30日(水)夜の米国市場は、株価指数先物がほぼ横ばいの状態で取引開始を迎えます。FRB(米連邦準備制度理事会)が重視するインフレ指標である8月のPCE物価指数と、AI向けメモリーの需要を映すマイクロン・テクノロジーの決算という2つの大きな材料を前に、様子見の空気が広がっています。今日は9月と7〜9月期の最終営業日でもあります。

29日(火)の米国市場 終値 前日比
NYダウ工業株30種 51,349.92ドル -131.59(-0.26%)
S&P500種株価指数 7,670.84 -12.85(-0.17%)
ナスダック総合指数 26,797.54 -22.84(-0.09%)
ラッセル2000(小型株) 2,807.92 -9.99(-0.36%)
30日の米株価指数先物(日本時間の夜) 前日比
NYダウ先物 +0.1〜+0.3%前後
S&P500先物 0〜+0.1%前後
ナスダック100先物 -0.2〜0%前後

※先物は参照する時刻によって水準が変わるため、複数の報道でおおむね一致した範囲を示しています。

30日の原油・金利(日本時間の夜) 水準
WTI原油先物(11月限・20時17分時点) 1バレル=90.70ドル(+1.32ドル、+1.48%)
WTI原油先物(11月限・29日の終値) 1バレル=89.38ドル(-3.22ドル、-3.48%)
米10年債利回り 5.25%前後

何があった?

前日は3指数そろって小幅に続落。 29日の米国市場では、米10年債利回りが一時5.2%台後半まで上がり、金利の高止まりへの警戒が株式の重荷になりました。原油は、攻撃で止まっていたサウジアラビアの東西パイプラインの輸送が戻り、中東からの原油輸出が危機前の水準近くまで回復したと伝わったことで3%余り下げましたが、株価の支えにはなりきれませんでした。

消費者の心理が大きく悪化。 29日に発表された9月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は81.9と、市場予想(89前後)を大きく下回り、2014年以来の低い水準となりました。現状の景況感と先行きの期待がそろって下がっており、先行きの期待を示す指数は3か月続けての低下です。ガソリン価格の高止まりなど、物価への不安が回答に多く表れたとされています。同じ日に発表された8月のJOLTS求人件数は約710万件で、前月からほぼ横ばいでした。

原油は夜にかけて持ち直し。 WTI原油の時間外取引は、朝方は88ドル台まで下げたあと、夜には90ドル台後半に戻しています。米国とイランの協議はほとんど進展がないとも伝わっており、中東をめぐる報道で値動きが振れやすい状況は続いています。

ボーイングが次世代艦上戦闘機の開発を受注。 米国防総省は29日、海軍の次世代戦闘機「F/A-XX」の開発をボーイングに発注すると発表しました。ノースロップ・グラマンとの競争を制したもので、開発契約の規模は200億ドル超と報じられています。ボーイングは空軍の次世代戦闘機F-47も手がけています。

注目ポイント

  • 21時30分の8月PCE物価指数。 日本時間21時30分に、8月の個人所得・個人消費支出と、PCE物価指数が発表されます。市場予想は総合で前年比3.7%、食品とエネルギーを除くコアで3.3%前後と、どちらも前月並みの伸びが見込まれています(※本記事の作成時点では結果を確認できていません)。FRBは9月に利上げしたばかりで、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が「急ぐ必要はない」と述べたこともあり、10月の追加利上げをめぐる見方は割れています。物価の伸びが予想を上回るかどうかで、金利と株価の反応が変わりそうです。

  • 引け後のマイクロン決算。 半導体メモリー大手のマイクロン・テクノロジーが、取引終了後に6〜8月期(2026年度第4四半期)の決算を発表します。会社は売上高500億ドル(±10億ドル)、調整後1株利益31ドル(±1ドル)を見込んでおり、市場予想もその近辺です。AI向けの高性能メモリー「HBM4」の出荷状況と、次の四半期の見通しに関心が集まっており、結果はAI・半導体関連株全体の雰囲気に影響しそうです。

  • ほかの指標とFRB高官の発言。 9月のADP雇用統計、4〜6月期GDPの確報値、9月のシカゴ購買部協会景気指数なども発表される予定です。クック理事、バーキン・リッチモンド連銀総裁、グールズビー・シカゴ連銀総裁らの発言機会もあります。

  • 四半期末の資金の動き。 今日は四半期の最終日で、年金などが資産の配分を調整する売買が出やすいとされます。10月2日(金)には9月の雇用統計が控えています。

ひとこと解説

「PCE物価指数」ってなに? PCEは「個人消費支出(Personal Consumption Expenditures)」の略で、米国の家計がモノやサービスに使ったお金の価格が、どれだけ上がったかを示す物価指標です。米商務省が毎月発表しています。

よく知られる消費者物価指数(CPI)と似ていますが、PCEは家計が実際に買うものの組み合わせの変化(値上がりした品物を減らして別の品物を買う、など)を反映しやすく、医療費のように企業や政府が支払う分も含むといった違いがあります。FRBは物価の目標「2%」をこのPCEで測っており、特に値動きの大きい食品とエネルギーを除いた「コアPCE」は、物価の基調を見る指標として重視されています。現在は目標の2%を大きく上回っているため、数字の上下が金利の見通しに影響しやすくなっています。

出典