おはようございます。27日の米国市場は、原油の急落を受けて景気敏感株が買われた一方、半導体株への売りが重しとなり、指数によって方向が分かれる展開が続きました。今日から米FOMCが始まります。

指数(7月27日終値) 終値 前日比
NYダウ 52,210.08 +262.83(+0.51%)
S&P500 7,413.18 +1.20(+0.02%)
ナスダック総合 24,932.08 -43.74(-0.18%)
その他の指標(同日) 数値
WTI原油先物(9月物) 82.61ドル(-6.70ドル、-7.50%)
ドル円(NY市場24時時点) 163円71銭前後
東京市場(7月27日終値) 終値 前週末比
日経平均 64,931.19円 +320.04(+0.50%)
TOPIX 4,066.07 +54.76(+1.37%)

何があった?

27日の相場を動かした最大の材料は、中東情勢の急速な沈静化でした。

米国とイランは週末にかけて2週間続いた攻撃の応酬をいったん停止し、トランプ大統領は軍が提出した新たな攻撃計画の承認を24日午後に見送ったと伝わりました。イラン側も、米国が攻撃を控える限り応戦しない姿勢を示しています。供給不安が和らいだことで原油には大量の売りが出て、WTI原油先物(9月物)は前週末比6.70ドル(7.50%)安の1バレル=82.61ドルで取引を終えました。取引中には83ドル台まで下げる場面もあり、前週まで6営業日続いた上昇の流れが一気に反転した形です。

エネルギーコストの低下は幅広い業種の追い風と受け止められ、NYダウは航空や小売など景気敏感株を中心に買われて続伸しました。ただ、上値は限られました。原因は半導体株です。中国の半導体製造装置の生産をめぐる報道を受けてASMLが5.80%安となり、エヌビディアも4.99%安。メモリー関連の需要への警戒からサンディスクは11.02%安と大きく下げています。この売りが徐々に強まり、ナスダック総合は4日続落となりました。マイクロソフトが1.94%高となるなど、ハイテクの中でも明暗が分かれています。

背景には、今週がこの決算シーズンの山場にあたるという事情もあります。S&P500採用企業のうち170社超が今週決算を発表する予定で、マイクロソフト、メタ、アップル、アマゾンといった大型ハイテク企業が集中します。AI関連投資については「増やしすぎれば採算が懸念され、抑えれば成長鈍化が懸念される」という受け止め方もあり、発表を前にポジションを軽くする動きが出やすい地合いです。

東京市場も27日は反発しました。日経平均は320円04銭高の6万4931円19銭。値上がりはより広い範囲に及び、TOPIXは1.37%高と日経平均を上回る上昇率で、東証33業種のうち29業種が値上がりしました。空運や小売、サービスが堅調だった一方、アドバンテストやソフトバンクグループなどAI・半導体関連の一角は軟調で、信越化学工業は業績見通しを嫌気して8%を超える下落となりました。

今日の東京市場の注目ポイント

  • FOMCが今日から2日間 — 米連邦公開市場委員会は28〜29日の日程で開かれ、結果は29日(日本時間30日未明)に判明します。政策金利は3.50〜3.75%での据え置き予想が優勢ですが、CMEフェドウォッチでは利上げの織り込みが3割強と、利上げ停止後としては高い水準にあります。原油急落でインフレ懸念が和らいだことをFRBがどう評価するかが焦点です。
  • 日銀会合と大型決算が続く — 日銀の金融政策決定会合は30〜31日で、31日には展望レポートも公表されます。米ハイテク大手の決算も週の半ば以降に集中し、国内でも28日は日本取引所グループやカプコンなど35社前後が四半期決算を発表する予定です。週の前半は様子見が入りやすい日程が続きます。
  • 原油安をどう織り込むか — 原油の急落は輸送・素材・小売といったコスト負担の重い業種にとって環境の変化となる一方、資源・エネルギー関連には逆風となります。27日の東京市場では非鉄金属と鉱業が数少ない値下がり業種でした。物色の偏りが続くかどうかが注目されます。

ひとこと解説

「原油が下がると株が上がる」という説明を目にすることがあります。なぜそうなるのでしょうか。

理由は大きく2つあります。1つはコストです。原油はガソリンや軽油、電力、プラスチックの原料などの形で、ほぼすべての産業のコストに入り込んでいます。原油が下がれば、航空会社の燃料費、小売業の物流費、化学メーカーの原料費などが軽くなり、企業の利益が出やすい環境になると考えられます。27日に空運や小売が買われたのは、この連想が働いた面があります。

もう1つは金融政策です。エネルギー価格は消費者物価指数などの統計に直接効いてくるため、原油高が続くとインフレ率が押し上げられ、中央銀行は金利を高いままにしておく必要が出てきます。金利が高い状態は、企業の借入コストを増やすだけでなく、株式の相対的な魅力も下げる方向に働きます。逆に原油が下がれば、そうした金利面の圧力が和らぐとの見方につながります。

もっとも、これは常に成り立つ関係ではありません。原油が下がる理由が「供給不安の後退」ではなく「世界景気の悪化で需要が減りそうだから」である場合、同じ原油安でも株式には逆風と受け止められます。値動きそのものより、その裏側にある理由を確認することが大切です。今回は地政学リスクの後退という供給側の要因が主因と受け止められました。


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