14日(水)夜の米国市場は、日本時間21時30分に発表された9月の米消費者物価指数(CPI)を受けたスタートになります。物価の伸びは総合・コアともに市場予想をわずかに上回りました。取引開始前には大手銀行の決算も続いており、バンク・オブ・アメリカとモルガン・スタンレーで結果が分かれています。

13日(火)の米国市場 終値 前日比
NYダウ工業株30種 51,670.10ドル -180.45(-0.35%)
S&P500種株価指数 7,805.45 -1.79(-0.02%)
ナスダック総合指数 27,204.38 -41.52(-0.15%)
ラッセル2000(小型株) 2,783.37 -11.11(-0.40%)
9月の米CPI(14日発表) 結果 市場予想 8月
総合・前年同月比 +3.7% +3.6% +3.4%
総合・前月比 +0.6% +0.6% —
コア(食品・エネルギー除く)・前年同月比 +2.6% +2.5% +2.4%
コア・前月比 +0.3% +0.2% +0.3%
14日発表の主な決算(7〜9月期) 純利益 1株利益 市場予想との比較
バンク・オブ・アメリカ 69億ドル(前年比17%減) 0.91ドル 下回る
モルガン・スタンレー 49億1,000万ドル 3.03ドル 利益・売上高とも上回る

何があった?

物価の伸びが8月から加速。 米労働省が発表した9月のCPIは、前年同月比3.7%の上昇と、8月の3.4%から伸びが高まりました。前月比では0.6%の上昇で、そのうち半分以上はガソリン価格(前月比9.1%上昇)の値上がりによるものです。エネルギー全体では5.2%上がりました。一方、食品は前月から横ばいでした。値動きの大きい食品とエネルギーを除いたコア指数も前年同月比2.6%と、8月の2.4%から伸びが高まり、予想を0.1ポイント上回っています。住居費は前月比0.4%の上昇でした。

バンカメは罰金で減益。 バンク・オブ・アメリカの7〜9月期は、純利益が前年同期比17%減の69億ドル、1株利益が0.91ドルと、市場予想(1.10ドル)を下回りました。米財務省から科された12億ドルの罰金が利益を押し下げたと伝わっています。売上高も予想に届かず、株価は取引開始前の時間外取引で3〜4%ほど下げたと報じられています。

モルガン・スタンレーは予想超え。 モルガン・スタンレーは純利益49億1,000万ドル、1株利益3.03ドルで、市場予想(2.83ドル)を上回りました。金利費用を差し引いた売上高も203億4,000万ドルと予想を上回っています。資産運用大手のブラックロックも予想を上回る決算で、時間外取引で上昇したと伝わっています。

ASMLは過去最高の売上高。 半導体製造装置大手ASMLは、7〜9月期の売上高が116億6,000万ユーロ、純利益が49億6,000万ユーロとなり、通期の売上高見通しを440億〜450億ユーロに引き上げました。ただ、東京市場ではこの発表のあとに半導体関連株が下げに転じており、評価は分かれています。

前日の米国はほぼ横ばい。 13日の米国市場は、大手銀行の決算と韓国発の半導体株安を消化する形となり、S&P500はわずかに下げて終えました。メモリー関連株の下げが重荷になったと伝わっています。

注目ポイント

  • CPIを受けた金利と株価の反応。 予想をやや上回る物価の伸びとなったことで、10月27〜28日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での追加利上げをどの程度意識するかが焦点です。米国債の利回りや、金利に敏感なハイテク株の値動きに注目が集まります。

  • ガソリン高はどこまで続くか。 今回の物価上昇の大きな部分はガソリンによるものでした。中東情勢を背景にした原油高が続くかどうかが、来月以降の物価の見通しにもかかわってきます。

  • 銀行決算のまとめ。 きのうのJPモルガンやゴールドマン・サックスに続き、きょうで大手銀行の決算がほぼ出そろいます。銀行ごとに明暗が分かれるなか、銀行株全体がどう動くかが見どころです。

ひとこと解説

「総合」と「コア」はなぜ分けて見るの? CPIには、すべての品目を含む「総合」と、食品とエネルギーを除いた「コア」があります。ガソリンや食料品の値段は、天候や国際情勢で短い期間に大きく上下しやすいため、それを取り除いた「コア」のほうが物価の基調(根っこの流れ)を表すと考えられています。

今回は、ガソリンの値上がりで「総合」が大きく伸びた一方、「コア」も予想を上回ったことがポイントです。エネルギー以外のモノやサービスの値段にも上昇圧力があることを示すため、中央銀行の金融政策を考えるうえでは「コア」の動きがより重視される傾向があります。

出典