今夜(日本時間22:30〜)の米国市場の注目点を整理します。中東情勢の緊張緩和を受けて株価指数先物は上昇して始まり、東京市場も反発しました。ただ明日28日からFOMCが始まり、週半ばにはハイテク大手の決算が控えるため、思惑だけでは動きにくい日程でもあります。

指数(前営業日・7月24日終値) 終値 前日比
NYダウ 51,947.25 +235.60(+0.46%)
S&P500 7,411.98 +3.68(+0.05%)
ナスダック総合 24,975.82 -161.87(-0.64%)
株価指数先物(27日 東京時間7:10、SEP26限) 水準 前日比
ダウ平均先物 52,469.00 +345.00(+0.66%)
S&P500先物 7,509.25 +61.75(+0.83%)
NASDAQ100先物 28,646.00 +363.75(+1.32%)

何があった?

週明けの流れを作ったのは、中東情勢の緊張緩和でした。トランプ米大統領がイランへの新たな攻撃を行わないよう軍に指示したと伝わり、イラン側も報復を抑制。仲介役のパキスタンが和平協議の再開を模索していると報じられ、前週まで急騰していた原油が売られました。NY原油先物は1バレル=90ドルを割り込む場面があり、インフレ再燃と金利上昇への警戒がいくぶん後退しています。

東京市場もこの流れを引き継ぎ、日経平均株価は前週末比320円04銭高の64,931円19銭と反発しました。TOPIXは1.37%高となり、東証プライムでは約9割の銘柄が上昇しています。ただし日経平均の上げ幅が0.50%にとどまったのは、前週末の米国市場でナスダック総合が3日続落した流れを受け、AI・半導体関連株への売りが続いたためです。

つまり今夜の米国市場は、「地政学リスクの後退と原油安」というプラス材料と、「AI・半導体株の調整が続いている」というマイナス材料の綱引きの中で始まることになります。前週末24日の米国市場も、ダウが3日ぶりに反発する一方でナスダックは3日続落と、まさにこの綱引きの構図でした。

今夜の注目ポイント

  • 6月の耐久財受注(日本時間21:30発表) — 今夜最大の指標です。市場予想は総合が前月比1.8%増、変動の大きい輸送用機器を除くベースが同0.8%増。総合は2カ月ぶりの増加、除くベースは14カ月連続の増加が見込まれています。米ボーイングの6月の受注機数が5月の4倍以上に増えたことから、上振れる可能性も指摘されています。景気の強さを示す数字が出れば金利や為替が反応する場面もありそうです。
  • FOMCを翌日に控えた様子見 — 米連邦公開市場委員会は28〜29日に開かれ、29日に結果が判明します。現在の政策金利は3.50〜3.75%で、市場では据え置きの見方が優勢です。もっともウォーシュ議長はフォワードガイダンス(先行きの政策方針の事前提示)を取りやめており、事前の確約がないぶん不確実性は残ります。会合前日は積極的なポジションを取りにくく、値動きが限られやすい日でもあります。
  • ハイテク大手の決算ラッシュは水曜から — 29日にマイクロソフトとメタ、クアルコム、アーム、30日にアップルとアマゾン、31日にエクソンモービルとシェブロンが発表を予定しています。28日にもビザ、コカ・コーラ、ボーイング、UPS、フォードが控えます。AIデータセンターへの設備投資額が今回の共通テーマとされており、週半ば以降の材料待ちという色合いが濃くなります。
  • 米2年・5年国債入札 — 今夜は2年債と5年債の入札が実施されます。応札が低調だと金利が上昇し、株式の重しになることがあるため、金利動向とあわせて確認しておきたいところです。
  • 中東情勢の再燃リスク — 緊張緩和は「攻撃の停止」という段階にとどまり、和平合意ではありません。イエメンのフーシ派によるサウジアラビアの石油施設への攻撃が続いているとも伝えられており、原油相場は上下双方向に振れやすい状態が続いています。

ひとこと解説

今夜の主役である**耐久財受注(たいきゅうざいじゅちゅう)**とは、3年以上の使用に耐える製品——自動車、航空機、産業機械、電子機器など——について、メーカーが受け取った注文の金額を集計した米国の統計です。米商務省が毎月発表します。

なぜ注目されるかというと、耐久財は「今すぐ必要ではないが、先行きに自信があるから買う」性格の商品だからです。企業や消費者が景気の先行きを明るく見ていれば注文が増え、不安なら後回しにされます。しかも「受注」は実際の生産や出荷より前の段階なので、景気の先行きを映す指標として扱われます。

ただし読み方には注意が必要です。航空機は1機あたりの単価が非常に大きく、ボーイングが大口の注文を受けた月は総合の数字が跳ね上がります。そのため市場は、輸送用機器を除いたベースや、さらに設備投資の動きを絞り込んだ「コア資本財受注」を重視します。今夜の発表でも、総合の数字より「除くベースが予想どおり伸びているか」のほうが、市場の反応を左右する可能性があります。ヘッドラインの数字だけで判断しない、というのが耐久財受注の基本的な見方です。


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