29日の東京株式市場で日経平均株価は前日比930円73銭(1.49%)安の6万1434円19銭と大幅続落し、約2カ月ぶりの安値水準で取引を終えました。半導体・AI関連への売りが続いた一方で、TOPIXは小幅ながら上昇し、指数によって方向が分かれています。
| 指数(7月29日終値) | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 61,434.19円 | -930.73(-1.49%) |
| TOPIX | 3,974.03 | +10.44(+0.26%) |
| 参考(同日) | 数値 |
|---|---|
| 日経平均 前引け | 61,689.86円(-675.06) |
| TOPIX 前引け | 3,968.63(+5.04) |
| ドル円(29日朝の東京市場) | 163円80銭前後 |
何があった?
29日の東京市場は、前日の急落からの戻りを試す動きで始まったものの、時間の経過とともに売りに押される展開となりました。
朝方は、28日に2,566円安と急落した反動から自律反発を狙った買いが入りました。しかし買いが一巡すると次第に戻り売りが優勢となります。売り材料として意識されたのが、日本時間の寄り付き前に発表された韓国の半導体大手SKハイニックスの決算でした。四半期として好調な内容だったと伝えられる一方、市場の期待には届かなかったと受け止められ、同社株は下落。韓国株式市場では下げが加速し、KOSPIの下落率が取引時間中に一時8%を超えてサーキットブレーカーが発動される事態となりました。
これが後場の東京市場に波及します。AI・半導体関連への売りが強まり、日経平均の下げ幅は取引時間中に一時1,900円を超える場面がありました。格付け会社フィッチが四半期ごとの世界リスク見通しの中で、AIへの大規模投資が主要な信用リスクになり得ると警告したことも、前日の中国勢による半導体製造装置をめぐる報道に続く売り材料として意識されています。
個別では下げが特定の銘柄群に集中しました。値下がり率上位にはキオクシアホールディングス(13.85%安)や村田製作所(12.89%安)が並び、寄与度では東京エレクトロン1銘柄で日経平均を約559円分押し下げたと伝えられています。日経平均の下落幅の大半が、ごく一部の値がさ半導体株によって説明できる形です。
一方で、市場全体が売られたわけではありません。前場時点で東証プライムの値上がり銘柄数は6割を超えており、TOPIXは終値でプラスを確保しました。業種別では輸送用機器が上昇率トップとなり、食料品や小売など内需関連にも資金が向かっています。半導体から他の業種へ資金が移動する、いわゆる物色の入れ替えが進んだ一日でした。
注目ポイント
- FOMCの結果は30日未明 — 米連邦公開市場委員会の結果公表は日本時間30日3:00、記者会見は3:30の予定です。市場では政策金利(3.50〜3.75%)の据え置き予想が優勢とされ、東京市場でも結果を見極めたいとの姿勢が積極的な売買を抑えた面があります。
- 日銀会合は明日から — 日銀の金融政策決定会合は30〜31日の日程で、31日には展望レポートが公表されます。米国の金融政策の結果が出た直後に国内の判断が示される日程です。
- 指数の乖離が続くか — 28日は日経平均(-3.95%)がTOPIX(-2.52%)より大きく下げ、29日は日経平均が下落する一方でTOPIXが上昇しました。値がさの半導体株の影響を受けやすい日経平均と、市場全体を映すTOPIXの差が2日続けて表れています。
ひとこと解説
「日経平均は下がったのにTOPIXは上がった」という日は、2つの指数が測っているものが違うことを思い出す機会になります。
日経平均株価は東証プライム上場銘柄から選ばれた225銘柄を対象とし、株価の高い銘柄ほど指数への影響が大きくなる「株価平均型」という計算方法をとります。そのため、東京エレクトロンのような株価水準の高い銘柄が大きく動くと、指数全体が引っ張られます。29日に1銘柄で約559円分の押し下げが生じたのは、この仕組みによるものです。
一方TOPIXは、東証に上場する幅広い銘柄を対象に、時価総額の大きさに応じて影響度を決める「時価総額加重型」の指数です。銘柄数が多いぶん、市場全体の平均的な動きに近くなります。29日のように値上がり銘柄のほうが多い日は、一部の大型株が下げてもTOPIXがプラスになることがあります。
つまり、日経平均の下落率だけを見て「今日は全面安だった」と判断すると、実際の姿を取り違えることがあります。指数の動きと、値上がり・値下がり銘柄数(騰落レシオなどで示される市場の広がり)を合わせて見ると、下げが市場全体に及んでいるのか、特定の業種にとどまっているのかを区別しやすくなります。
出典:
- 29日大引けの日経平均株価=930円73銭安の6万1434円19銭と大幅続落(株式新聞Web)
- 日経平均一時1800円安、SK好決算「力不足」 AI過剰投資の懸念続く(日本経済新聞)
- 日経平均930円安 AI銘柄に相次ぐ「半値割れ」(日本経済新聞)
- 日経平均は大幅続落、東エレクが1銘柄で約559円分押し下げ(財経新聞)
- AI投資リスク警告で半導体関連株売り継続/後場の投資戦略(財経新聞)
- 韓国総合指数、一時8%安 サーキットブレーカー発動(日本経済新聞)
- 韓国SKハイニックス プレマーケットで4.5%安、営業利益が予想に届かず(株探)
- 東京株式(前引け)=続落、半導体株売られ下値模索も値上がり銘柄が6割超(株探)
- 日経平均株価、続落 午前終値675円安の6万1689円(日本経済新聞)
- 本日の【業種】騰落ランキング = 大引け(株探)
- 朝のドル円は163.80円前後、海外市場は163円台後半推移続く=東京為替(みんかぶ FX/為替)
- ドル円午前の為替予想、FOMC、市場は金利据え置きを織り込みきれず(外為どっとコム)