31日の東京株式市場で日経平均株価は前日比2,494円59銭(4.03%)高の6万4,362円2銭と大幅に続伸しました。前日の米国市場で半導体株が急反発した流れを受けた買いが入り、日中には上げ幅が3,400円を超える場面もありました。一方で値下がり銘柄数は値上がりを上回り、上昇は一部の銘柄に集中しています。

指数(7月31日終値) 終値 前日比
日経平均株価 64,362.02円 +2,494.59(+4.03%)
TOPIX 4,003.30 +50.80(+1.29%)
JPXプライム150指数 1,681.65 +16.28(+0.98%)
参考(同日) 数値
日経平均 前引け 64,572.25円(+2,704.82)
日経平均 後場寄り 64,501.69円(+2,634.26)
東証プライム 売買代金 10兆1,069億円
東証プライム 売買高 32億1,466万株
値上がり / 値下がり / 変わらず 612 / 922 / 24
ドル円(31日8時30分) 159円92〜95銭(前日17時比3円81銭の円高)
前日の米国市場(7月30日終値) 終値 前日比
ダウ工業株30種平均 52,208.06ドル +613.92(+1.19%)
S&P500 7,437.63 +121.48(+1.66%)
ナスダック総合 25,122.18 +679.24(+2.78%)

何があった?

31日の東京市場を動かした材料は、大きく3つに分かれます。

1つ目は、前日の米国市場です。 30日の米市場ではダウ平均が613ドル高、ナスダック総合が7営業日ぶりの上昇となりました。とりわけ半導体株の戻りが大きく、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は8.19%高と、2025年4月以来15カ月ぶりの上昇幅を記録しています。29日に発表されたマイクロソフトの決算でクラウド事業が好調だったことが伝わり、同社株は15.51%高。ラムリサーチが17.98%高、マイクロンが18.36%高、AMDが13.00%高と、AI・半導体関連が軒並み買われました。エヌビディアは2.7%高です。この流れが東京市場にそのまま持ち込まれ、日経225先物(大阪9月限)は前日清算値比2,290円高の6万4,000円で寄り付きました。

日中の日経平均は上げ幅を一時3,400円超まで広げ、取引時間中としては4営業日ぶりに6万5,000円台を回復しました。売買代金上位ではSUMCO、アドバンテスト、ソフトバンクグループ、フジクラ、レーザーテック、TDK、東京エレクトロン、村田製作所などが買われ、業種別では非鉄金属・電気機器・ガラス土石製品が上昇率上位。一方でファーストリテイリング、KDDI、コナミグループ、デンソー、第一三共などが下げ、医薬品・陸運業・その他製品は下落率上位となりました。

2つ目は、為替です。 30日の海外市場でドル円が急落し、一時157円98銭と5月中旬以来の円高水準をつけました。市場では政府・日銀による円買い・ドル売り介入が実施されたとの観測が広がっています。介入の有無は財務省が月末にまとめて公表する仕組みのため、この時点では確認されていません。31日朝の東京市場では159円92〜95銭と、前日17時時点に比べ3円81銭の円高・ドル安で始まりました。

3つ目は、日銀です。 金融政策決定会合の結果が正午前後に公表され、無担保コールレート翌日物の誘導目標は1.0%程度で据え置かれました。賛成8・反対1の賛成多数で、高田創審議委員は1.25%への利上げを提案して反対しています。6月会合での利上げの影響を見極める判断とされます。同時に公表された展望レポートでは、2026年度の実質GDP成長率見通しが4月時点の0.5%から0.6%へ、2027年度が0.7%から0.8%へ引き上げられました。生鮮食品を除く消費者物価(コアCPI)は2026年度が2.8%から2.5%へ下方修正、2027年度は2.3%から2.4%へ上方修正されています。日銀は基調的な物価上昇率が2%目標を超えて上振れるリスクへの警戒を示しつつ、利上げを続ける方針を維持しました。

この結果を市場は「ややハト的」と受け止め、円は伸び悩みました。ドル円は午後に一時160円90銭まで戻し、日経平均も後場に伸び幅をやや縮めています。植田和男総裁の記者会見は15時30分から、東京市場の取引終了後に予定されていました。

注目ポイント

  • 上げ幅の大きさと市場の広がりが一致しない — 日経平均は4.03%高でしたが、値上がり銘柄は612と全体の約4割にとどまり、値下がりの922を下回りました。TOPIXの上昇率は1.29%で、日経平均との差は約2.7ポイントです。前日に続き、指数の動きと市場全体の動きにずれが残っています。
  • 売買代金は前日から減少 — 31日の東証プライムの売買代金は10兆1,069億円で、前日から約2兆5,000億円減りました。値幅は大きい一方、市場全体の商いは細っています。
  • 7月は日経平均が4カ月ぶりの月間下落 — 7月の日経平均は月間で8.13%下落し、4カ月ぶりのマイナスとなりました。一方でTOPIXは4カ月連続の上昇です。31日の大幅高をもってしても、月間では大きく水面下という結果でした。
  • 介入の確認は月末公表を待つ形 — 30日夜の急激な円高は介入によるものとの観測が広がっていますが、公式には確認されていません。実施の有無と金額は財務省の公表を待つことになります。

ひとこと解説

今日の相場で何度も出てきた**為替介入(かわせかいにゅう)**という言葉を整理しておきます。

為替介入とは、通貨の急激な変動を和らげるために、通貨当局が市場で自国通貨を売買することです。日本では判断するのは財務大臣で、日本銀行はその指示を受けて実務を担当します。「日銀が介入した」と報じられることがありますが、決めているのは財務省、というのが制度上の建て付けです。今回のように円高方向に動かす場合は、外貨準備のドルを売って円を買う「円買い・ドル売り介入」となります。

ややこしいのが、実施した瞬間には公表されない点です。日本の当局はいわゆる「覆面介入」を行うことがあり、実施額は原則として月末にまとめて発表されます(日次の内訳は四半期ごと)。そのため報道では「介入観測」「介入とみられる」という書き方になり、確定するのは後日ということになります。市場参加者は、値動きの急激さや時間帯から推測しているにすぎません。

介入の前段階でしばしば話題になるのがレートチェックです。当局が金融機関に対して市場実勢のレートを問い合わせる行為で、実弾を伴わないため介入そのものではありませんが、「本気度を示すサイン」と受け止められ、それだけで相場が動くこともあります。

そして重要なのは、介入は相場のトレンドそのものを反転させる手段ではないという点です。急変動のスピードを緩める効果はあっても、金利差や景気の見通しといった通貨の方向性を決める要因が変わるわけではありません。実際、30日に157円台まで進んだ円高は、31日の東京市場では160円台まで戻しています。介入があった局面では、その後の値動きが「戻る」のか「定着する」のかを、金融政策など背後の要因と合わせて見ていく必要があります。


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