。ウエルスアドバイザーによると、後場の日経平均へのプラス寄与上位はアドバンテスト、東京エレクトロン、イビデンの3銘柄でした。株式新聞によると、売買代金の上位にはキオクシア、フジクラ、太陽誘電が並んでいます。もう一つ目立ったのが銀行株で、Fiscoによるとみずほフィナンシャルグループが3.21%高、三菱UFJフィナンシャル・グループが2.86%高となりました。日銀の利上げ観測は指数全体には重荷でしたが、銀行にとっては逆方向に働いた形です。TOPPANホールディングスは前日の決算を受けてストップ高水準まで買われました。

下げた銘柄もはっきり分かれた — 日本経済新聞やウエルスアドバイザーによると、ファーストリテイリング、ファナック、コナミグループ、ソニーグループ、東京海上ホールディングスが下落しました。Fiscoによるとトヨタ自動車は0.48%安、ソフトバンクグループは1.00%高です。値上がり銘柄が全体の3分の2を占める一方で、指数の重い銘柄に売りが出る場面もありました。

注目ポイント

  • 焦点は9月と10月の日銀会合に移った — これまで市場の関心は米国の金融政策に向きがちでしたが、今日の値動きは国内の金融政策が相場を動かす材料になったことを示しました。日本経済新聞は12日、日銀の9月利上げ予想が8割に迫っていると伝えており、今回の報道はその見方を補強する内容です。ただし報道は関係者の話に基づくもので、日銀が決定を公表したわけではない点は区別しておく必要があります。

  • 長期金利は2.8%台後半で推移している — 財経新聞によると、13日の10年債利回りは2.849%、20年債は3.720%でした。長期国債先物9月限は126円68銭で始まり126円45銭で引けています。日本経済新聞は、国内要因から長期金利が3%を試す展開も想定されるとの市場の見方を伝えました。金利の水準は銀行の収益や企業の資金調達コスト、株式の評価に幅広く影響します。

  • 為替は160円の節目が意識される — 日本経済新聞によると、13日12時のドル円は1ドル=159円43〜44銭と前日17時比で6銭の円安・ドル高でした。中東情勢の不透明感から基軸通貨のドルに買いが入ったほか、原油高が日本の貿易赤字拡大につながるとの見方も円売りを促しています。財経新聞は、160円に接近するほど介入への警戒からドルの上値は重くなりそうだとの見方を伝えていました。日銀の利上げ観測は円にとっては上昇材料であり、方向の異なる力が同時に働いている状態です。

  • TOPIXは7日続伸で最高値を更新した — 日経平均が7月16日以来の水準を回復した段階なのに対し、TOPIXは連日で最高値を更新しています。日経平均が値がさのハイテク株の影響を受けやすいのに対し、TOPIXは市場全体の時価総額を映すため、決算を受けた幅広い銘柄の底上げが反映されやすい構造です。

  • 決算発表は14日がピーク — 株探によると、国内の決算発表は13日が218社、14日が360社と件数が増えます。決算シーズンは最終盤で、個別銘柄の値動きが目立ちやすい局面が続きます。

ひとこと解説

今日の相場では、同じ「日銀の利上げ観測」というニュースが、半導体株には売り材料として、銀行株には買い材料として働きました。日経平均が上げ幅を縮める一方で三菱UFJやみずほが3%前後上げるという、一見ちぐはぐな動きです。ここを整理しておくと、金利のニュースが出たときの株価の反応が読み解きやすくなります。

鍵になるのは、金利が企業にとって「コスト」なのか「収入」なのかという違いです。多くの企業にとって金利は借入コストであり、上がれば負担が増えます。ところが銀行は、預金として集めたお金を企業や個人に貸し出し、その貸出金利と預金金利の差で稼ぐ商売です。この差を利ざやと呼びます。政策金利が上がると貸出金利は比較的すぐ追随する一方、預金金利の引き上げは緩やかになりやすいため、利ざやが広がって収益が増えると期待されます。銀行株が「金利上昇局面で買われやすい」と言われるのは、この構造があるからです。

反対に、金利上昇が重荷になりやすいのが成長期待の大きい銘柄、いわゆるグロース株です。株価は将来生み出す利益を今の価値に置き換えて評価されますが、その計算に使う割引率は金利が上がるほど大きくなります。10年後・20年後の利益が価値の大半を占める企業ほど、遠い将来の利益が目減りする影響を強く受けます。AI・半導体関連には、この性質を持つ銘柄が多く含まれています。今日の東京市場で「AI・半導体が主導した上げが、日銀報道で削られた」という展開になったのは、この理屈と整合的です。

もう一つ押さえておきたいのが、利上げ観測は円高要因でもあるという点です。金利の高い通貨は相対的に持たれやすくなるため、日銀が動くとの見方は円を押し上げる方向に働きます。円高は輸出企業の円換算の利益を目減りさせるため、自動車や機械といった業種には逆風になります。今日ファナックやトヨタが下げたことと無関係ではありません。つまり同じニュースが、業種ごとに違う経路を通って株価に届いているわけです。

こうして見ると、「利上げは株安」という一言の要約が、実際の市場ではかなり乱暴な整理だと分かります。指数は数百・数千の銘柄の集計値なので、その中身では方向の違う動きが同時に起きています。指数が何%動いたかだけを見るのではなく、どの業種が上がって、どの業種が下がったのかを並べてみる。今日のように指数の上げ幅が縮んだ日ほど、その一手間が相場の性格を教えてくれます。


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