5日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続伸し、終値は前日比2342円91銭(3.66%)高の6万6300円44銭でした。前夜の米国市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が6%を超える上昇となった流れを引き継ぎ、AI・半導体関連の値がさ株に買いが集中しています。上方修正を発表したイビデンはストップ高となりました。
| 指数(8月5日終値) | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 66,300.44円 | +2,342.91(+3.66%) |
| TOPIX | 4,046.17 | +84.39(+2.13%) |
| その他の指標(5日) | 数値 |
|---|---|
| 日経平均への寄与度1位 | アドバンテスト(1銘柄で約504円分の押し上げ) |
| イビデン株価 | 23,330円(ストップ高、前日比4,000円高) |
| 円相場(東京市場) | 1ドル=157円25銭〜157円80銭程度で推移 |
何があった?
米半導体株の急伸が起点 — 前日4日の米国市場では、ホルムズ海峡の再開協議への期待から原油が急落し、企業決算も好感されて主要3指数がそろって大幅高となりました。なかでもSOX指数は6%を超える上げとなっています。この流れを受けて5日の東京市場は寄り付きから買いが先行し、一時1700円高で始まった後も上げ幅を広げました。前引け時点で1903円47銭高の6万5861円00銭、後場に入っても勢いは衰えず、大引けにかけて上げ幅は2300円を超えています。
買われたのはAI・半導体関連が中心でした。アドバンテスト、東京エレクトロン、キオクシアホールディングス、フジクラ、TDK、村田製作所などが上昇し、ソフトバンクグループも買われています。業種別では非鉄金属、ガラス・土石製品、電気機器、情報・通信業、金属製品の上昇が目立ちました。半面、海運業、鉱業、倉庫・運輸関連、水産・農林業、電気・ガス業は下落しています。原油急落は資源・エネルギー関連にとっては逆風で、上昇一色の相場ではありませんでした。指数寄与度の面ではファーストリテイリングやダイキン工業、KDDIが押し下げ側に回っています。
イビデンが上方修正と株式分割でストップ高 — この日いちばん値動きが大きかったのはイビデンでした。4日に発表した2027年3月期の業績予想の修正で、営業利益を従来の900億円から1270億円(前期比2.0倍の水準)へ引き上げています。4〜6月期の営業利益も前年同期比52.4%増の269億円と、市場予想の210億円程度を大きく上回りました。生成AI向けサーバーおよび汎用サーバー向けの高機能ICパッケージ基板の受注が堅調に推移していることが背景です。あわせて9月末時点の株主を対象とする1株を2株にする株式分割も発表しました。株価は買い気配で始まり、ストップ高の2万3330円(前日比4000円高)で引けています。
円相場は157円台で往って来い — 5日の東京外国為替市場では、朝方に1ドル=157円70銭近辺だったドル円が仲値決済に向けて軟化し、輸出企業のドル売りや中東情勢の改善期待による「有事のドル買い」の巻き戻しから一時157円25銭近辺まで下押ししました。午後は円買いが一服して大引け前に157円80銭近辺まで戻しています。前日終値と比べるとほぼ横ばいで、この日の株高は為替要因ではなく海外のハイテク株高が主因だったことがうかがえます。
注目ポイント
上昇の中身は「値がさ株主導」 — 日経平均の上昇率3.66%に対し、TOPIXは2.13%高にとどまりました。アドバンテスト1銘柄で日経平均を約504円分押し上げており、これは2342円の上げ幅の2割強に相当します。指数の数字ほど市場全体が一様に買われたわけではない点は押さえておきたいところです。
決算がそのまま株価を動かす時期 — イビデンのように、内容が事前予想を大きく上回ると株価が制限値幅いっぱいまで動くことがあります。5日は178社が決算を発表し、6日はソフトバンクグループやJX金属など322社が控えています。指数の方向感より個別の反応が値動きを決めやすい局面が続きます。
今夜は米ADP雇用統計とISM非製造業景況指数 — 日本時間5日夜に7月のADP全米雇用リポートと7月のISM非製造業(サービス業)景況指数が発表されます。4日に発表された6月のJOLTS求人件数が市場予想を下回ったこともあり、労働市場の減速度合いへの関心は高まっています。7日には7月の米雇用統計が控えます。
ひとこと解説
今日は日経平均が3.66%高、TOPIXが2.13%高と、同じ日本株の指数なのに上昇率に1.5ポイント以上の差がつきました。この差が生まれる理由が、指数の計算方法の違いです。
日経平均は株価平均型の指数です。採用されている225銘柄の株価を足して調整した除数で割る、という作り方をしているため、株価の水準が高い銘柄(値がさ株)ほど指数への影響が大きくなります。会社の規模は関係ありません。株価3万3000円台のアドバンテストが1銘柄で日経平均を約504円分動かせるのは、このためです。
一方のTOPIXは時価総額加重型です。株価に発行済み株式数を掛けた時価総額の大きさに応じて影響力が決まるので、株価が何円かは直接関係しません。東証プライム市場の広い範囲を対象にしているぶん、市場全体の平均的な動きに近くなります。
ここから読み取れるのは、「日経平均が大きく上がった日=すべての銘柄が上がった日」ではないということです。今日のように一部の値がさ半導体株に買いが集中すると、日経平均は派手に上がる一方、TOPIXの上昇は控えめになります。逆に、業種を問わず幅広く買われた日は両者の上昇率が近づきます。日経平均とTOPIXの上昇率を並べて見るだけで、その日の相場が「一部主導」だったのか「全体的」だったのかが、おおまかにつかめるわけです。
もう一つ、今日のイビデンに出たストップ高という言葉も押さえておきましょう。日本の株式市場では、1日の値動きが大きくなりすぎないように株価水準ごとに制限値幅が決められており、その上限まで上がることをストップ高、下限まで下がることをストップ安と呼びます。制限値幅は投資家が冷静に判断する時間を確保するための仕組みで、材料が大きいときは翌日以降も値動きが続くことがあります。ストップ高は「そこで上昇が終わった」という意味ではなく、「その日の制限にぶつかった」という意味である点に注意が必要です。
出典:
- 5日大引けの日経平均株価=2342円91銭高の6万6300円44銭と大幅続伸(株式新聞Web)
- 5日前引けの日経平均株価=1903円47銭高の6万5861円00銭と大幅続伸(株式新聞Web)
- 日経平均株価が続伸、一時6万6000円台回復 米株高で半導体株に買い(日本経済新聞)
- 日経平均一時2200円高 日米好決算でAIラリー復活、イビデン急伸(日本経済新聞)
- 東証寄り付き 日経平均は続伸 一時1700円高 米株高で半導体株に買い(日本経済新聞)
- 日経平均は大幅続伸、アドバンテストが1銘柄で約504円分押し上げ(株探)
- 日経平均は2306円高、内外企業決算や米経済指標に関心(財経新聞)
- イビデン、大幅上方修正と株式分割発表でストップ高(株式新聞Web)
- イビデン 大幅続伸、通期予想は想定以上の上方修正に(財経新聞)
- 5日の東京外国為替市場=ドル・円、157円台で往って来い(株式新聞Web)
- 4日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は大幅続伸、イラン和平合意期待や企業決算を好感(財経新聞)
- 本日の決算発表予定 … 太陽誘電、IHI、ホンダなど 178社(8月5日)(株探ニュース)
- 明日の決算発表予定 SBG、JX金属など322社(8月5日)(株探ニュース)
- 今週の【重要イベント】米ISM製造業、景気動向指数、米雇用統計(8月3日〜9日)(株探ニュース/Yahoo!ファイナンス)