来週(8月10日〜14日)は、11日(火)が「山の日」の祝日で東京市場が休場となり、実質3営業日の短い週になります。物価統計が集中し、12日に米7月消費者物価指数(CPI)、13日に国内の7月企業物価指数と米7月生産者物価指数(PPI)が発表されます。まずは足元の位置と予想レンジを整理します。

項目 数値
日経平均 先週末終値(8/7) 65,606.71円(前日比 -76.55円、-0.12%)
TOPIX 先週末終値(8/7) 4,074.93(前日比 +19.08、+0.47%)
日経平均の週間騰落(8/3〜8/7) +1,244円69銭(+1.93%、2週ぶり上昇)
来週の予想レンジ(ザイ・オンライン) 63,000〜69,000円
来週の予想レンジ(フィスコ) 63,000〜68,000円
ドル円 予想レンジ(外為どっとコム) 156円00銭〜160円00銭
週末(8月7日)の米国市場 終値 前日比
NYダウ工業株30種 54,036.93ドル +151.83(+0.28%)
S&P500種株価指数 7,757.64 +47.68(+0.62%) ※最高値
ナスダック総合指数 26,690.62 +342.27(+1.30%)
ドル円(NY市場 終値) 157円78銭

先週末の米7月雇用統計は非農業部門雇用者数が2万3000人の減少と予想外のマイナスとなり、早期利上げ観測の後退からS&P500は最高値を更新しました。この流れを引き継いだ状態で来週を迎えます。

来週の注目日程

  • 8月10日(月): 日銀金融政策決定会合における主な意見、6月の国際収支、7月の景気ウオッチャー調査。国内決算は244社が予定(楽天グループ、住友金属鉱山、サンリオ、ソニーフィナンシャルグループ、スクウェア・エニックス・ホールディングスなど)
  • 8月11日(火): 「山の日」で東京市場は休場。米国では7月中古住宅販売件数、シスコシステムズの決算
  • 8月12日(水): 米7月消費者物価指数(CPI)、ドイツ7月CPI改定値、国内マネーストック。決算は207社(東京海上ホールディングス、TOPPANホールディングス、コロワイドなど)
  • 8月13日(木): 国内7月企業物価指数米7月生産者物価指数(PPI)、米新規失業保険申請件数。決算は218社(三越伊勢丹ホールディングス、すかいらーくホールディングス、ネクソン、KADOKAWA、トレンドマイクロなど)、米アプライドマテリアルズ
  • 8月14日(金): 米7月小売売上高、米8月ミシガン大学消費者態度指数、ユーロ圏4〜6月期GDP改定値。決算は360社(アサヒグループホールディングス、電通グループ、荏原製作所、アシックス、MS&ADインシュアランスグループホールディングスなど)
  • 8月11日〜13日: 米3年債・10年債・30年債の入札

注目ポイント

  • 最大の焦点は12日の米CPIです。 先週の雇用統計が労働市場の弱さを示したことで、市場が織り込む9月の利上げ確率は発表前の55%程度から40%程度へ低下しました。ここに物価の数字が加わることになります。直近の米CPIは6月分が前年同月比3.5%上昇と5月の4.2%から鈍化し、コアCPIも2.6%と市場予想を下回っています。物価の鈍化が続いていることが確認されれば利上げ観測はさらに後退しやすく、反対に上振れすれば「雇用は弱いが物価は高い」という判断の難しい組み合わせになります。翌13日のPPI、14日の小売売上高まで含めて、週の後半に材料が集中する構図です。

  • 国内は決算シーズンの最終盤を迎えます。 発表社数は10日が244社、12日が207社、13日が218社、14日が360社と、後半にかけて増えていきます。先週は「上方修正でも下落」「増益でも下落」という反応が繰り返され、指数の方向よりも個別銘柄の値動きが目立ちました。休場とお盆休みで市場参加者が減りやすい週でもあり、ザイ・オンラインは短期的な売買が中心になりやすいと指摘しています。売買代金が細る局面では、同じ材料でも株価の振れ幅が大きくなりやすい点は意識しておきたいところです。

  • 為替と中東情勢は引き続き不透明な要素です。 先週は日米の協調介入で円が一時155円台まで急伸したあと、週末の雇用統計を受けたドル売りで157円78銭で終えました。外為どっとコムは来週のドル円について156円00銭〜160円00銭のレンジを示し、160円に近づくほど追加介入への警戒が強まると指摘しています。加えて、ホルムズ海峡をめぐる報道で原油価格が振れる展開が続いており、ザイ・オンラインも中東情勢と原油価格を警戒材料に挙げています。原油高はインフレ再燃の材料にもなるため、CPIの結果と重なると反応が増幅されやすい点にも注意が向けられています。

ひとこと解説

来週はCPI(消費者物価指数)PPI(生産者物価指数)、そして国内の企業物価指数という3つの物価統計が並びます。似た名前ですが、測っている場所が違います。

CPIは「お店の値札」の統計です。 消費者が実際に買う商品やサービスの価格を集めたもので、家計が感じる物価の代表選手。中央銀行が金融政策を判断するときの中心的な指標でもあります。

PPIは「工場の出荷値札」の統計です。 企業が製品を出荷するときの価格を集めたもので、CPIより川上にあたります。原材料やエネルギーの値上がりが最初に表れやすく、それが数カ月遅れて小売価格に転嫁されていくことがあるため、「CPIの先行指標」として見られることがあります。日本で13日に発表される企業物価指数も、企業間で取引される財の価格を測る、位置づけとしてはPPIに近い統計です。

3つを並べて見るとどうなるか。たとえばPPIや企業物価指数が上がっているのにCPIが落ち着いている場合、企業がコスト上昇を価格に転嫁しきれず、利益を削って吸収している可能性があります。この状態は企業の採算にとって負担ですが、消費者の負担はまだ軽い。逆にPPIが落ち着いてきたのにCPIが高止まりしているなら、サービス価格や人件費など別の要因が効いていると考えられます。

数字の水準そのものよりも、**「前年同月比の伸びが前の月より加速したか、減速したか」**が市場の反応を左右する点も押さえておきたいところです。物価が上がっていること自体はすでに株価に織り込まれており、市場が反応するのは織り込みとのズレだからです。来週、CPI・PPI・企業物価指数の見出しが並んだときは、それぞれがどの段階の価格を測っているのかを思い出すと、ニュースの意味を整理しやすくなります。


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