11日の東京市場は「山の日」の祝日で休場となり、日経平均株価やTOPIXの取引はありませんでした。24時間動き続ける為替市場では、東京の市場参加者が不在の薄商いのなかドル円が1ドル=159円台で小動きとなっています。原油は前日に5%超上昇した水準を保ったままで、市場の関心は12日に発表される米国の消費者物価指数(CPI)に向かっています。

東京時間の為替(8月11日 8時時点) 水準 前営業日NY終値
ドル円 159円24銭 159円29銭
ユーロ円 183円83銭 183円89銭
ユーロドル 1.1544ドル 1.1543ドル
東京時間の値幅(8月11日) 安値 高値
ドル円 158円93銭 159円31銭
ユーロ円 183円55銭 183円89銭
ユーロドル 1.1539ドル 1.1549ドル
前営業日の東京市場(8月10日終値) 終値 前週末比
日経平均株価 66,970.22円 +1,363.51(+2.08%)
TOPIX 4,100.61 +25.68(+0.63%)

何があった?

東京証券取引所は祝日休場、次の立ち会いは12日 — 日本取引所グループの営業日カレンダーの通り、11日は「山の日」で株式・先物とも取引が行われませんでした。今週の東京市場は10日・12日・13日・14日の実質4営業日で、お盆の時期と重なります。休場中も海外市場は動くため、12日の東京市場は2日分の海外の材料をまとめて織り込む形になります。

為替は狭いレンジでの推移 — トレーダーズ・ウェブによると、11日8時時点のドル円は159円24銭と、前営業日のニューヨーク市場の終値(159円29銭)に比べて5銭程度の小幅なドル安水準で始まりました。東京市場が休場で流動性が乏しいことから、急変への警戒が指摘されています。日中の値幅は158円93銭から159円31銭にとどまり、財経新聞によると、為替介入への警戒から下げる場面もあったものの底堅く推移し、午後は159円20銭台とほぼ変わらずの水準で推移しました。中東情勢への不安を背景としたドル買いと、日本の財政をめぐる懸念からの円売り圧力が、ドルの下値を支える構図が続いています。

円安の水準をめぐる政策の焦点 — 日本経済新聞によると、10日のニューヨーク市場で円が一時1ドル=159円台まで下落し、日米当局が7月末から実施した異例の協調介入後の安値を更新しました。円は介入による上昇幅の半分以上を失った計算になります。財務省は7月30日の海外市場で円買い介入に動き、日銀は31日の金融政策決定会合で政策金利を据え置きつつ、円安による物価の上振れリスクを強調して追加利上げの検討を表明していました。さらに円安が進んだ場合に当局が再び動くかどうかが焦点として意識されています。

原油は前日の急伸後も高い水準 — AP通信によると、11日のアジア時間の原油はおおむね横ばい圏で推移し、10日に5%超上昇した水準を保ちました。10日のWTI原油先物9月物は前週末比5.1%高の1バレル82.13ドルで終えています。ホルムズ海峡がいつ再開するのかをめぐる不透明感が続いており、原油価格は先月だけでも1バレル72ドルから102ドルの間で振れました。アジアの主要株式市場はまちまちの動きとなっています。

注目ポイント

  • 12日に米7月消費者物価指数(CPI) — AP通信によると、市場では前年同月比の伸びが6月の3.5%から3.4%へ鈍化すると見込まれています。ブルームバーグによると、前月比では総合が0.1%上昇、コア(食品・エネルギーを除く)が0.2%上昇との予想です。7月の統計には今回の原油急伸は反映されないため、足元のエネルギー価格との時間差には注意が必要です。13日には米生産者物価指数(PPI)の発表も控えています。

  • 12日の東京市場は決算発表が本格化 — 株探によると、今週の国内の決算発表は12日が207社、13日が218社、14日が360社と後半にかけて増えます。決算シーズンは最終盤で、指数全体の方向より個別の値動きが目立ちやすい局面が続いています。お盆で市場参加者が減りやすい時期でもあり、同じ材料でも株価の振れ幅が大きくなりやすい点は意識されやすいところです。

  • 休場明けに織り込む海外の材料 — 11日の日本時間の夜には米国市場が開きます。12日の東京市場は、11日の米国市場の結果とCPI発表前の持ち高調整、そして為替と原油の動きをまとめて受け止めることになります。

ひとこと解説

今日のように「東京市場は休場なのに、為替のニュースだけは流れてくる」という日があります。なぜ株式市場が休みでも為替は動くのでしょうか。ここには市場の仕組みそのものの違いがあります。

株式の売買は、取引所という1カ所に注文を集めて成立させる仕組みです。東京証券取引所には開く時間と閉じる時間があり、祝日は開きません。取引所が閉まれば、そこで付く値段=株価も止まります。だから日本が祝日なら、日経平均は前営業日の数字のまま動かないわけです。

一方の為替には、中心となる取引所がありません。銀行や機関投資家が相対(あいたい)で取引する「店頭取引(OTC)」の集合体で、世界のどこかの金融機関が開いていれば取引は成立します。ウェリントンやシドニーから始まり、東京、ロンドン、ニューヨークへと売買の中心地が地球を1周していくため、実質的に平日は24時間動き続けます。日本が祝日でも、ロンドンやニューヨークが平常営業なら為替は普通に取引されるのです。

ここで押さえておきたいのが、参加者が減ると値動きの性質が変わるという点です。取引に参加する人が多いときは、少しくらいの売り買いが出ても反対側に応じる相手がすぐ見つかり、価格はなめらかに動きます。しかし今日のように東京勢が丸ごと不在だと、相手が見つかりにくくなります。この状態を「流動性が乏しい」「薄商い」と表現します。薄商いの市場では、平常時なら吸収されるはずの注文が価格を大きく飛ばすことがあり、実際に今日の報道でも「急変への警戒」が繰り返し指摘されていました。年末年始やお盆、海外の祝日が重なる時期に相場が突然大きく振れることがあるのは、この性質が背景にあります。

もう一つの帰結が、**休場明けの「まとめて織り込み」**です。日本が休んでいる間も海外の株式・為替・商品は動くため、その分の材料は翌営業日の寄り付きに一度に反映されます。休場明けの朝に指数が大きく動いたとき、それは「今日いきなり何かが起きた」のではなく、休んでいた期間の変化を追いついて反映しているだけ、というケースが少なくありません。カレンダーを見て「日本は何日休むのか」「その間に海外で何の発表があるのか」を確認しておくと、休場明けの値動きに驚きにくくなります。


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