29日(火)の米国市場は、米国債の利回りが一段と上がるなかで主要3指数がそろって小幅に下げました。発表された消費者信頼感指数と求人件数はともに市場予想を下回りましたが、株価の反応は限られました。原油は中東からの供給回復の見方から大きく下げ、1カ月ぶりの安値となっています。

29日の米国市場 終値 前日比
NYダウ工業株30種 51,349.92ドル -131.59(-0.26%)
S&P500種株価指数 7,670.84 -12.85(-0.17%)
ナスダック総合指数 26,797.54 -22.84(-0.09%)
ラッセル2000(小型株) 2,807.92 -9.99(-0.35%)
29日の東京市場 終値 前日比
日経平均 65,481.27円 -396.35(-0.60%)
TOPIX 4,041.13 -70.87(-1.72%)
原油・金・先物・為替 水準 前日比など
WTI原油先物 11月限(29日終値) 1バレル=89.38ドル -3.22ドル(-3.5%)、約1カ月ぶりの安値
金先物 12月限(29日終値) 1トロイオンス=4,179.7ドル +11.3ドル(+0.3%)
米10年債利回り(29日) 5.2%台後半 前日から上昇、2007年以来の高水準圏
日経225先物 12月限(30日夜間取引終値) 66,310円 +480円
ドル円(30日7時すぎ) 157円30銭前後 157円台での推移が続く

何があった?

金利の上昇が続き、株式は小動き。 米10年債利回りは一時5.2%台後半まで上がり、2007年以来の高い水準をさらに更新する場面がありました。30年債利回りも上昇が続いています。株式市場は前日に続いて重荷を感じつつも、下げ幅は小さく、狭い値幅での取引となりました。30日朝に物価や景気の重要な統計の発表を控え、様子見の雰囲気もあったようです。

NY連銀総裁「利上げは急がない」。 ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は講演で、9月の会合で利上げを決めたことを踏まえ「急ぐ必要はない」との考えを示しました。一方で、経済が見通しどおりに進めば年内の遅い時期にもう一段の利上げが適切になる可能性にも触れています。これを受けて10月の利上げを見込む向きが後退し、12月の利上げを中心に織り込む動きになったと伝わっています。

消費者の心理が大きく悪化。 9月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は81.9と、市場予想(89.2)を大きく下回り、2014年以来の低い水準になりました。物価高や雇用への不安が強まっていることが背景とされます。8月のJOLTS求人件数も707.9万件と予想(722.5万件)を下回り、5カ月ぶりの少なさでした。ただ、株式市場の反応は限定的でした。

原油は1カ月ぶりの安値。 WTI原油先物は3.22ドル安の89.38ドルで取引を終えました。ペルシャ湾岸からの原油の輸送量が、米国とイランの戦闘が始まる前の8割近くまで戻ったとのデータや、サウジアラビアが攻撃で止まっていたパイプラインを再開し、西部の港からの輸出を再開したことが伝わり、供給が増えるとの見方から売られました。北海ブレントも下げています。金先物は前日の大幅安のあとで小幅に反発しました。

個別では明暗。 米連邦住宅金融局(FHFA)が、住宅ローンの審査で別の信用スコア(VantageScore 4.0)をFICOのスコアと同じ扱いにすると発表したことを受け、信用スコア大手のフェア・アイザック(FICO)は26%を超える大幅安となりました。一方、AIエージェントのサービスを中小企業向けに広げると伝わったメタは3%あまり上げ、オラクルも上昇しています。

注目ポイント

  • 先物は夜間取引で480円高。 日経225先物の夜間取引は6万6,310円で終え、29日の日経平均の終値(6万5,481円)を800円あまり上回る水準でした。前日は配当の権利落ちで大きく下げていただけに、今日は下げた分の戻りがどこまで続くかに関心が集まりそうです。

  • 今日は9月の最終営業日。 30日は9月末、そして7〜9月期の最終日です。年金などの機関投資家が資産の配分を調整する売買が出やすく、株式・債券・為替の値動きが大きくなることがあります。

  • 朝は国内と中国の統計。 8時50分に8月の鉱工業生産(速報値)、10時30分に中国の9月の製造業PMI(購買担当者景気指数)が発表されます。中国の景気の動きは、機械や素材など中国向けの売上が大きい業種の株価に影響しやすい材料です。

  • 夜は米国の重要統計が集中。 日本時間21時15分に9月のADP雇用統計、21時30分に8月のPCE(個人消費支出)物価指数と4〜6月期GDPの確報値が発表されます。PCE物価指数はFRBが特に重視する物価の指標で、利上げの時期をめぐる見方や米金利の動きを左右しそうです。

  • マイクロンの決算。 米半導体メモリー大手のマイクロン・テクノロジーが30日の米国市場の取引終了後に6〜8月期の決算を発表します。AI向けのメモリー需要がどう反映されるかは、日本の半導体関連株の動きにもつながる可能性があります。

ひとこと解説

「消費者信頼感指数」ってなに? 米国の民間調査機関コンファレンスボードが毎月発表している、消費者の景気に対する気持ちを数値にした指標です。「今の景気や雇用をどう感じているか」「半年後はどうなっていると思うか」といった質問への回答をもとに計算され、1985年の水準を100としています。

米国の経済は個人消費が大きな割合を占めるため、消費者の気持ちが冷えると、買い物が控えられて景気が弱まるのではないかと受け止められやすくなります。ただし、アンケートにもとづく「気持ち」の指標なので、実際の消費がすぐに同じだけ減るとは限りません。実際にどれだけお金が使われたかを示す個人消費や小売売上高の統計とあわせて見ると、景気の姿をより正確につかみやすくなります。

出典