27日の東京株式市場は反発し、日経平均株価は前週末比320円04銭高の64,931円19銭で取引を終えました。米国とイランが攻撃の応酬を停止したと伝わったことで原油相場が下落し、幅広い銘柄に買いが入りました。ただ値がさのAI・半導体株の下落が重しとなり、上げ幅は限定的でした。
| 指数 | 終値 | 前営業日比 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 64,931.19円 | +320.04円(+0.50%) |
| TOPIX | 4,066.07 | +54.76(+1.37%) |
| 東証プライムの売買動向 | 数値 |
|---|---|
| 出来高 | 22億6,988万株 |
| 売買代金 | 9兆3,556億円 |
| 値上がり銘柄 | 1,397銘柄(全体の約9割) |
何があった?
相場を押し上げたのは、中東情勢の緊張緩和でした。週末にかけて、トランプ米大統領がイランへの新たな攻撃を行わないよう軍に指示したと伝わり、イラン側も報復を抑制。仲介役のパキスタンが和平協議の再開を模索していると報じられたこともあって、前週まで6営業日続けて上げていたWTI原油先物が反落しました。原油高によるコスト増や物価上昇への警戒がいくぶん和らいだことで、空運や輸送用機器といった景気敏感セクターに買いが戻っています。
市場の広がりという点では、この日はかなり強い一日でした。東証プライムでは値上がりが1,397銘柄と全体の約9割に達し、業種別でも29業種が上昇、下落は非鉄金属・鉱業など4業種にとどまりました。TOPIXが1.37%高と日経平均(0.50%高)を大きく上回ったのは、この裾野の広さを反映しています。
それでも日経平均の上げ幅が伸びなかったのは、AI・半導体関連株への売りが続いたためです。前週末の米国市場でナスダック総合が3日続落した流れを引き継ぎ、アドバンテストは1銘柄で日経平均を約162円押し下げ、ソフトバンクグループも約89円分の下押し要因となりました。米インテル株が前週末に7.89%下落したことを受け、同社を主要取引先とするイビデンも3.9%安の16,700円と3日続落しています。日経平均は取引時間中に下げに転じる場面もありました。
決算発表を受けた個別の動きも目立ちました。信越化学工業は2027年3月期の通期見通しとして営業利益7,000億円(前期比10.2%増)を示しましたが、市場の事前予想(7,600億円程度)を下回ったことから8.3%安の6,146円と大幅続落。中外製薬は6月中間期が営業利益3,196億円(前年同期比16.9%増)と2ケタ増益だったものの、目先の材料が出尽くしたとの見方から7.7%安の6,848円で引け、年初来安値を更新しました。半面、ファーストリテイリングが1銘柄で日経平均を約127円押し上げたほか、リクルートホールディングス、コナミグループ、バンダイナムコホールディングスなどがしっかりでした。
注目ポイント
- 指数の数字と体感のズレ — 「日経平均は0.5%高」と聞くと小幅な一日に見えますが、実際にはプライム市場の9割の銘柄が上昇した全面高に近い相場でした。日経平均は株価水準の高い銘柄の影響を受けやすいため、半導体大手が売られた日は指数の伸びが実勢より小さく出ることがあります。
- 業績が伸びても株価が下がる場面 — 信越化学工業も中外製薬も、決算そのものは増収増益でした。それでも株価が大きく下げたのは、市場があらかじめ織り込んでいた水準との比較で判断されたためです。決算の good/bad は絶対値ではなく「予想と比べてどうか」で受け止められる、という典型例と言えます。
- 今週は日米の金融政策イベントが集中 — 米FOMCは28〜29日、日銀の金融政策決定会合は30〜31日に開かれ、31日には展望レポートも公表される予定です。米ハイテク大手の決算も週の半ば以降に控えており、週前半は様子見が入りやすい日程です。
ひとこと解説
今日のように「指数の上げ幅は小さいのに、ほとんどの銘柄が上がっている」日を読み解く手がかりが、**騰落銘柄数(とうらくめいがらすう)**です。その日に値上がりした銘柄と値下がりした銘柄の数を数えたもので、新聞やニュースサイトの市況欄に必ず載っています。
なぜこれを見るのかというと、指数の数字だけでは**相場の「広がり」**が分からないからです。日経平均は225銘柄の株価をもとに計算されるため、株価水準の高い数銘柄の動きに引っ張られます。一方、騰落銘柄数は1銘柄=1票として数えるので、市場全体のムードがそのまま表れます。
27日のように「日経平均は+0.50%だが、値上がりは1,397銘柄で全体の約9割」という日は、一部の大型株が足を引っ張っただけで、市場全体の地合いはむしろ良かったと読めます。逆に「指数は上がったのに値下がり銘柄の方が多い」という日もあり、その場合は上昇の中身が限られていたことになります。指数の騰落率と騰落銘柄数をセットで見る習慣をつけると、相場の実像がつかみやすくなります。
出典:
- 日経平均大引け 反発 320円高の6万4931円(日本経済新聞)
- 〔東京株式〕小反発=中東の緊張緩和で(27日)(時事通信 / Yahoo!ファイナンス)
- 日経平均は反発、景気敏感株が支え AI・半導体の一角は軟調(ニューズウィーク日本版)
- 日経平均は反発、ファーストリテとリクルートHDの2銘柄で約182円押し上げ(財経新聞)
- 話題株ピックアップ【夕刊】(3):信越化、中外薬、イビデン(株探)
- 信越化学工業株価一時6%安 27年3月期利益計画が市場予想下回る(日本経済新聞)
- WTI原油見通し:米国とイランの和平交渉再開の期待が高まり、原油価格は6営業日ぶりに下落(OANDA証券)
- ドル円今日の見通し|米・イラン攻撃停止でリスクオフの巻き戻しも(外為どっとコム)