7日の東京株式市場で日経平均株価は前日比76円55銭安の6万5606円71銭と、小幅ながら2日続落して取引を終えました。朝方は半導体関連株への売りで一時1000円を超える下げとなり6万5000円を割り込みましたが、その後は徐々に下げ幅を縮めています。一方でTOPIXは続伸し、指数の見え方が大きく分かれる一日となりました。
| 指数(8月7日終値) | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 65,606.71円 | -76.55(-0.12%) |
| TOPIX | 4,074.93 | +19.08(+0.47%) |
| JPXプライム150指数 | 1,708.48 | +11.05(+0.65%) |
| 東証プライムの内訳 | 銘柄数 |
|---|---|
| 値上がり | 939 |
| 値下がり | 582 |
| 変わらず | 35 |
| 参考(前引け時点) | 数値 |
|---|---|
| 日経平均 前引け | 65,039.16円(-644.10、-0.98%) |
| TOPIX 前引け | 4,060.68(+4.83、+0.12%) |
| ドル円(午後) | 158円40銭前後 |
何があった?
朝方は値がさ半導体株が指数を押し下げた — 寄り付きは反発して始まったものの、まもなく失速しました。米国で連邦準備理事会(FRB)高官の発言を受けた早期利上げ観測が強まったと伝えられ、金利上昇に弱いとされる値がさの半導体関連株に売りが続いた形です。前場の時点でアドバンテストは1銘柄だけで日経平均を約381円押し下げ、値下がり寄与度のトップとなりました。東京エレクトロンなども売られ、前引けの日経平均は644円10銭安の6万5039円16銭。取引時間中には下げ幅が1000円を超え、6万5000円を割り込む場面もありました。
決算をめぐる失望売りも重荷に — 6日に決算を発表したレーザーテックは一時14%を超える下落となりました。2027年3月期の連結純利益予想を前期比16%増の900億円としましたが、市場予想(968億円)に届かなかったことが嫌気されています。同じく6日に4〜6月期の純利益が前年同期比18%減だったと発表したソフトバンクグループは一時6%安、26年4〜6月期の連結純利益が前年同期から3割減となった富士フイルムホールディングスは一時18%安と、決算を受けた売りが目立ちました。
後場は下げ渋り、指数の「ねじれ」が鮮明に — 前日に600円あまり下げていたこともあり、押し目を拾う動きが徐々に入りました。ただしダウ平均先物が時間外取引で軟調だったことや、今夜の米雇用統計を見極めたいとの姿勢から、積極的な買いは手控えられたと伝えられています。結果として日経平均の下げ幅は76円まで縮小しました。注目したいのは中身で、東証プライムでは値上がり939銘柄に対し値下がり582銘柄と、上げた銘柄が全体の6割を占めています。TOPIXが19.08ポイント高と続伸したのはこのためで、「日経平均は下げたが、市場全体はむしろ買われた」一日でした。
上方修正銘柄には買いが集まった — 7日午後に27年3月期の業績予想を上方修正したフジクラは一時14%高となりました。通期の経常利益予想を従来の3160億円から4530億円へと43.4%引き上げ、5期連続の過去最高益予想をさらに上乗せしています。このほかバンダイナムコホールディングス、コナミグループ、任天堂といったゲーム関連にも買いが入りました。
国内消費の弱さを示す統計も — 総務省が発表した6月の家計調査では、2人以上世帯の消費支出が物価変動の影響を除いた実質で前年同月比3.3%減となり、7カ月連続の減少となりました。内需の弱さを示す内容として意識されています。
注目ポイント
今夜21時30分の米7月雇用統計 — 東京市場が積極的な売買を手控えた最大の理由がこれです。市場予想は非農業部門雇用者数が8万5000人程度の増加、失業率は4.2%で横ばい。結果次第で米金利とドル円が動き、週明けの東京市場の出発点が変わります。ドル円は午後を通じて158円40銭前後で膠着しており、材料待ちの状態でした。
決算発表はピークを通過中 — 7日は取引時間中にフジクラなどが、引け後にリクルートホールディングスやKDDIなどが決算を発表する予定で、この日だけで679社にのぼります。今週の値動きが示すとおり、指数の方向感よりも「予想に届いたかどうか」で個別株が大きく動く地合いが続いています。
日経平均とTOPIXの差をどう読むか — 今週は6日・7日と2日連続で、日経平均が下げる一方でTOPIXが上がる展開になりました。値がさの半導体株に売りが集中し、それ以外の幅広い銘柄は底堅い、という構図が続いていることを示しています。
ひとこと解説
今日のように日経平均は下がったのにTOPIXは上がるという現象は、初めて見ると混乱しやすいところです。どちらも「日本株全体」を表すはずの指数なのに、なぜ逆に動くのでしょうか。
答えは、2つの指数の計算方法の違いにあります。
日経平均株価は、東証プライムから選ばれた225銘柄の「株価」を平均して算出する株価平均型の指数です。ここで効いてくるのが、株価が高い銘柄ほど指数への影響が大きくなるという性質です。会社の規模ではなく、1株あたりの値段が大きいほど動かす力が強い。だから株価が数万円台の「値がさ株」が数銘柄動くだけで、指数が数百円単位で振れます。今日の前場、アドバンテスト1銘柄で約381円押し下げたというのはまさにこの構造です。日経平均の下げ幅644円のうち、半分以上を1社が作っていた計算になります。
一方のTOPIXは、東証に上場する幅広い銘柄を対象に、各社の時価総額(株価×株式数)で重みづけして算出する時価総額加重型の指数です。1株の値段がいくらかは関係なく、会社の規模が大きいほど影響が大きくなります。構成銘柄数も日経平均よりはるかに多いため、市場全体の平均的な姿に近くなります。
つまり今日は、「株価の高い半導体株が大きく売られた」ため日経平均が下がり、「それ以外の多くの銘柄が買われた」ためTOPIXが上がった、ということになります。値上がり939対値下がり582という内訳を見れば、市場の実感としてはむしろ買いが優勢だったと言えるでしょう。
ニュースで「日経平均が◯◯円安」と聞くと市場全体が沈んだように感じますが、それは225銘柄の、しかも株価の高い一部の銘柄の動きを強く映した数字かもしれません。指数の水準だけでなく、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の比率や、TOPIXがどう動いたかを合わせて見ると、その日の市場の姿がより立体的に見えてきます。
出典:
- 日経平均株価、小幅続落 終値は76円安の6万5606円(日本経済新聞)
- 日経平均大引け:前日比76.55円安の65606.71円(財経新聞)
- 7日大引けの日経平均株価=76円55銭安の6万5606円71銭と続落(株式新聞Web)
- 東証前引け 日経平均は続落、644円安 レーザーテクなど売られる(日本経済新聞)
- 日経平均は続落、アドバンテストが1銘柄で約381円分押し下げ(財経新聞)
- 日経平均644円安、売り一巡後下げ渋り、TOPIXは上昇=7日前場(株式新聞Web)
- 日経平均は394円安、次第に下げ渋り(財経新聞)
- フジクラ、今期経常を43%上方修正・最高益予想を上乗せ(株探)
- 東京為替:ドル・円は膠着、米金利に底堅さ(財経新聞)
- 本日の決算発表予定 … フジクラ、川重、リクルートなど 679社(8月7日)(株探)